みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
金魚は色変わりする生きものです。
それでも黒が白くなったらびっくりするかもしれませんね。
金魚Q&Aとは 金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。 |
Q:黒い出目金の鱗が白くなった!? 老化現象?
色素の消失が原因です
老化というより、変化と考えてよいでしょう。
病気ではありません。
写真1は黒出目金のヒレの顕微鏡写真です。
黒い色素以外に黄色の色素が見えます。
この黄色はアスタキサンチンで、これが金魚の赤い色になります。
つまり、この魚は黒だけではなく、赤の色素も持っています。
よく黒い金魚が水温の上がる夏に赤くなることがありますが、これは黒い色素が消えて残りの赤が目に見えるようになったからです。
そして、その赤も時間がたつと消えてしまうことがあります。
同じことがヒレだけでなく鱗にも起こります。
それによって体色が白くなることがあるのです。
その他の例も挙げてみます
黒出目金に限らず、このような例は知られているので、一つ紹介します。
写真2は青文魚のヒレの顕微鏡写真です。
青文魚の場合、ヒレには黒の色素しか確認できず、水温が上がるなどして黒い色素が消えると白いヒレになります。
写真3と4はその実験の様子です。
青文魚を33℃の水温で飼ったところ、黒色素胞が消失し、白い部分の面積が増加しました。
頭が赤くなっているのは、黒色素胞が消失し、もとから存在したカロテノイド(黄色素胞)を持った色素胞が見えているからです。
この現象は2歳くらいでも起こることなので、老化というよりは変化だと思います。
写真5と6は実験における変化前と変化後のヒレの顕微鏡写真です。
白くなったヒレでは、黒色素胞が消失していることが確認できました。
黒や赤が消えてしまうのは残念なことかもしれませんが、それも変化の一つと考えて金魚の不思議な世界を楽しみましょう。