みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
今回の金魚Q&Aは、金魚の飼育容器について。
金魚鉢での飼育について見解を述べたいと思います。
金魚Q&Aとは 金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。 |
Q:金魚は金魚鉢で飼育できる? 長生きできないって本当?
長生きできないとは断言できません
適度な水量、適度な餌の量を保ち、水換えを行なえば飼育できると思います。
私の友人は金魚鉢ではなく、台所で使うような鍋をつかってエアレーション(ぶくぶく)なしで2年以上飼育していた人もいました。
水槽でエアレーションをして飼育していても2年以内で死んでしまうことはありますよね。
長生きできないと断言するのは、少し偏った意見かと思います。
水量1.5L(リットル)での実験
下のグラフ1を見てください。
青い直線は金魚にとって酸素が足りなくなるラインです。
赤い線は飼育水中の酸素量を示しています。
1.5Lの水量に対して金魚すくいサイズ(体重2.9g)の金魚1匹、餌は1.7mmくらいの粒状のものを毎日3粒与えていると、このような酸素量でした。
横軸は時間です。
エアレーションはしていませんが、3日たっても酸素が足りなくなることはありません。
ただ、この実験では酸素以外の物質の量は測定していません。
排泄物からアンモニアなどの有害な物質がもたらされるので、1日1度は同じ水温の汲み置き水を用意しておいて水換えをするとよいです。
水量1.2Lでの実験
また、1.5Lの水を1.2Lぐらいにしてしまったり、餌の量をうっかりして多めに与えてしまうと酸素不足になります。
下のグラフ2は1.2Lで餌を多めに与えた場合のものです。
1時間ぐらいで酸素不足になってしまっています。
このような条件での飼育の場合、1.5Lの水、直径1.7mmの餌3粒は安全ラインと思ってください。
もう少し余裕のある条件にしたければ、できるだけ水量を増やすことですね。
金魚鉢も大きいものは2L以上のものがありますので、そういったものを使うといいでしょう。
また、金魚鉢以外のものを使う場合、金魚鉢のように口が広い容器がよいです。
空気と水が触れ合う面積が大きいほど、酸素が水中に溶け込みやすいのです。
金魚鉢にはフタがない
また、金魚鉢にはフタはないですが、金魚の飛び出し防止用にフタをした方がいいです。
特に和金(わきん)などフナの体型に近い品種は。
私は、以前、原宿のデザインフェスタギャラリーという場所で金魚の展示会を行なったことがありましたが、和金は深さ20cmぐらいのオケから飛び跳ねようとするんですよ。
コメットもそうです。
私には金魚が遊んでジャンプしているように見えました。
それはそれで楽しそうではあるのですが、でも、容器の外に飛び出してしまうのは危険なので、オケで展示する金魚は丸い体形の品種に変更しました。
ろ過装置を入れるとよい
毎日水換えができないけれど、金魚鉢で飼育したい場合は、エアポンプとつなげる投げ込み式のろ過装置を入れて飼育した方が無難だと思います。
水換えで行なう予定であった金魚の排出物処理を、ろ過装置にやってもらうというわけです。
酸素不足も防げます。
その際はエアの量を必ず調節することです。
下の写真くらいの感じですね。
写真のものはエアストーンからエアが出ていますが、投げ込み式ろ過装置もこれくらいの感じでよいです。
エアが強すぎると狭い金魚鉢の中に強い水流ができてしまい、金魚に負担がかかってしまいます。
調節のしかたは、エアポンプにそういった機能がついているものもありますし、二股の分岐を使ってエアーを逃がすのもよいです。
エアを逃がすと、シューという音がします。
音が気になる人は、逃がしている分岐の方にチューブとエアストーンをつなげば音がしなくなります。
エアを調節するコックを使っても良いでしょう。