みなさんこんにちは。

熱帯魚Q&A編集部の山口正吾です。

本日は熱帯魚水槽の「粘膜保護剤」について解説します。

字面からすると専門的でマニアックな印象ですが、わりと多くの方が日常的に使用しているのではないでしょうか。

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熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。

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読んで字の如し、熱帯魚の粘膜を保護するとされる商品です

ご存知のように魚は自身が分泌する粘液で体表が覆われています(魚を触るとヌルっとしていますよね)。

粘液は魚が泳ぐ際の水との摩擦の軽減や、浸透圧の調整のほか、細菌の感染を防ぐ役割があります。

販売されている粘膜保護剤の説明を読むと、そうした機能をサポートするものと捉えてよさそうです。

たとえば、粘液が何らかの理由で欠損した際に、粘膜保護剤がその効果を発揮するということなのだと思います。

粘液が欠損する場面を想像すると、新しい魚の導入時になるでしょうか。

・熱帯魚ショップで魚を網ですくってもらった時

・その後の移動で水が揺れた時

このような場面で粘液が欠損することはありそうです。

もちろん、自宅の水槽でも網を使えば同様です。

あとは、水槽の魚がケンカなどによりケガをした時になるでしょうか。

ただ、その場合には粘膜保護剤よりも魚病薬の出番になる気がします。

軽度のケガなら自然に治るのを待つし、重度なら魚病薬を使うという感じです。

個人的な使用体験から

私も粘膜保護剤を使用することがあります。

特に神経質な魚やデリケートな魚の導入時に使用しています。

使用するとなんだか魚が心地良さそうにしていると感じます。

……印象論ですみません。

言い訳めいていますが、行政に承認されたヒトの医薬品であっても、皆に等しく効果があるわけではありません。

ましてや熱帯魚には膨大な種類がありますから。

体表がデリケートな魚やそうでもない魚もいるわけで、なかなか「こうだ!」と言い切りにくいところがあります。

具体的なデータを知りたい方は、粘膜保護剤を取り扱うメーカーさんのホームページをご覧くださいね。

個人的には、そうしたデータが示す効果を、使用の際に感じることができています。

粘膜保護剤の入れすぎについて

以前の話になるのですが、粘膜保護剤を規定量よりかなり濃い目で使用したことがあります。

なぜそうしたかといえば、輸入後間もない魚を記事のために撮影する必要があり、どうしても体調を悪くさせることができなかったからです。

振り返れば、濃度を上げれば効果が増すと思い込み実行したのは、少々乱暴であったと思います。

そのときは、エアレーションが作る水面の泡が、なかなか消えませんでした。

粘膜保護剤を使うと規定量であっても泡が残りやすくなることがありますが、明らかに通常より泡が目立ちました。

水の粘度が上がっていたのだと思います。

結果として魚が体調を崩すことはなく、無事に撮影を終えました。

この時撮影した魚はプラティで、使った商品はテトラ アクアセイフです。

ともあれ、以上は特殊なケースであり、通常は商品の説明にある規定量を守ればよいのだと思います。

粘膜保護剤が要らないケースについて

先に挙げたような使用の条件(粘液が欠損している)を満たしていないのであれば、無理に使う必要もないのではないでしょうか。

ただ、粘膜保護剤の中にはあわせて塩素の中和ができるものもありますし、そうした商品は水換えの際に使うとよいのでしょう。

個人的には日常的に使うことはありませんが、常備はしています。

これまで使ったことがない方は、一度試してみるのもよいと思います。

ちなみに。

こちらのブログは主に熱帯性淡水魚を対象にしています。

海水魚の水槽ではプロテインスキマーを使っているケースも多いかと思いますが、そのような水槽での粘膜保護剤の使用は注意が必要です。

スキミングによる泡が大量に発生して、カップなどからあふれてしまうことがあります。

粘膜保護剤や粘膜保護成分が入った商品。Photo N.Hashimoto

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