みなさんこんにちは。

アクアライフWEB編集部です。

今回の金魚Q&Aは金魚の飼育匹数について。

多くの人が気になっていることと思います。

ご覧あれ。

金魚Q&Aとは

金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。

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Q:水槽で金魚は何匹飼える? 30、60、90cm……水槽サイズ別に比較

まずは水槽サイズごとの匹数を示します

5分で食べきる量の餌を1日に2回あげる場合の、金魚の大きさ、匹数、水量、適しているろ過装置を掲載した図に示します。

この図での金魚の大きさは頭の先から尾ビレの先までの長さを示しています(全長)。

この図は容器(水槽)の大きさごとの金魚の泳ぎやすさも考慮しています。

たとえば、水槽の幅が60cm以上と大きい場合には、若い金魚は群れをなしてよく泳ぐようになるので、そのようなこと(泳ぎやすい密度)も考慮してるわけです。

毎日の水換えほか徹底的な管理ができるのであれば、ホームセンターの販売水槽のように水槽一面に金魚が広がるくらいの数を飼育できますが、あれはかなりの名人芸です。

水量、金魚の大きさと数、水換え、ろ過装置の関係。それぞれの水槽では5分で食べきる量の餌を1日2回与えている。金魚の大きさは全長。Fig.T.Kawasumi

筆者的には餌を多く与えたい

金魚は餌を多めに与えたほうが、風格が出て魅力が増すと私は思っています。

ですので、私は多めに餌を与えて飼育しています。

具体的には先に示した図とは異なり、30分で食べきる量を毎日朝6~7時と夜7~8時の計2回与えています。

この量であると若い金魚はうまく成長してくれることが多いです。

ただ、餌を多く与えるということは、それだけ水が汚れやくなるので、ろ過装置を増やしカキ殻を入れています。

このWEB連載も10回目となり、良い節目ですので、以下に私の飼育方法を具体的に述べることにしましょう。

ちょっと長くなりますが、お付き合いください。

私の飼育方法 フィルターについて

私は金魚が群れをなして泳いで、その集団のかたまりが(見た目で)およそ水槽の1/3になる密度で飼育しています。

写真をあわせて掲載します。

これで大体の雰囲気はつかめるものと思います。

水量比では金魚の割合は小さいですが、実際に見るとなかなか金魚のボリュームがあります。

ろ過装置は、すべての水槽で上部式ろ過装置と投げ込み式のろ過装置を同時に使っています。

投げ込み式のものは、エアポンプにつないでフンをこしとるような役割です。

この時の投げ込み式は、幅60cm以上の水槽の場合、適応する水量が50Lくらいのものを使います。

スポンジフィルターは、スポンジが劣化したときにその破片が上部式ろ過装置のポンプに巻き込まれ、ポンプがおかしな音を出すようになります。

なので、上部式ろ過装置を使用する場合は、スポンジ状のフィルターの併用はおすすめできません。

また、ろ過装置を複数使用していますが、必ず水換えを行ないます。

このような条件のとき、私は2週間に1度、半分の水換えを行ないます。

筆者の管理する水槽群。本文で「水槽の見た目の1/3」としたのはおよそこんな飼育風景をイメージしてもらうと良い。Photo T.Kawasumi

私の飼育方法 カキ殻について

飼育をしていると、金魚の排泄物により水はすこしずつ酸性になります。

この酸性の度合いがきつくなると、金魚の体表にある粘膜は白くなり、瀕死の状態になってしまいます。

やっかいなことに酸性になったからといって水に色はつきません。

目で見てもわからないのです。

では、どうするか。

私はカキ殻を水槽に入れています。

入れる量は60Lの水量につき手のひらでひとつかみの量です。

カキ殻は水をアルカリ性にしてくれるので、水槽の水が酸性に偏るのを防いでくれるのです。

特に夏場! 

金魚のいろいろ活動が活発になるこの時期は、水が酸性になりやすいので必ずカキ殻を入れています。

カキ殻は水をアルカリ性にしてくれますが、やがて溶けてなくなってしまうので定期的に確認してください。

私は上部式ろ過装置の中にカキ殻を入れています。

「カキ殻はなくても新しく足す水道の水は中性だから、水換えをしていれば問題ないのではないか?」

そう思う人もいるかもしれません。

以前の話になりますが、夏場に水換えをして3日後に金魚が白くなったことがありまして、それ以来私はカキ殻を必ず入れるようにしています。

このときはたぶんフィルターが汚れすぎていたことが原因だと思いますが、意外と上部式ろ過装置のチェックって面倒なんですよね……。

定期的にろ材のチェックや交換は行なっていますが、ついつい手を抜きがちになってしまいます。

暑い日などは特に。

カキ殻はそんな事故を防いでくれる、私にとって重要なアイテムなのです。

カキ殻。水槽の水が酸性に傾くのを防いでくれる。Photo T.Kawasumi

餌の量に合わせて柔軟に!

話が長くなりましたが、以上、私の飼育例を参考にしてもらえればと思います。

金魚の数・餌の量を減らせばろ過装置を減らしたり、水換えの頻度を減らしたりできますし、カキ殻もいりません。

一つの例として、私は幅40cm水槽の水槽で大きさ5cmほどの金魚を3匹飼育しています。

幅40cmといってもスリムタイプなので、水量は約12L。

先に挙げた図の30cm水槽と同じ水量になります。

その水槽での餌やりは3日に1度10分で食べきる量としていますが、水換えは3ヵ月に1度半分です。

正確には、3ヵ月の間に水分が蒸発しますから、その分を足すことも兼ねています。

ですから、純粋な水換えとしては半分以下の量になります。

この水槽のろ過装置は30cm水槽用の投げ込み式フィルターだけです。

カキ殻も入れていません。

この程度の管理で飼育ができるのです。

少し付け加えます。

同じ金魚に1日2回、30分で食べきる量を与えるとすれば、60cm水槽以上での飼育をおすすめします。

餌の量と水量を合わせるわけです。

強力なろ過装置を入れれば30cm水槽のままでも飼育できるかもしれませんが、ろ過装置によって水槽内部が狭くなるなどの問題もあります。

餌を多く与えれば、金魚の排泄物の量も増えるので、万が一の水質悪化にも対応できる多めの水量がよいのです。

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