みなさんこんにちは。

熱帯魚Q&A編集部の山口正吾です。

本日は「サンゴ砂の使い方」などについて解説します。

意外と使う場面の多い素材といえます。

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熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。

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飼育水のpHが下がりにくくなります

サンゴ砂はサンゴの骨格が砕けて細かくなったものです。

パウダー状のものから礫(れき)と呼べるようなものまで、様々なサイズがあります。

サンゴ砂の主成分は炭酸カルシウムです。

ご存知かもしれませんが、水槽で生物ろ過が機能すると、硝酸塩の濃度が高くなり、飼育水のpHは下がります(関連記事)。

そうした水槽でも、サンゴ砂を使用すると、pHが下がりづらくなります(炭酸カルシウムによる緩衝作用)。

ですから、アルカリ性を好む熱帯魚、たとえばマラウイ湖やタンガニイカ湖産のシクリッド、または汽水魚などの飼育で、サンゴ砂が底床やろ材として使われることがあります。

ただ、そのような一部の魚の飼育だけでしかサンゴ砂を使えないわけではありません。

たとえばpHが下がりやすい大型魚の水槽では、極端なpHの低下を防ぐために、ろ材の一部にサンゴ砂を使うことがあります。

その他、個人的な話で恐縮ですが、私は管理する水槽のほとんどに少量のサンゴ片を入れています。

特にアルカリ性を好む魚や大型魚が泳ぐ水槽でなくてもサンゴ片を入れます。

急激な水質(pH)の変化は、たいていの魚にとってストレスになります。

私の住む地域の水道水の特性か、飼育水のpHが下がりやすいと感じており、その対策です。

サンゴ砂のほか牡蠣殻(かきがら)にも同じような効果があります。

サンゴ砂と比べれば効果がマイルドと言われており、金魚や錦鯉の飼育では牡蠣殻の方が広く使われているようです。

サンゴ砂も牡蠣殻もいずれ溶けて小さくなるので、適当なタイミングで足したり交換したりします。

ちなみに。

サンゴ砂や牡蠣殻を使ってpHの低下を予防したところで、水は汚れていきます。

定期的なメンテナンスは怠らないようにしましょう。

サンゴ砂を底床に使ったマッドスキッパー(汽水魚)の水槽。Photo T.Ishiwata
サンゴ砂。Photo N.Hashimoto
牡蠣殻(ネットに入っている)。Photo N.Hashimoto

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