皆さんこんにちは!
アクアプランツWEB編集部です。
今回ご紹介するのは以下の2つのQAです。
水草と塩の関係、気になりますね……。
それではどうぞ!
QA.039 水草水槽に入れられる薬品は?
水槽用の薬品または添加剤は数多くありますが、水草水槽でも多くのものが使えます。
ただし、注意が必要なものもあります。
それは「藻類除去剤」と「魚病薬」です。
藻類除去剤とは、その名の通り藻類を枯らしたり、生えづらくする薬品です。
含まれる成分が藻類を弱らせるのですが、藻類も水草も同じ光合成をする生物なので、水草にもダメージをがあるというわけです。
ざっくりとしたくくりになりますが、「駆除」を謳っているものは水草が枯れてしまうものが多く、「予防」を謳っているものは水草の成長が遅くなってしまうものが多いですよ。
駆除するものは、植物の光合成をする働きをストップさせてしまうものが多く、予防するものは植物のアレロパシーを利用したものが多いです。
アレロパシーとは、植物が「他の植物の成長を抑えるための物質を放出し、他の植物の侵入を防ぐこと」なのですが、こちらを利用したものは駆除剤よりも効果が弱いため水草への影響は限定的です。
魚病薬とは、お魚が病気になった際に使用する殺菌薬や駆虫薬の総称です。
多くの魚病薬が成分上、水草を枯れてしまうので、長期間の薬浴は水草水槽ではできません。
特に殺菌剤に含まれているニトロフラゾン、スルファメラジンナトリウムなどは水草へのダメージが大きいですよ。
一部の薬(例えばマラカイトグリーンを使ったアグテン、ヒコサンZなど)は、使い方によっては水草水槽でも薬浴が可能です。
そのため、初期の白点病やコショウ病、水カビ病程度なら、隔離をせずそのまま投薬をして治療することもありますよ。
QA.040 水草水槽で魚の塩水浴はできるの?
基本的に水草は塩分を嫌うため、水草水槽で塩水浴はできません。
塩水浴をする場合は、隔離水槽を別途用意しましょう。
多くの水草は塩分に対する耐性を持っていませんので、塩水浴の塩分濃度(おおむね0.3〜0.5%)では枯れてしまうものがほとんどです。
塩を水槽に入れると取り除くことが大変なので、水草水槽に限らず塩水浴は隔離水槽で行なうことを強くおすすめします。
塩を取り除くには換水をするしかないのですが、例えば50%換水の場合、100%⇒50%⇒25%⇒12.5%と4回換水をしても投入した塩分の12.5%が水槽に残ってしまいます。
また、底床の中などに残留する分も考える必要もあることから、やはり水草水槽で塩水浴をするのは止めておきましょう。
ちなみに、クリプトコリネ・キリアータという水草は、ある程度高い塩分濃度でも育成できるので、アーチャーフィッシュやモノダクティルスなどの汽水魚と一緒に水草が楽しみたくなったら試してみてください。
エムピージェーの「水草(書籍)」の記事一覧です。エムピージェーは「月刊アクアライフ」をはじめとした熱帯魚や水草、海水魚、川魚、爬虫類や両生類など水辺を中心とした生き物に関わる情報誌を発行している出版社です。