みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
そろそろ屋外飼育も本格化しますね。
どのような注意点があるのでしょうか。
金魚Q&Aとは 金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。 |
Q:屋外飼育について。金魚を食べる生き物は何? 襲われるリスクを減らす対策は?
かなりの被害があることが想像されます
これは大変なお題です。
私の金魚はほとんど襲われたことはありませんが、アライグマ・ハクビシン・ネコに、大切な金魚が襲われてしまった話をよく聞きます。
水槽やオケに網をかぶせて、重いレンガなどを載せて、かなりかなり頑丈にしても、害獣はその頑丈なつくりを力づくで壊し、根こそぎ金魚を食べる……なんてのは、しょっちゅう聞く話です。
そういう話を聞くたびに、金魚を食べたがっている害獣は、とても知恵が働き、かなりの力があり、まるで人間のようだと思ってしまいます。
ある方は、自治体に申請して害獣を捕まえる「箱わな」を置くようにしました。
すると、うまく捕獲できたのですが、残念なことに、また年月がたつと、別の個体が襲いにくるようです。
わなにかかったアライグマの動画を見せてもらいましたが、怒っているせいか、かなり強暴な様子でした。
小さな金魚は食べられづらい!?
ですので、私は、大きくて色の目立つ成魚はほとんど家屋内で飼育しています。
そして、色変わり前の稚魚や500円玉サイズの当歳魚などは、屋外のプラ船で飼育しています。
プラ船には友人が作ってくれた網を載せ、レンガを載せている程度です。
おそらくアライグマでは、こんな程度のつくりではすぐに壊してしまうでしょうが。
飼育水は緑色になっています。
これが金魚が目立つ透明の水だと襲われてしまうかもしれません。
私は透明な水の入ったガラス水槽でメダカの屋外飼育をしていますが、メダカは襲われたことはありません。
メダカ同様、稚魚はそんなに大きくないので、襲って食べる価値がないものとみなされるのではないでしょうか。
ところが、メダカよりも小さな金魚の稚魚が400匹ほど食べられたという知らせが、アライグマの写真を提供してくれた方からきました。残念!
襲われたときの水は透明だったということなので、アオコが発生している緑色の水なら大丈夫ではないか、ということを祈りつつ、私も取り組んでみます。
飼育水の色や深さも重要
緑色の水にしておくのは重要で、一度緑色の水ではなく、透明な水に全長10cmサイズの水泡眼を入れておいたら、一晩で襲われてしましました。
フタをして、レンガを載せておいたのですが、害獣はレンガをずらして水槽内に落とし、フタをとって食べてしまいました。
ガラス水槽だったので、横からも見ることができ、害獣の目につきやすかったのだと思います。
それではプラ船飼育で透明な水であればどうだろうかと気になるところですが、そこはわざわざ試さなくてもよいかと思います。
また、深さ50cmあまり、全水量200Lのオケで飼育している錦鯉や和金は襲われたことがありません。
水もわりと透明です。
深いと害獣はあきらめるのかもしれません。
ですが、錦鯉や和金とちがって、のんびり泳ぐ琉金タイプの金魚だと襲われるかもしれません。
人が予防するしかないんだと思います
また、屋外飼育では1階よりも2階や屋上の方が、襲いにかかる害獣は減るでしょうから、よいと思います。
防鳥ネットは必要ですが。
金魚の養殖池については、防鳥ネットを張り、また、横からの侵入を防ぐために、そちらにもネットを張っている池を見たことはあります。
自然豊かな環境にある養殖池ではゲンゴロウなどの昆虫も襲いにくるようです。
なかなか、自然界では金魚は人気者で大変ですねえ!
……困ったものです。
ちなみに、私は東京都内に住んでおり、ここに挙げたアライグマに襲われた方も都内在住です。
人間とタヌキの関係を描いた「平成狸合戦ぽんぽこ」という映画を観ると、都会に出没する獣に対しても少し複雑な感情になります。
獣に襲われないように人間の方で予防に努めるしかないようです。