みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
金魚を移動することもあろうかと思います。
安全に運ぶのにはどうしたら良いのでしょうか。
金魚Q&Aとは 金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。 |
Q:金魚の引っ越し方法、安全な金魚の移動方法を教えて!
酸素を使ったビニールパッキング
運搬には金魚(観賞魚)用のビニール袋と、輪ゴムが必要です。
金魚用のビニール袋はペットショップで売ってもらうことができます(ネットでも買うことができます)。
普通のビニール袋より厚手で破れにくくなっています。
輪ゴムは太めのものを用います。
これは100円ショップで購入できます。
運搬の際には、金魚と多めの水量をビニール袋に入れ、ビニール袋から水が漏れないように輪ゴムで口を縛ります。
以下に酸素ボンベを使った一般的なパッキングを図で示します。
特に気温が高い時期は、水温上昇による酸素不足が起こりやすいため、酸素ボンベを使ったパッキングが必要です。
酸素ボンベがない場合には、「さんそを出す石」(ニチドウ)などを使ってもよいでしょう。
その際は、魚の大きさと対応する水量、または「さんそを出す石」が効果を維持する時間の案内がパッケージに書かれているので、それに従いましょう。
私の日常的な運搬
以下は、私の日常的な魚の運搬方法を解説します。
私は高校の教諭で生物部の顧問です。
自宅から学校の部室まで金魚を運ぶのに50分ほど時間がかかります。
そのときには体長10cmくらいの金魚であれば8Lほどの水に入れて運んでいます。
割合として袋の3/5は水、2/5は空気となるようにします。
袋を水で満たさないのは、空気中の酸素が水に溶けるからです。
私は徒歩と電車で職場に向かいます。
すると魚の入った袋は少し揺れますが、そのときに袋内の空気と水が触れることで空気の中の酸素が水に溶けます。
このような条件であれば、酸素ボンベや「さんそを出す石」を使用することもありません。
引越しのこと
私はこれまでに何回か引っ越しをしました。
120cm水槽が1つ、90cm水槽が2つ、60cm水槽が5つ、といった大荷物の引っ越しも経験しました。
大量の金魚を運搬するときに私は次のようにしています。
金魚を大きめの袋に入れ、水量を多めにし、「さんそを出す石」も入れる。
丸い体型の金魚と長い体型の金魚は一緒の袋に入れません。
金魚が入った袋は段ボールに入れても構いませんが、万が一水が漏れると大変です。
そこで私は、金魚が入った袋を水槽に入れ、水槽ごと引っ越し屋さんに運んでもらいました。
もちろん、あらかじめ引っ越し屋さんには、水槽の大きさと数、金魚の運搬方法は伝えてあります。
もう一つ私の経験談をお話しします。
この数年、夏場に私は金魚の展示会を行なっていますが、その時に問題が起きました。
移動のときに渋滞に巻き込まれ、自宅から展示場まで2時間ほどかかってしまったのです。
車の冷房はつけていましたが、荷物を運搬するための大きな車だったので、なかなか後ろの荷物まで冷気が行き届かず、水温がかなり上がってしまいました。
夏場の車の移動の際は、予定より時間がかかってしまっても問題のないように、クーラーボックスを使い、そこに金魚が入った袋を入れて運搬するといいでしょう。
引越し先では
金魚を新しい水槽に入れる場合は、金魚が入った袋を、水を張った移動先の水槽に浮かべ、10~15分ほどかけて水温合わせをしてから金魚を放すといいでしょう。
もし、手を入れて水温を判断できる人なら、袋と水槽の水温がほぼ同じであれば金魚をすぐに新しい水に放してもかまいません。
熱帯魚では、エアチューブを使って水を少しづつ混ぜるような、時間をかけた水合わせをすることもあります(「水合わせ 点滴」で動画検索してください)。
しかし、金魚の場合、そこまでする必要はほとんどないでしょう。
例外的に、金魚の中には純粋に系統維持されている地金魚などもおり、熱帯魚と同じように時間をかけた水合わせが必要な場合もあると思います。
以前、私が愛好家から譲ってもらったナンキン(出雲南京)にはおすすめの水質調整剤があり、それを投入した水槽にナンキンを放しましたこともあります。