みなさんこんにちは。

熱帯魚Q&A編集部の山口正吾です。

熱帯魚と水草、定番の組み合わせですよね。

熱帯魚が水草を抜いてしまう場合、対処法はあるのでしょうか。

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熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。

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熱帯魚が水草を抜いてしまう

大型魚では厳しい

まず大前提として。

水草と大きな熱帯魚の組み合わせは、かなり難しいことをお伝えします。

大型魚、とくにナマズ類などの底棲魚は、底砂を掘り返す力が強く、水草を植えてもたいていは抜かれてしまいます。

また、底棲魚ではない大型魚でも、大きな水槽では水草の育成が難しくなります。

多くの照明や二酸化炭素が必要となりますし、大型魚は水を汚しやすいので水草にコケがつきがちで、また成長した水草のトリミングも一苦労です。

無理とは断言しませんが、それなりの労力や技術が必要となります。

そもそも大型魚の水槽では水草の育成が難しい。写真はオスフロネームス・セプテンファスキアートゥス。Photo MPJ

小さな魚の場合

以下は、常識的な範囲、たとえばエンゼルフィッシュくらいまでの大きさの魚と水草について、述べていきたいと思います。

まず、シクリッドやナマズの一部ほかには、体は大きくなくても底砂を掘るものがおり、水草を抜いてしまいやすいことを覚えておきましょう。

ただし、コリドラス程度の大きさの魚なら、底砂を掘り返しても問題ないこともあります。

さて、一般に水草を抜く可能性のある熱帯魚を飼おうとするとき、水草で彩を添えたいのなら以下のような方法があります。

①水草がしっかりと根を張ってから熱帯魚を入れる

②流木などに活着(着生)する水草を使う

③根を張らなくても育つ水草を使う

①について

水草の根が張るまでに時間がかかるることもあり手軽とは言えませんが、エキノドルスの仲間はしっかりと根を張るので、こうしたスタイルに向いています。

②について

水草を底砂に植える必要がないので、そもそも抜かれることがありません。

ただし、活着力が弱い水草の場合、魚が突いたりすることで、くっついたものから剥がれることもあります。

活着する水草には、ミクロソルムやアヌビアス、ブセファランドラなどがあります。

③について

開き直りというか、コロンブスの卵的な方法です。

緑がほしいだけであれば、何も水草を植える必要はありません。

こうした育成に向く水草の代表的なものにマツモやアナカリスがあります。

これらは強健で、浮かべておけば、たいていは特別な管理をしなくてもよく増殖します。

欠点はレイアウトしづらいことです。

たとえば、浮いた水草が、水槽の前面にあると観賞の妨げになります。

そうしたときは、水草用の重りを使って固定してもよいでしょう。

エキノドルスの仲間はしっかりと根を張るものが多い。写真はエキノドルス・‘ハディレッドパール’。Photo MPJ
活着する水草。写真はミクロソルム・‘トライデント’。Photo T.Ishiwata
マツモの下部に重りをつけて固定している例。重りはモスで隠している。Photo MPJ
マツモの下部をフィルターパイプとガラス面の間に差し込んで固定している例。Photo MPJ

Written by 山口 正吾

熱帯魚QA