みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
水質を維持するための大切な水換え。でも、その頻度や量はどうやって決めるのでしょうか?
水槽のサイズもいろいろあるし……魚の種類もいろいろいるし…………本日、熱帯魚飼育のキホン 第6回では、そんなちょっとわかりにく水換えについて一歩踏み込んで解説していきます。
熱帯魚飼育のキホン 熱帯魚飼育のキホンは、熱帯魚飼育の基本をゼロから解説したシリーズ記事になります。水槽の準備から魚の導入、日常管理まで。熱帯魚を飼うということについて一緒に学んでいきましょう! |
水換えは技術! そして経験!
水換えは、ただやればよいというものではありません。
魚や環境に合わせて適切に。様々な種や環境に合わせ、水換えは調整が必要なものなのです。
つまり水換えには、知識も経験も必要で…………と、今回も難しそうなお話から始めてしまいましたが、多くの熱帯魚は「水換えの基本」を覚えておけば対応可能ですので、そう構えずに本日のお話をお読みください。
というわけで早速、水換えの基礎を学んでいきましょう!
水換えをする「理由」を知ることから、はじめてみるのじゃ。
なぜ、水換えが必要なのか。
熱帯魚飼育のキホン 第3回でお話ししたとおり、熱帯魚の飼育水槽やフィルターの中には水質を浄化してくれるバクテリアが暮らしています。
とはいえそのバクテリアは何でも分解できるわけではありませんので、飼育を続けていれば水の中には様々な物質が蓄積していくことになります。
そして、その中には蓄積しすぎてはいけない物質もあるのですね。
だからこそ人の手で水を入れ換えて、それらの物質を薄めてあげる必要があるというわけです。
他にも水換えには、有害な物質を薄める以外の様々な効果があります。
そして多くの熱帯魚がその効果によりよい影響を得ることから、水換えは熱帯魚飼育の基礎の一つと言われているのです。
頻度は週1、量は3分の1から5分の1
水換えのしかたには様々なバリエーションがありますが、その中でも基本と言われている方法を解説していきます。
まず頻度は週に1回。そして量は、全体の3分の1から5分の1を新しい水に入れ換えます。
この週1回3分の1から5分の1の水換えというのは、万能な方法ではありませんが、多くの種に適しており、日常管理の目安として古くから用いられている基準の一つです。
水質変化に極度に敏感な種など、水換えに特殊な作法を必要とする一部の魚を除いては、この方法を軸に、状況に合わせてアレンジしていくとよいでしょう。
水を全て換えてしまうのではなく、ある程度水槽に残すという方法は、水質の変化が少ないという利点があります。
バクテリアも減少しづらく、水換えが魚の負担になってしまうリスクを下げてくれますので、初心者さんでも安心して行ないやすい水換えと言えるでしょう。
水を入れ替える際の注意点は、以下に一覧にしましたので参考にしてみてください。
水換えの5つの注意点 |
稚魚などの吸い出し注意 |
水槽から水を吸い出す際には、生き物を一緒に吸い出してしまわないよう注意しましょう。 |
底床に潜っている生物に注意 |
水換えの際、底床掃除も一緒に行なう場合は、底床に潜っている魚を傷つけないよう注意しましょう。 |
水温差に注意 |
新しく足す水と水槽の水に、温度差が発生しないようにしましょう。特に冬場は注意してください。 |
カルキに注意 |
水道水に含まれるカルキは魚には有害な物質です。新しい水は、カルキ抜きなどで無害化してから使用しましょう。 |
舞い上げに注意 |
新しい水を水槽に足す時は、底床などを舞い上げてしまわないよう静かに注ぎましょう。 |
水換えをする際は、バケツ以外にも水換えホースを用意しておくと作業がしやすくなります。
水換えホースは各メーカーよりいろいろと発売されており、それぞれに「水を汲み上げるための機構」が組み込まれていますので、使いやすそうな製品を選ぶとよいでしょう。
基本的に水換えホースの使用は難しくありませんが、製品それぞれで使用法が異なる場合がありますので、説明書を読みながら使用してください。
ボトルアクアリウムなど小さな水槽の場合は、大きいサイズのスポイトなども水換え道具として使用できます。
また、水槽に水を注ぐときの勢いが強くなりすぎる時は、小さなカップなどを利用したり、手で受け止めながら足すとよいでしょう。
水換えをしなくても魚が元気なんだけど……
初心者さんがやりがちなことに「魚はいつもどおり元気そうだから」と、長期間水換えをせずに放置してしまうケースがあります。
実は、この「水換えなしでも魚に変化なし」という状況は、決して珍しいことではありません。
なぜなら、水換えの効果は急激に現れるものが少ないからです。
そして、水換えをしなかったことによる害も、急に起こるものではないからです。言いかえれば、水換えをしなくてもある程度の間は問題が現れないことが多いのです。
ですが水質の悪化は徐々に進んでいき……つまり、水換えをサボっていくと、だんだんと状態が悪くなり、気がついた時にはもう手遅れになる可能性があるということ。時間をかけて悪化した水質は、簡単には改善できません。
だからこそ水換えはコツコツと。長い目で見て、しっかり積み上げていきましょう。
もっと水換えを使いこなすために
熱帯魚の世界には、あえて長期間水換えをしなかったり、水を全て入れ換えてしまったりするような飼育手法も存在します。
ただこれらにはしっかりとした理由もあり、安全に行なうための作法もあります。
そうした特殊な方法を、正しく把握していないままやってしまうと、魚に大きなダメージを与えかねませんので注意が必要です。
水換えのミスを防止するためには、飼育している種がどのような水質を好むかを把握することが大切です。
そしてその水質が一般的な水換えでは得られないものであれば、都度必要な方法を学ぶという形をとりましょう。
また水換えの頻度や量は、同じ水槽や魚でも変化させたほうがよい場合もあります。
以下に、水換えのやり方を変える理由の例を書いておきましたので、参考にしてみてください。
水換えのしかたを検討すべき場面の例 |
水温上昇による水質悪化 |
水温が高くなりすぎると、水質の悪化が早まる場合があります。その対策として、夏季は水換えの頻度や量を増やす場合があります。 |
繁殖を促す |
魚の種類によっては水質の大きな変化が繁殖行動のきっかけになる場合があり、その状況を再現するために水換えを多めに行なうという手法があります。ただ、この方法は魚に負荷もかかりますので、しっかりと知識をつけてからやるようにしましょう。 |
病気の発生 |
病気の種類によっては、水換えの頻度や量を増やすことがよい効果を見せる場合があります。 |
水草の育成を促す |
水草の種類によっては、こまめな水換えが成長のプラスになる場合があります。同じ水槽内の他の水草や魚の性質なども考え、適切なペースを模索してみましょう。 |
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
次回、熱帯魚飼育のキホン 第7回は、水換えと合わせて覚えたいフィルター掃除のお話です。
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熱帯魚飼育のキホン飼育に |
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