みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
前回は金魚の「色」について紹介しました。
今回は金魚の特徴的なヒレ、特に「尾ビレ」について紹介したいと思います。
金魚Q&Aとは 金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。 |
Q:ふわふわだったり、長かったり…金魚のヒレの種類一覧
様々な形の尾ビレ
下の写真は小赤(こあか)とよばれる金魚です。
フナの体型をしており、この品種から、どんどん新しい品種が作り出されました。
例えば、蝶尾(ちょうび)とよばれる品種は下の写真ようなヒレを持っています。
上から見ると蝶の羽のように尾が開いています。
この品種は、横から見るとこんな感じです。
横から見ても、尾ビレの優雅さが伝ってきます。
金魚の魅力の一つに、いろいろな見た目のものがいることがあります。
どんどんユニークな尾の例を挙げていきます。
これはブロードテールという品種で、タイから輸入されたものを多く見かけます。
最近は国内でも生産されています。
真横から見ると、普通の尾ビレに比べて高さがあり、また、土佐錦(とさきん)のように尾ビレが細やかに広がっていることがわかります。
土佐錦の尾は上から見るのに適していますが、こちらは横から眺めると良い感じになりますね。
国産のオランダ獅子頭(下写真2枚)とはずいぶん違う雰囲気があります。
これらは尾が左右対称に分かれている品種ですが、尾が一枚のものにもバリエーションがありますよ。
コメットは、下の写真のようにまるで夜空に浮かぶ彗星のようなスマートに伸びた尾をもちます。
彗星は英語でcometというので、コメットという名前になっています。
下の写真はイエローコメットで、これも尾がきれいに伸びています。
コメットは成長につれて各ヒレが伸び、親魚は下の写真のような見事な姿になります。
このような尾をもつ金魚は上から見ると、下の写真のような優雅な姿を見せてくれます。
これは朱文金(しゅぶんきん)です。
金魚すくいでよく見かける小赤からずいぶん変化したものですよね!
また、イギリスで作出されたブリストル朱文金という品種は写真のような尾をしています。
尾ビレの幅があり、コメットとは違う優雅さがあります。
この品種は若いころは尾がハート型をしています。
大きくなるにつれて、尾ビレが重くなり、上の写真のような形になります。
2枚の尾ビレは金魚特有のもの
実は、金魚以外の魚類は尾ビレが一枚なんです。
色彩が金魚と似ているコイや、最近さまざまな品種が作出されているメダカにも尾ビレが左右対称に分かれているものはいません。
金魚は、他の魚類に比べ体をつくるゲノムの数がとても多く、尾ビレが左右対称になるような、いわば体を作る上でのエラーを起こしても生きていくことができるようです。
上の写真は琉金を上から眺めた様子です。
すべての個体の尾が左右対称に開いています。
左右に分かれた尾には切れ込みがあることで四つに分かれていて、これらは四つ尾といいます。
この四つ尾を横から眺めてみると、下の写真のようにそれぞれの個体ごとに独特の雰囲気があります。
また、キョーリンさんが以前から出しているベビーゴールドという有名な餌がありますが、この餌のパッケージには土佐錦(とさきん)が使われています。
ポケモンをしている方にはトサキントのモデルといえばいいでしょうか。
土佐錦の尾ビレは頭に向かって巻き上がっており独特の雰囲気があります。
そのほかにも、地金は孔雀尾(くじゃくお)という尾をもっていて、尾を後ろから見るとXの字になっています。
そのことで、他の品種とは違う尾の動きを見せてくれます。
ぜひ、その目で孔雀尾をもつ金魚の泳ぎを見てみてください。