みなさんこんにちは。

熱帯魚Q&A編集部の山口正吾です。

コケ取り魚も時によっては害となる?

今回はそんなお話です。

熱帯魚Q&Aとは

熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。

熱帯魚Q&A一覧はこちらから

コケ取り魚による被害

色々なコケ取り魚

アクアリウムにおけるコケ取り魚にはたくさんの種類があります。

ここではプレコやオトシンクルス、アルジイーターやフライングフォックスなど、「何かに張り付く、何かを舐め取る構造の口をもった」種類を対象に解説していきますね。

ブラックモーリーなどもコケ取り魚として扱われることがありますが、コケをついばむスタイルであり、質問にある他魚の粘膜を舐め取る行動はほとんど見られません。

ヤマトヌマエビなどシュリンプ類も同様ですね。

プレコの口。何かに張り付いたり、削り取ったりするのに特化した形をしている。Photo T.Ishiwata

生活圏が重なる魚、ゆったりした魚が狙われやすい

この手の魚で、よく話題にのぼるのが、セルフィンプレコでしょうか。

対象は、ポリプテルスや淡水エイ、ディスカスなどでよく聞かれます。

つまり、セルフィンプレコと生活圏が重なっていたり、動きがゆったりしている魚が狙われやすい傾向にあります。

その他、シルバーフライングフォックスが問題を起こすことがあります。

この魚の場合、他魚の粘膜を舐め取るというよりも、他魚を追い払ったりする行動が目立ちます。

そのため、動きがゆったりしている魚は、ヒレをボロボロにされたりもします。

以上、多少の舐め取り、攻撃なら問題にならないこともありますが、程度によっては水槽を分けるなどの処置をしましょう。

セルフィンプレコ
セルフィンプレコの若魚。Photo N.Hashimoto
シルバーフライングフォックス。Photo MPJ

弱った魚が狙われやすい

通常の状態では問題がなくても、弱った魚が同居している場合には注意が必要です。

そうした魚を執拗に舐める、攻撃するケースがあるからです。

ちなみに。

藻食魚は大人しいイメージがありますが、中にはナワバリ意識が強く攻撃的な種もいます。

自分の餌場を守るのでしょうね。

釣り魚ではアユがナワバリ意識が強いことで知られ、その習性を利用した釣法(友釣り)もあります。

 

Written by 山口 正吾

熱帯魚QA