みなさんこんにちは。

熱帯魚Q&A編集部の山口正吾です。

ソイルはすっかり定着しましたよね。

コリドラスのような底棲魚にも使えるのでしょうか。

熱帯魚Q&Aとは

熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。

熱帯魚Q&A一覧はこちらから

コリドラスとソイル

問題ないのではないでしょうか

質問は「コリドラスのような底棲魚でソイルを使うと水が濁ってしまう」ことを心配されているのだと思います。

ソイルは土を焼成したものですから少しずつ崩れ、発生した粒子により水が濁りやすくなることはあります。

しかし、条件によりますが、コリドラスとソイルの組み合わせは問題ないと思います。

条件というのは、例えばコリドラスの数が極端に多い場合。

ご存知のようにコリドラスは口を底砂に突っ込むようにして餌を探すので、多数のコリドラスがソイルを掘り返すことでソイルの磨耗が早くなり、発生した粒子が舞いやすくなることはあると思います。

また、商品によっては軟らかいソイルもあり、コリドラスの数がさほど多くなくても、粒子が目立つこともあるとは思います。

個人的には、ソイルでコリドラスを飼育して気になるほど水が濁ったことはないですし、また取材でもそのような例に出会った記憶はありません。

……あ、一つありました。

以下、回想であり本題とは関係ないので、飛ばしてもらっても結構です。

大昔、1990年代の中頃の話です。

水槽ディスプレイのコンテストを取材した際に、コリドラスを泳がせた水槽があったのですが、それが激しく濁っていました。

ただし、コリドラスの仕業というよりは、水槽セットの方法を誤ったのではないかと思います。

ポテトチップスを思い浮かべてもらうとよいのですが、ソイルは新品でも輸送中の揺れなどにより粒子が発生していること普通です。

そのためソイルを使った水槽のセット時は、粒子が水に舞わないように水槽内にビニールなどを敷いて「受け」をつくり、水を注ぎます(下写真参照)。

普通の熱帯魚水槽のように景気良く水を注ぐと激しく濁ってしまうのです。

当時は、ソイルが世に出て間もない頃で、そうしたノウハウも浸透していませんでしたから、たぶんソレでしょう。

尋常ではない濁り方でしたから。

回想終わりです。

さて、話を戻します。

コリドラスのなかには低pHを好む種もおり、そうした種の飼育において積極的にソイルを使う例もあります(ソイルは水質を弱酸性の軟水に調整する作用があるものを使用する)。

また、コリドラスの専門店でもそのような管理をしている水槽はあります。

ですから、そこまで神経質になる必要もないとは思うのですが、「どうしても気になる」というのなら、崩れない自然砂を使えばよいでしょう。

その他の底棲魚も概ね基本は同じです。

ただし、大型種やフンの多い魚では、清潔な環境を保つために自然砂を薄く敷いたり、またはベアタンクにすることが多いですから、そもそもソイルを選択する方が少ないのだと思います。

コリドラス。底砂に口をあてて餌を摂る。Photo MPJ
愛好家宅の飼育例。2つの水槽ともにコリドラスを飼育しているが、左側はソイルを敷いている。Photo N.Hashimoto
参考までにソイルを敷いた水槽での水の注ぎ方の一例。ソイルの上にビニールを敷き水受けとしている。Photo N.Hashimoto

Written by 山口 正吾

熱帯魚QA