みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
瓶(ボトルアクアリウム)などの、小さな容器で飼育されていることもある、丈夫な魚アカヒレ。
実はその飼育を、魅力的なものにするためには、ある“コツ”があったりするのです……。
ボトルアクアリウムにアカヒレは向いているのか!?
ボトルアクアリウム、つまり、瓶飼育向きの魚として世間に知られているアカヒレは、瓶飼育に向いていない性質ももっています。
「一体どっちなんだよ……」と言われてしまうかもしれませんが、事実なので仕方ありません。
まず、アカヒレがなぜ瓶飼育に向いていると言われているのか。
それは、水温、水質の変化に対して耐性があり、性質そのものも強く、そこまで大きくならないからです。
これだけ聞くとアカヒレは、瓶飼育に最適な魚のように思えるかもしれません。
でも、ある性質が本当に向いていないのです……。
その性質とは「よく泳ぐ」こと。
この魚は小型魚の中でも、かなり泳ぎ回る方なんです。
本気を出して泳ぐと、それなりにスペースを必要とします。
小さなうちは、繊細に見えるかもしれませんが、成魚ともなるとかなりパワフルな動きを見せるのですね。
さらに、オス同士を飼育すると、互いのヒレを広げて見せ合うフィンスプレッディングという、それはそれは見ごたえのある姿を見せてくれます。
そして、このフィンスプレッディングにも、ある程度のスペースが必要というわけです。
つまり、あまりにも狭い瓶だと、そのパワフルでスピーディーな魅力を味わうことができないのですね。
そしてやはり、しっかり泳がせたほうがアカヒレの状態もよくなりますので……その性質を考えると「瓶飼育にあまり向いていないのでは……」と言わざるを得ないのです。
向いていないなら……コツなんてあるの?
もう結論が出てしまっていますが、本日のお題であるアカヒレを瓶で飼育するコツは「瓶を大きく」すること。
アカヒレが、ビュンと泳げるスペースを確保してやることです。
とても単純なことですが、それだけで彼らの飼育の楽しさはかなり増しますよ!
と、こうしたお話をしていると、アカヒレを飼育するならどの程度のサイズの瓶がよいのかという疑問が出てきます。
個人的な主観で言わせてもらえれば、幅30cmほどあるとよく観察できて面白いかなと思いますが、瓶としてはかなり大型になってしまいますね。水槽で飼育したほうが早いのでは……という考えにも至ってしまいます。
もう少し小さいものを選ぶ際は「やっぱりできるだけ大きいものがよい」と前置きしつつ、縦幅よりも横幅を重視して瓶を選ぶようにするとよいでしょう。
アカヒレは小型魚としては、やや大きめの4cm程度まで育つ魚ですので、横に広い容器でないとすぐに手狭になってしまうのですね。最初は小さい瓶からスタートしたとしても、アカヒレの成長に合わせて飼育容器を大きくしていくなんて楽しみ方も、ありかもしれませんね!
あと、本当に勢いのある魚ですので、飛び出し事故にはご注意を。
結局アカヒレは瓶飼育に向いているのか?
少しくどいかもしれませんが、結局アカヒレが瓶飼育に向いているかどうかを、ここで再び考えてみましょう。
確かに、強健という点では、瓶という不安定になりがちな環境に耐えうる可能性の高い魚です。
ただ「耐える」と「暮らす」では大きな違いがあります。
そういった部分を踏まえると、結論としてアカヒレは「大きめの瓶で、なおかつ少数飼育なら……瓶飼育に向いている……かな?」くらいの魚なのではないでしょうか。
小型の瓶で育てるには、やはり遊泳力が強すぎるのですよね。
向いていない理由が「水温変化に弱い」という理由であれば、創意工夫を凝らし小さな容器でも水温が安定するようにしていけばよいものです。
ただ、よく泳ぐという問題は、広さを確保する以外解決のしようがないので……狭い瓶ではどうしようもない問題だったりするのです。
このような形で、魚の持つ性質を掘り下げ、どのような環境を用意すれば安定した飼育ができるかと考えていくことは、とても大切なことです。
アカヒレの飼育環境を真剣に模索することは、アクアリストとして大きな一歩を踏み出すことなのかもしれません。
ボトルアクアリウムについては、以下記事にもまとめてあります。合わせて参考にしながら、落ち着いた環境を目指してみてください!
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誤解多き魚アカヒレ
とても有名な魚であるアカヒレですが、この魚はいろいろと誤解されていると思います。
本日お話しした「遊泳力の強さが知られておらず、小さな容器に向いていると言われてしまう」ところも、大きな誤解のひとつですね。
そして、もうひとつの大きな誤解は、熱帯魚だと思われていること。
アカヒレは、熱帯魚とも一緒に飼育できてしまったりするので、熱帯魚として紹介されることもありますが、厳密に言うと熱帯魚ではなく、温帯魚なのですね。
彼らの生息地である温帯は、熱帯魚ほど高い水温で安定している地域ではないのです。
日本の大部分も、この温帯に含まれますね。
だからこそ彼らは「温度変化に強い」「無加温でも飼育できる」と言われているのです。
こうした誤解は、アカヒレが本当に有名な魚であるということから生まれています。
丈夫な魚として有名すぎるがあまり、細かい話に注目されないのですね……。
ただやはり飼育するならば、誤解を解き、本当に適した環境を用意してやりたいものです。
そうすればアカヒレは、その泳ぐ力をもって、すごく楽しませてくれますから!
それでは本日もアクアライフブログをお読みいただき、ありがとうございました!
本日はいろいろと厳しい話をしてしまいましたが、アカヒレはとても飼いやすく魅力的な魚ですので、みなさんもぜひ注目してみてください!