皆さんこんにちは!

アクアプランツWEB編集部です。

今回ご紹介するのは以下の2つのQAです。

水草レイアウトにもスタイルがある、そんなことを知っておくと楽しみの幅も広がりますよ。

それではどうぞ!

QA.081  化粧砂のエリアにソイルが運ばれてしまうのですが?

せっかく綺麗にソイルと化粧砂を敷き分けをしたのに、化粧砂の上にソイルが転がっているとイラッとしますよね。

化粧砂にソイルが転がってくるのが嫌なら「敷き分けを完璧にする」しか方法はありません。

水を張るとちょっとした隙間からでもソイルが崩れてきますので、セッティングの段階で徹底的に隙間を埋めるようにしましょう。

筆者はウールマット、小石、砂利などをレイアウトによって使い分けて隙間を埋めています。

見切れない場所はウールマットを詰めて、見える場所ならレイアウトに使用している石を小さく砕いて詰めたり、化粧砂と相性の良い色彩の砂利などを詰めています。

場合によっては水草レイアウト用の瞬間接着剤を使用し、石と砂利を接着したり、ウールマットを固めるなどの方法をとることもあります。

いずれにしても、隙間があるとソイルが崩れてきますから、セット初期の段階でなるべく隙間を埋めておくことが大切です。

また、石と石の間などに水草を配置するのも効果的です。

・ウィローモスやウィーピングモスなどを小石巻きつけて隙間に挟むように配置する。

・ショートヘアーグラスやグロッソスティグマ、ニューラージパールグラスなどのランナーを伸ばし、かつ根張りが良い水草を植える。

などの対策をすることで水草が繁茂するとソイルが漏れるのを防ぐことができます。

お掃除屋さんとしていれているヤマトヌマエビなどがソイルを手前に運ぶような仕草をすることもありますので、水草が繁茂する前にお掃除屋さんを入れると多少はソイルを運ばれてしまうかもしれません。

しかし、ヤマトヌマエビは強力は藻類対策要員ですから筆者はソイルが溢れる心配よりも藻類対策を優先して早めに水槽に入れるようにしています。

このあたりは水槽環境と相談して入れるタイミングを図るべき事柄ですが、基本的には藻類対策を優先したほうが良いと考えています。

隙間にウールマットを詰めてソイルが漏れるのを防いでいる。Photo by T.Ishiwata
隙間にモスを当てておくのも一つの方法だ。Photo by T.Ishiwata
ヤマトヌマエビ。ソイルを運んでしまうが、藻類の抑制には欠かせない存在。タイミングを見て導入したい。Photo by MPJ

QA.082 水草レイアウトにはどんなスタイルがあるの?

水草レイアウトが世に生まれてから数十年が経過していますが、その過程で様々なスタイルの水草水槽が生まれました。

本記事はその中から3つのレイアウトスタイルをご紹介します。

・ネイチャーアクアリウム
水草用品メーカーADAを創設した天野氏が確立したスタイルです。
「自然から学び、自然を創る」という天野氏の言葉が表す通り、水槽内で自然を表現したような作風のものが多いです。
一言で説明するのが難しいのですが、筆者の言葉で表現すると「自然をそのまま写し取って作品にするのでは無く、一度自分の中に入れ自然から学んだエッセンスを水槽内で表現する」という感じです。
自然のエッセンスを抽出して水槽内で表現することから、自然界には無いアフリカの水草と東南アジアの水草が主体のレイアウトに南米のお魚を泳がせるなんて作品もありです。
現在、世界中にファンがおり最も普及しているレイアウトスタイルであると筆者は考えています。

・ダッチアクアリウム
1930年頃よりオランダで始まったスタイルです。
石や流木などの構図素材をほとんど使わず、水草を密植させて作るところに特徴があります。
出来上がった水槽はまるで水草の花壇のような雰囲気の作品になりなるので、「水草の配置と成長」に焦点を当てたレイアウトスタイルと言えます。
自然を模したようなネイチャーアクアリウムとは対照的にダッチアクアリウムは丁寧に管理された庭園のような作品作りが求められるので水槽に手を入れるのが好きな方に向いているのではないでしょうか。
人気は下火ですが、水草1株1株と向き合って作る作品は水草レイアウターなら1度はチャレンジしたいスタイルです。

・ビオトープアクアリウム
ネイチャーアクアリウムと同様に「自然から学び、自然を創る」スタイルですが、大きく違うのは現地の自然をそのまま表現するスタイルであることです。
使用する構図素材、植物、生体など極力現地を模し、水景をそのまま表現することに趣が置かれます。
場合によっては水の濁りや降り積もった有機物、枯れた植物なども使われる徹底ぶりです。
一見すると美しくない水景もあるのですが「自然の再現」というロマンを追求する姿勢はアクアリウムなら共感できるのではないでしょうか。なお、ビオトープアクアリウムはワイルドアクアリウムという呼称も提唱されています。

その他にも細かく分けると無数にスタイルはあるはずですが、大別するとこちらの3つのどれかに分類できるのではないでしょうか。
レイアウトスタイルと聞くとルールが明確にあってそれを守らないといけないような気にさせられますが、そんなことはありません。
筆者の水草レイアウトの原点はネイチャーアクアリウムにありますが、ダッチアクアリウムやビオトープアクアリウムのエッセンスを取り入れて作品を作っています。
皆さんも自由な心でたくさんの作品に触れて、「良い」と感じたものをご自分の作品に取り入れてください。

ネイチャーアクアリウムの例。Photo by T.Ishiwata Thanks アクアリウムショップブレス
ネイチャーアクアリウムの例。Photo by T.Ishiwata Thanks アクアフォレスト新宿店
ネイチャーアクアリウムの例。Photo by T.Ishiwata Thanksアクアフリー
ダッチアクアリウムの例。Photo by T.Ishiwata
ビオトープアクアリウムの例(ワイルドアクアリウム)。Photo by T.Ishiwata Thanks マツバタデザイン研究所

水草QA