みなさんこんにちは。

アクアライフWEB編集部です。

 

本日は、このブログで始まる新連載「アクアの雑談」の第1回をお届けします!

その名の通り、アクアリウムに関する雑談を繰り広げるこの連載、第1回のテーマは「水換え」だったのですが…………。

 

今回の雑談メンバーは、月刊アクアライフ前編集長の山口 正吾(やまぐち しょうご)と、アクアライフWEB編集部の板近 代(いたちか しろ)です。

それではどうぞお楽しみください!

山口 正吾山口 正吾

20年ほど月刊誌の編集長をしていましたが、これからはウェブや書籍、増刊などを中心に活動するのではないか、そんな予感がしている五十路です(会社をクビになったわけではありません)。ガチな情報は雑誌に任せるとして、あまり実のない話をどこかでしたいと思い、板近さんに声をかけ場を設けてもらいました。

板近 代板近 代

普段は、このブログで記事の執筆などを担当させてもらっております、板近です。どうぞよろしくお願いいたします! 新連載第一回、とても楽しくお話させていただきました。雑談することで気がつけることって、たくさんありますね。

水換えあれこれ

山口:水換えはアクアリウムにはつきものですが、どんな“印象”ですか? 楽しいとか苦痛だなとか。

板近:なんというか水換えが楽しいときって、すごくいい状態にあるなぁと思います。

山口:いい状態とは? 人? 水槽?

板近:人ですかね。水に触れているのが気持ちがいいというか。

山口:ああ、人の気持ちの部分ですね。それは確かにあるかも。逆に楽しくない時は気分が落ち込んでいたりとか?

板近:そういう感じもあると思います。

山口:なるほど。なんかこう、もうちょっと無味乾燥というか、ルーティン的な捉え方をしていると思いました。しかし、水換えが心身の状態を測るバロメータになっているのは面白いですね。

板近:毎回同じような作業の繰り返しなので、ルーティン的なところもあるのですが、結構アクアリウムが自分の調子を教えてくれる気がするんですね。その中でも特に水換えは、水に触れるので、わかりやすいのかもしれません。

山口:最近は気分いい時ありました?

板近:そうですね、最近はなんだか元気よく水換えしています(笑)。暑い季節になってきたということもあり、熱帯魚用の水も涼しく感じて気持ちがいいからかもしれませんね。

山口:ああ、今は気分いい季節かもですね。しかし、梅雨だから水を触りたくない、という気分にもなるのでは。

板近:意外とその感覚はないですね。山口さんは、梅雨時期は水を触りたくないという感じになりますか?

山口:うーん、どうですかね。年がら年中、同じような気分で水換えをしてはいます。なんかこう、億劫ではあるけれど、水に触る楽しさもあるし。よいとも言えないし、悪いとも言えないという。中年男性の揺れる心というか。

板近:なるほどです。

山口:水槽の水換えをしながら、ラジオなんかを聴いている時は、気分いいですけれどね。あとはリビングに水槽があるので、なるべく家族が活動しない時間に水換えしたり。水をこぼさないように気をつけたりと。けっこう神経は使いますよ。

板近:ラジオ聴きながらは気分よさそうですね! お気に入りの音楽をかけたりとか。今度試してみます!

山口:そうそう、けっこういいんですよ。

板近:あと、リビングは気を使いそうですね、私は自室に水槽を置いてあって、水道に一番近い部屋にいるので、そのあたり結構気楽です。

山口:この間も、派手に水をこぼして、バツの悪い思いをしました。

板近:私は、廊下で外部式フィルターのろ材を洗ったバケツを引っくり返した時がつらかったです……。

山口:フィルターの沈殿物は、独特な臭さがありますからね。悪い匂いではないのですが。

板近:確かに悪い匂いじゃないですね。フィルターの沈殿物。なんか自然を感じるというか。

山口:最近……集中力や体力がなくなっているのか、けっこう水をこぼします。セサミンとか摂取した方がいいのかなぁ

板近:私の場合、調子がいい時は水槽内に水がスムーズに入っていって、なんだかノリが悪い時は、アクリル水槽の太い枠の上に水が流れて……ってなったりしますね。

山口:ああ、調子の良し悪し、水換えの良し悪しに影響するんですね。

板近:調子の悪い時は、どうも細かいところが少し甘いというか……。

山口:寝ぼけている時とか、危ないですよね。電源を落としたのを戻し忘れたりとか。

板近:危なそうですね! 私は結構自分を信用していないので、確認は厳重にしております(笑)。

山口:水換えって「魚の調子を見て」とか、いうじゃないですか、雑誌などでもそう書いていることはあります。そういうタイミングってどうですか。

板近:私の場合は、できるだけ「調子が悪くなる前に」というか「魚の調子に変化が出る前に」ということを心がけて水換えをしています。ただ、それも完璧にできているわけではなくて、水の具合が悪そうだから多めに水替えする……なんてこともありましたね。

山口:けっこう模範的という感じですね。

板近:ありがとうございます。ただ、自分のミスで水をがっつり換えないといけないようになってしまったことも、過去にありますので、模範というところには、まだ至れていないと思います。

山口:日程を決めていますか? 土曜日とか日曜日とか。もしくは水質を測ったり?

板近:曜日は決めてないですね。だいたい週一か二週間に一度くらいを目安に水換えをします。その範囲の中で、できるだけ調子のよい時や、余裕を持ってできる時に水換えをする感覚で。水質はpHを見ていますね。

山口:では、生体合わせ(魚の調子を見て)という感じではあるんですね。それができるといいですよね、いろいろな魚を飼いやすいと思います。

板近:ある意味生体合わせなのかもしれませんね、ただ基本的には、魚たちにはあまり変化がないような気がします。

山口:変化がない環境を作り出しているということで、魚にとってはいいいんじゃないですか(笑)

板近:過去を振り返り調子を崩してしまうペースにしないようにしている……というと、ちょっとかっこつけすぎかもしれませんが、そんな感じです(笑)山口さんは、曜日を決めて水換えをしているのですか?

山口:ええ、だいたい土曜日の朝ですね。ナイツのラジオを聴きながら水換えしています。

板近:ラジオは欠かせないのですね!

山口:ええ、ラジオは欠かせません。あとはゲームも欠かせないのですが――――話が脱線しすぎますね。水換えしながらゲームはできませんし(笑)

板近:そのあたりの話も面白そうですが、確かに脱線してしまいますね(笑)。

山口:それで曜日を決める話ですが、実はあまりよくないとは思っているんです。

板近:そうなのですか!

山口:板近さんのように、魚の調子を見ての方がいいと思いますよ。ただ、なんかこう、長年やっていると、ルーティンが大切になってくるというか。自分のペースを守りたくなるんですよね。私だけかもしれませんが。であると、それにった生体しか飼えなくなると。魚の種類もそうですし、大きさや数も「自分なり」になっていくというか。

板近:なんだかんだ、私も今の水換えペースで飼育できる魚ばかりになっているので、似たようなところはあるのかもしれません。

山口:そういうところですよね。前に植物のマニアの人と話していたのですが「いろいろな種類に興味はあるけれど、けっきょく自分の庭で育てやすいものになっちゃうんです」みたいなことを言われていて。

板近:私も植物を育てているのですが、なんだかんだ自分の栽培環境にあったものが中心となっていますね。

山口:微妙な日当たりの加減とかで、変わってくるじゃないですか。

板近:そうですね、うちは日当たり悪いので、日陰の植物が中心です。

山口:そういう感じで人と魚にも相性みたいなものがあると思うんです。

板近:あると思います! 私も、自然と自分にあった魚を選ぶようになっている気がしますし。あと、自分には向いていない魚を「我慢」するのも大切なことかなと思います。

山口:といいますと?

板近:例えば「この魚飼いたいけど気が強いから、今の混泳水槽にはきついかも……」みたいな感じで、思いとどまれるようになることって、環境を維持する上で大きいのかなと。

山口:そっちですね。飼っている魚に合わせて我慢ではなくて、買うのを我慢と。

板近:あ、はい。そっちです(笑)昔は、気が強いと知らず飼育して、後から単独飼育するために水槽を用意したりもあったので。そういう経験から学べることもあると思うんですが、止まれるようになってからはトラブルも減ったかなと。

山口:学んだんですね。

板近:はい、最初からできたわけではありません。

山口:今、うちのポリプテルスがそうかもなぁ。いい魚なんだけどワイルドだから神経質で、こちらが我慢している感もあり……。しかも、長生きするし。でも、手放す気にはならないと。愛着も湧いていますし。

板近:私が最近悩んでいる魚はシクリッドですね。混泳水槽に、10cmくらいのシクリッドをいれたくて仕方ないんですが……。

山口:入れちゃえばいいんじゃないですか。

板近:それこそまさに「性格きつそうだなぁ」と断念している感じで。あと、先日「この種類なら、そんなにきつくないから問題ないかな」みたいな出会いがあったのですが、そういう時に限って後に予定があり魚が購入できる状態になかったり。

山口:意外といけるかもしれない、というスリルを楽しむのもありかと。ダメなら水槽を増やせばいんだし(笑)

板近:確かに(笑)。ろ材とか水を今の水槽からもらえば立ち上げも早いですもんね。

山口:そうそう。泥縄式に水槽が増えていくのも、アクアリウムの醍醐味ではありますよ。

板近:気がついたら増えてたってありますよね。

山口:最近はコンプライアンス? というんですか、割と皆さん真面目にやられていますけれど。最後の一線(買ったものは責任を持って飼う)を超えなければ、いいんじゃないですかね。泥縄もアクアリウム人生の彩というか。

板近:スペースとか、水槽が増やせる余裕を最初から見ておくと、楽しみ方の幅は増えるかもしれませんね。過去を振り返ると「結果増えてしまった」ってことも多いですが(笑)。

水換え話から見事脱線! ダータテトラ話へ

山口:今は水槽も安いですし、魚は3万種もいるし。知らない魚を飼ってみたいというのは、アクアリストなら普通の感覚ではあると思いますよ。

板近:それは本当にありますね。「この魚初めて見た……」なんて時とかすごく嬉しいですよね。

山口:嬉しいですね。最近だとグリーンジェットダータテトラは感動したなぁ。最近のアクアライフで特集したんですが。(2020年3月号掲載

スーパーグリーンジェットダータテトラ
緑色の発色が鮮やかな、スーパーグリーンジェットダータテトラ。月刊アクアライフ2020年3月号より Photo by N.Hashimoto

板近:私は最近のアクアライフだと、あの新種のスネークヘッドは驚きましたね。地下水に住んでるやつ。(2020年6月号掲載

山口:あれもキタよなあ。けっこう業界がざわめいた感がありましたよ。なんせ新属ですし、しかもその飼育情報まで雑誌に掲載したわけですから(笑)

板近:スネークヘッド、飼育情報掲載されていましたね! ビジュアル的にも地下水に生息するという生態的にも「飼えるんだこの魚」的な驚きがありました。あと、グリーンジェットダータはなんていうかすごい緑でしたね! グリーンの名が本当に似合う。

山口:あの緑はちょっと他の魚にいないと思います。強いていうなら、鳥とかにいそうですね、カワセミとか、ゴクラクチョウの仲間とか。

板近:今あらためて3月号眺めているのですが、確かに鳥とかにいそうな緑ですね。

山口:気がつけばすっかり水換えから脱線しましたね。まあ、実のある話ばかりでもつまらないですから。

板近:そうですね、水換えがお題でしたね(笑)。

山口:グリーンジェットダータテトラはメタリックなんですよね。本当にある種の鳥のような。魚だとブダイの仲間にもあんな色がありそうな気もするけども。

板近:記事に書かれている「はばたけ!」という言葉が似合いますね。

山口:ツバサハゼっぽいんですよね。あと、水上に遊ぶというのも衝撃的。

板近:ダータテトラは集めたくなりそうな見た目をしていますよね。

山口:ただ、あの発色を引き出すのはコツも必要っぽいですね。ショップで見ても、ああいう色ではないですから。それこそ水換えも含めたコツが必要になるかもです。

板近:発色させるのが難しい魚っていますよね。

山口:ダータテトラ飼ったことあります?

板近:残念ながら、ダータテトラは飼育したことないんですよね。今話してて、飼いたくなってきましたが。

山口:私は1、2回あるかな。グリーンジェットのような美麗種ではなく、素朴なタイプですが。

板近:私の想像だと、動きがとてもおもしろそうだなぁという印象なのですが、実際どうでしょうか?

山口:うーん、動きは本当に普通のハゼっぽいというか……ともあれ全体に可愛いという感じでしたよ。おちょぼ口で。案外、混泳もきいた記憶がありますが。種類によっては気が荒いみたいですね。

板近:確かにおちょぼ口ですね(笑)。気の荒さは種類によりけりなんですね。

山口:らしいですね。私も随分昔に少数を飼っただけなので、経験からお話しするのは無理があるのですが。今、編集部の人間に聞いたら、結構気の荒い奴もいるみたいです。底棲の魚は、テリトリー意識強い奴もいますよね。

板近:底物はテリトリー意識高い魚多いですね。立体活動が少ないからこそなのでしょうか。地に足ついてるぶん、テリトリーがわかりやすいというか。いや、足じゃないですね(笑)。地にヒレつけて。

山口:餌が藻類とかデトリタスだったりすると、スペースの確保が大切になるんじゃないですか。アユなんかもそうですけれど。動かないものを食べるは、場所に執着しやすいですよね。

板近:そこから自然とテリトリー意識が強くなっていくのですかね。

山口:そんなところじゃないですかね。ムブナ(アフリカ、マラウイ湖に生息するシクリッドの仲間)とかも典型じゃないですか。だから、草(藻)食って言葉的には大人しいイメージあるかもしれませんが、そんなこともないんですよね。草食男子とか流行りましたけれど。

板近:シクリッドは、結構「底」を意識してる魚多いですもんね。産卵とか、砂を口に含んで吐きながら餌を食べたりとか。そういえば、哺乳類でも、草食で気の荒いものが多いですね。

山口:動物あるあるですよね。

板近:ですね。かと思えば草食ですごく大人しい魚もいるから面白いですよね。

山口:いろいろな条件で成り立ってますよね、生物は。傾向として語れることは多いけれど、絶対もないというか。

板近:ですね。さっきお話されていた「ダータテトラは種類によっては気が荒い」という話はまさにそうですよね。「ダータ=気が荒い」ではないというか。

山口:語るとなれば各論になっちゃいます。もちろん傾向も大切だと思いますよ。特に情報が少ない魚は、似た魚から推測するしかない時もありますし。

板近:あと、飼育環境によっても変わる魚いますよね。ショップではおとなしかったけど、家に帰ったらテリトリーを全力で主張しだしたみたいな。

山口:ありますあります。まあ、テリトリー主張できるほど家の水槽が快適だと思うしかないですね、そのときは。

板近:新しい一面を見れた喜びと、対策を考えつつ……。そういうところに気を使うのもアクアリウムの醍醐味ですよね。

山口:そうですね。水換えに気を使うのも醍醐味のひとつですよね。

板近:うまくまとまりましたね(笑)。

山口:そうですね(笑)

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