みなさんこんにちは。

アクアライフWEB編集部です。

金魚の体表に血が滲んで見えることがあります。

痛々しいですよね。

適切な対応で治してあげましょう。

金魚Q&Aとは

金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。

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Q:赤斑病? 充血が治らない?金魚のヒレや体表に血が滲んだように見える時の対処法

飼育器具を消毒して、魚病薬を入れます

金魚の体表に血が滲んだように見えるとき、私は赤斑(せきはん)病と考えてすぐに水換えをします。

赤斑病は様々な細菌によって引き起こされますが、その中でも運動性エロモナス菌によるものが多いようです。

なんにせよ、飼育水によくない細菌が繁殖する状態になっていると考え、水槽の水をすべて抜き、ろ過槽も洗い、器具類は熱湯消毒をするとよいでしょう。

消毒後には、抗菌性の成分の入った薬を入れて飼育すると安心です。

私は、それ以外にギロダクチルスなどの寄生虫駆除に使う薬を入れることもあります。

注意点として、全長1cmほどの稚魚は少し薬に弱いような気がします。

ですから、稚魚の場合は、投薬せずに濃度が0.3%ほどになるように塩を入れます。

琉金やオランダ獅子頭などの丸い形の成魚の場合、尾ビレの付け根あたりが赤くなりやすい傾向があるように思います。

このような場合、手抜きになりますが、特に成魚では、半分の水換えをするだけで症状が治まるときもあります。

薬も入れないで治るのは、金魚の体には水中の雑菌と戦う力があるからでしょう。

ただ、症状の重い場合はこれで治らないかもしれません。

飼育経験が浅く症状を見極めるのが難しい人は投薬するとよいでしょう。

体表やヒレに出血や充血が見られる。色々な原因があるが、まとめて赤斑病と呼ばれることが多い。Fig MPJ

飼育環境の見直しを

また、外から持ち込んだばかりの金魚ではなく、家で飼育していた金魚にこの症状が出たときは、これまでの飼育に問題があると考えていいでしょう。

・水槽に金魚を詰め込みすぎてはいませんか?

・水量や水換えの頻度に対して餌を多く与えすぎていませんか?

・水換えだけではなく、ろ過槽は定期的に洗っていますか?

ろ過槽の掃除は面倒ですが、あまりやらないでいると問題が出てきます。

水換えしてもすぐにフンの破片などの浮遊物が水槽内に多めに漂う場合は、ろ過槽を洗いましょう。

しばらく水換えをしていないなど、水槽の管理がおろそかになると、赤斑が出てくることもある。写真はフナ(ニゴロブナ)。Photo MPJ

単なるヒレの傷みの場合

ヒレに血が滲んだように見える、この場合、尾の先が歯ブラシの先のように裂けていないかぎりは問題ないと思います。

これは大きな成魚ではよくあることです。

特にコメットなどの尾ビレは長く大きいので傷みやすいのでしょう。

水換えをしただけで充血が治まるときがあります。

しかし、水換えしても収まらない場合は、私は加齢によるものだと考えて、受け入れています。

もちろん、ヒレだけでなく体表も充血している場合は、赤斑病や飼育環境の悪化と考えて、水換えと投薬をするとよいでしょう。

尾ビレに充血が見られるが、問題なく楽しそうに泳いでいる。Photo T.Kawasumi

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