みなさんこんにちは。

アクアライフWEB編集部です。

金魚は中国発祥の魚です。

今回は中国産金魚のあれこれを解説していきます。

金魚Q&Aとは

金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。

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Q:中国金魚って何? どんな種類がいる? 中国産は強いって本当?

発祥の地であり、たくさんの品種があります

そもそも金魚は500年ほど前に中国からやってきた生き物です。

その後、国内での養殖が進み、現在では日本の伝統的な観賞魚として認知されています。

現在でも、金魚を扱うお店では中国から輸入した金魚を販売することがあり、それらを「中国産金魚」といいます。

中国産の金魚をネットで検索するとたくさん種類が出てきます。

日本で生産されているほとんどの品種は網羅されています、

日本と異なるのは色の違いによってさまざまな名称がついていることで、ここでは書ききれないほどです。

なかには中国産の地金(じきん)もいます。

地金は愛知県の天然記念物に指定されている金魚ですが、中国の業者が日本から輸入して養殖しているのでしょう。

ちなみに、中国産の金魚は以下のような特徴のいずれかを持つことが多いです。

①尾が短い「ショートテール」

②頭が大きく二頭身ほどの体型らんちゅうなどに多いです。バルーンオランダといってオランダ体型のものにもいます

③尾ビレの幅が広くヒレ先が整っている「ローズテール」

④瑪瑙(めのう)色のもの(上品な茶色)

ただ、上記のうちショートテールやローズテールはすでに日本の業者が養殖しているので「ショートテールだから中国産だ」とは言えません。

日本の養殖業者は常にアンテナを張っていて、魅力ある形質だと判断すればたちまち多くの個体を生産してくれます。

イギリスから入ってきたブリストル朱文金もそうでした。

寿恵廣錦(すえひろにしき)という尾が扇形をした金魚が流通していますが、これはハート型の尾をもつブリストル朱文金をさらに改良したものです。

今、流行りのドラゴンスケールも中国からやってきて、すぐに日本の養殖魚者が自分なりの魚を仕立てるようになっています。

地金のように日本が影響を与える場合もあれば、ドラゴンスケールや蝶尾のように日本が中国の影響を受ける場合もあり、面白いですね。

ショートテールのオランダ獅子頭。Photo N.Hashimoto
バルーン体型のオランダ獅子頭。Photo N.Hashimoto
ローズテールのオランダ。Photo T.Ishiwata
瑪瑙体色のらんちゅう。Photo N.Hashimoto
寿恵廣錦。ブリストル朱文金をベースに持つ金魚。Photo N.Hashimoto
ドラゴンスケール。Photo T.Kawasumi

強さは特に変わりません

中国産の金魚の体質ですが、日本に比べて強い弱いということはないと考えています。

私は中国産の水泡眼やドラゴンスケール青文(せいぶん)、出目丹鳳(でめたんほう)などを飼育していますが、日本産のものと同じくらい強い(丈夫)と思います。

ランチュウ体型のものはわかりませんが、いずれ飼育してみたいと思います。

出目丹鳳(でめたんほう)。Photo T.Kawasumi

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