みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
今回の金魚Q&Aは金魚と低水温について。
金魚特有の病気の対策についても言及しています。
金魚Q&Aとは 金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。 |
Q:金魚にヒーターは必要? 適温は何度? 室内と外では違う?
ヘルペスウィルス対策として
とくに頻繁に金魚を購入する人では、水槽用ヒーターなどによる保温が欠かせないと私は思っています。
しかし、「常に水槽を温める」ことが目的ではありません。
ヘルペスウィルスの対策のために保温が必要なのです。
ヘルペスウィルスにかかった金魚は33℃で5日間飼育することで死亡率を下げることができ、また免疫がつきます。
ヘルペスウィルスについては、次に公開予定の原稿にて回答していますから、そちらもあわせてご覧ください。
外国産と日本産とで違う
さて、ヘルペスウィルス対策の他にも、冬場に常に水槽を温めたい場合もあると思います。
私は海外から輸入されてきた金魚を飼育することはほとんどないのですが、「暖かい国から輸入された金魚は冬の間は水温を温める必要がある」と販売店の方がおっしゃっていたのを聞いたことがあります。
ですから、日本の養魚場産のものは、特に水槽用ヒーターを使う必要ないと思います。
金魚の適温は、ずっと日本で養殖されてきた場合、日本の気温そのものだと考えられるからです。
また、私の経験上、水温が15℃以上あると金魚がよく餌を食べて体が成長します。
ですから、成長を促す場合にも保温した方が良いでしょう。
冬場に保温する際の目安は、15℃以上とすると良いと思います。
繁殖をしたいなら冬を体験させて!
また、金魚は寒い環境をある程度経験しないと卵を春に産まないことがあります。
ですので、卵を春に産ませたい場合、冬場の保温のしすぎに注意してください。
私は春に卵を産んでほしくて、金魚飼育部屋は冬でも窓を開けて、寒い冬を金魚に経験してもらっています。
我が家の飼育部屋は冬場は最低水温15℃ほどで、いつも4月から5月に産卵してます。
先に述べた水温15℃は、産卵のための低い水温という条件にもなっているわけです。
屋内と屋外、冬場の保温に違いはある?
室内と室外では水温は違います。
水温は気温より2℃低いとされています。
室内と室外では気温が違うので水温も異なります。
さて、室内で飼育をしていて、金魚を成長させたいときは先述のように水温15℃を保てたらいいかなと思います。
これぐらいの水温で胚芽入りの餌を与えると、琉金のような丸い金魚は、いいお腹の出かたをしてくれます。
一方の屋外について。
私は東京で飼育していますが、特に寒さ対策はしてません。
大雪が降る日は、桶のフタが雪の重みで壊れないように外に立てかけるぐらいです。
大雪が降って、水槽に雪がどんどん入ったとしても死んでしまったことはありません。
とはいえ、東京より寒さが厳しい地域、例えば水槽全体が凍ってしまうような環境では金魚を室内に入れた方がよいと思います。