みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
日本で「コイ」というと、とっても大きい魚のことを指しますよね。
でも世界には、すごくすごく小さいコイの仲間がいたりするんです!
本日紹介させていただきますのは、そんな小さなコイ。ミクロラスボラハナビです。
小さいながらも野性味を感じる、素晴らしい魚ですよ!
小さくても存在感あり! ミクロラスボラハナビ
ミクロラスボラハナビは、とても小さな魚です。
一般的に小型魚と言われる魚の中でも「ひとまわり小さい(約3cm)」といえる魚ですが、意外と体に高さが出たり、力強い泳ぎを見せてくれたりと、小さいながらも迫力を感じられます。
彼らは下層から中層あたりを泳ぐことが多いので、混泳水槽の中で空白になりがちなエリアで生活する魚としても魅力的ですね。
泳ぎは俊敏ですが、性質は温和。争うことはほとんどありません。
あるとしたらオス同士がヒレを広げて互いを見せつけ合う、フィンスプレッディングですが、相手を傷つけることもなく、むしろ飼育している側からしたら「これぞ醍醐味!」とテンションのあがる行動です。
餌は人工飼料でもよく食べますので、そういう点でも飼育しやすい部類に入るでしょう。
ただ、口が小さいので細かい餌しか食べられない……と、思いきや、それなりなサイズの餌にも食いついていきますので、餌付けできず悩むことは少ないかと思います。でもなんだかんだ小さいので、うまく調整してあげるとよいですね。
餌を食べる姿は、スピード感あってなかなかよいものですよ!
ミクロラスボラハナビはダニオハナビ?
ここで少し、ミクロラスボラハナビという名前についてお話させていただきます。
この魚は、生物学の世界で使われる名前(学名)では「Danio margaritatus(ダニオ・マルガリタートゥス)」となっており、そこに「ハナビ」という言葉は含まれていません。
実は、ハナビというのは流通名、つまり愛称のようなものなのですね。
ハナビ。
実にこの魚に似合う、素敵な愛称だと思いませんか。
では「ミクロラスボラ」という呼び方は、どこから来たのでしょうか。
こちらにはハナビとは違い、学名に由来した理由があります。
かつて、ミクロラスボラハナビは生物学上「Microrasbora(ミクロラスボラ)」というグループ(属)の特徴をもつ魚だと考えられており、そこからミクロラスボラハナビと呼ばれていたのです。
その後も分類については議論がされましたが、現在では「Danioの仲間なのではないか」とされています。学名も「Danio margaritatus」となったのですが、まだ、そこに合わせた「ダニオハナビ」という名前はあまり浸透しておりません。
現時点では、ダニオハナビと言われてもピンと来ない人も多いのではないでしょうか。
Danioになったことを知らない人からすれば、ダニオハナビと言われて、別種の魚だと思ってしまうこともあるでしょう。
そうした混乱を避けるためなどの理由で「ミクロラスボラハナビ」という名前は、アクアリウムの世界では今でも広く使われています。
新旧の名前が、合わせて記載されていることもありますね。
このような形で、伝わりやすくするために旧来の名前を使用することは、ペットの世界では意外とあることですので覚えておくとよいでしょう。
複数の呼び名が使われていることを知っておくと、情報収集の際にも役立ちますし!
また、ハナビとは別の愛称として「ギャラクシー(Galaxy)」という呼び方も存在しますので、こちらも合わせて頭に入れておくとよいかと思います。
よく群れる小型魚をお探しですか?
ミクロラスボラハナビが愛されているのは、その美しい見た目や飼いやすさだけではありません。
それはわりとよく「群れる」こと。
自然界で群れて生活すると言われている小型魚って、水槽飼育下では意外と群れてくれなかったりしますよね……。
でも彼らは、水槽内でも結構まとまって行動してくれるんです!
しかも先ほどお話した通り動きが俊敏ですから、水草の陰から数匹連なって飛び出し、また消えていくというような、野性味のある姿を観察することができたりします。
水草の多い水槽だと、結構隠れちゃったりもするのですが、ずっと隠れているわけでもなく。眺めていて、飽きない泳ぎを見せてくれる魚ですよ!
自然繁殖することも?
もう一点、面白いところは意外と繁殖が容易であること。
きちんと卵を回収し稚魚を育てようとすると、サイズが小さなこともあり、慣れと手間が必要ですが、水草多めの水槽であれば自然繁殖することも!
もちろん、ちゃんと採卵して育てる場合よりも、稚魚の生存率は悪いですが、産卵行動は見ていて面白いものなので、ミクロラスボラハナビを飼育されている方は、産卵場所となるようなウィローモスなどを多めに用意してみてはどうでしょうか?
それでは、本日も読む熱帯魚図鑑をお読みいただき、ありがとうございました。