みなさんこんにちは。

アクアライフWEB編集部です。

メダカQ&A第1回は、メダカの「オスとメスの見分け方」です。

雌雄の判別は、メダカの繁殖を成功させるためには不可欠です。「小学校でも習うし、そんなの知ってるよ!」という方もいらっしゃると思いますが、近年は改良メダカの体型が多様化しており、一筋縄ではいかない品種も……?

ここでは、写真を示して具体的に解説していきます。

メダカQ&Aとは

メダカQ&Aは、専門店にて長くメダカ飼育に携わられている大場 貴保(おおば たかやす)さんに、メダカ飼育の素朴な疑問や繁殖のコツなどについてご回答いただく連載です。メダカ好きの方は、ぜひ興味のある質問から覗いてみてください!
メダカQ&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。

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Q:メダカのオスとメスの見分け方は?

しりビレと背ビレに着目します

メダカのオスとメスは、しりビレ背ビレの形で見分けることができます。

オスのしりビレはメスよりも大きく、平行四辺形のような形をしています。
メスのしりビレはオスより小さく、後方(尾ビレ側)に行くほどヒレの幅が狭くなっています。

しりビレを見てわかりづらい場合は、背ビレを見て判断しましょう。

オスの背ビレには付け根部分に切り込みが入っています
メスの背ビレには切り込みが入っていません

まずは普通体型(野生のメダカと同じ、一般的なメダカの体型)のオスとメスから見てみましょう。

<普通体型のオス>
普通種体型のオス。背ビレに切れ込みがあり、しりビレが平行四辺形に近い形をしている。Photo Takayasu Oba
<普通体型のメス>
普通種体型のメス。背ビレに切れ込みがなく、しりビレは台形に近い形をしている。上のオスの写真と見比べてみてほしい。Photo Takayasu Oba

雌雄が見分けにくい品種もいる?

改良メダカの中には、体型やヒレの形状が変化していて、オスとメスの見分けがつきにくい品種も多く存在します。

とはいえ、全ての改良メダカの雌雄はヒレを見て判断できますので、前述のしりビレと背ビレの特徴を覚えていれば大丈夫です。

品種に応じた見分け方には慣れる必要がありますので、ここでは一部を紹介します。

<ヒカリ体型>

ヒカリ体型品種は、背ビレがしりビレと同じ形をしています。すなわち、背ビレもしりビレと同様の見分け方をします。

<ヒカリ体型のオス>
ヒカリ体型品種のオス。背ビレがしりビレと同じ形になる。つまり、オスはしりビレも背ビレも平行四辺形のような形になる。Photo Takayasu Oba
<ヒカリ体型のメス>
ヒカリ体型品種のメス。こちらもしりビレと背ビレが同じような形(台形に近い形)になる。オスと見比べるとヒレの形状の違いは一目瞭然だろう。Photo Takayasu Oba

<ダルマ体型>

体長が短い品種で、しりビレ、背ビレも体格に比例して小さくなっています。

ただ、ヒレの形には変化がないので、しりビレの大きさや背ビレの切れ込みをしっかりと見れば見分けることができます。

<ダルマ体型のオス>
ダルマ体型品種のオス。体が短くなっているが、背ビレに切れ込みがあり、しりビレは幅のある形をしている。見分け方は普通体型のメダカと変わらない。Photo Takayasu Oba
<ダルマ体型のメス>
ダルマ体型品種のメス。少しわかりづらいが、背ビレ・しりビレともメスの特徴が出ている。オスに比べると各ヒレが小さい印象。Photo Takayasu Oba

<ヒレ長系品種(ヒレ長・スワロー・ロングフィン・リアルロングフィン・ワイドフィン)>

ヒレが伸長する品種です。ヒレが伸びると見分けるのが難しいため、まだヒレが伸びていない体長1.5cmくらいの幼魚のうちに選別すると、オスメスの判断がしやすいです。

<ヒレ長のオス>
ヒレ長品種のオス。ヒレが長くなり、ヒレの大きさでは雌雄の判断が難しい。背ビレとしりビレの先端を見てギザギザになっているのはオス、丸みを帯びているのはメスであることが多い。Photo Takayasu Oba
<ヒレ長のメス>
ヒレ長品種のメス。上のオスの写真としりビレの先端を見比べてみてほしい。Photo Takayasu Oba
<スワローのオス>
スワローはヒレが部分的に伸びる品種。ヒレの伸びている部分は見ずに、ヒレの伸びていない部分を見て普通体型と同じようにオスメスを判断するとよい。Photo Takayasu Oba
<スワローのメス>
スワローのメス。ヒレが伸びる品種の中では見分けやすい。Photo Takayasu Oba
<ロングフィンのオス>
ロングフィンはオスのみに特徴が出る品種。背ビレ・しりビレの条が伸長する。メスはヒレが伸びないので、オスメスの見分け方は普通体型と同じ要領でOKだ。Photo Takayasu Oba
<ロングフィンのメス>
ロングフィン品種のメスは普通体型のメスと変わらない。Photo Takayasu Oba
<リアルロングフィンのオス>
リアルロングフィンは元のヒレの形を維持したままヒレが大きくなっているため、オスメスの見分け方は普通体型のヒレと同じ。背ビレの切れ込みやヒレの先端のギザギザなど、細かい違いを観察してオスメスを見分けてみよう。Photo Takayasu Oba
<リアルロングフィンのメス>
リアルロングフィンはメスのヒレもオスと同じぐらい大きくなっているため、非常に見分けにくいケースがある。ヒレが伸びる前の若魚の段階で判定しておくとよい。Photo Takayasu Oba
<ワイドフィンのオス>
ワイドフィンはしりビレの幅が広がる品種。背ビレの形も変わる。写真はオス。Photo Takayasu Oba
<ワイドフィンのメス>
ワイドフィンはヒレの特徴が普通体型のメダカとはかなり異なるが、「メスらしさ」は見える。オスと比較するとわかりやすい。Photo Takayasu Oba

さまざまな品種のオス・メスを見てきましたが、普通体型のメダカの見分け方を覚えておけば、あとは応用です。

飼っているメダカのオス・メスがわからない時は、ぜひこの記事を参考にしてみてください!