みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
メダカの繁殖の話題の中で「固定率」という言葉を聞いたことはありませんか?
メダカの改良を行なうなら知っておきたい、「固定率」についてわかりやすく解説します。
メダカQ&Aとは メダカQ&Aは、専門店にて長くメダカ飼育に携わられている大場 貴保(おおば たかやす)さんに、メダカ飼育の素朴な疑問や繁殖のコツなどについてご回答いただく連載です。メダカ好きの方は、ぜひ興味のある質問から覗いてみてください! |
Q:メダカの固定率って何?固定率の高い品種、低い品種はどれ?
親メダカの特徴を子が受け継ぐ確率が「固定率」
改良メダカの固定率とは、親メダカの特徴がどれくらいの確率で子に遺伝するかを数字にして分かりやすくした目安のことです。
固定率には2種類あり、形質の固定率と品種の固定率があります。
形質の固定率
例えば、朱赤スワローメダカという品種がいます。
この朱赤スワローメダカには、2種類の形質が含まれています。朱赤体色とスワロー(ヒレが不規則に伸びる形質)です。これらの形質ごとに、親から子に伝わる確率を考えてみます。仮に
- 朱赤体色の固定率は70%(残り30%は白体色、オレンジ体色の子が生まれる)
- スワローの固定率は50%(残り50%はスワローになっていない普通のヒレになる)
としたとき、これらの数字は、品種に含まれている形質だけに焦点を当てた固定率なので、「形質の固定率」となります。
品種の固定率
品種の固定率とは、上記の例で言うと、朱赤スワローメダカどうしの交配から朱赤体色、スワローの2つの形質を合わせ持つ子がどれだけ生まれるかという指標です。
上の図でいうと、朱赤スワローメダカオス・メスの子どものうち、朱赤スワローの形質を受け継いでいるものは3/4(=75%)です。したがって、品種の固定率は75%ということになります。(※数字はイメージです。実際のこの品種の固定率とは異なります)
品種の固定率は、形質が増えれば増えるほど低くなり、形質の少ないシンプルな品種ほど高くなる傾向があります。
単色の楊貴妃や幹之などは固定率が高く、三色系などの多色の品種は固定率が低いです。
固定率については、改良メダカの形質についての知識と合わせて考えるとより理解しやすくなります。
改良メダカの形質の基本については、以下の記事で紹介していますので、興味が湧いた方はぜひご覧ください!
改良メダカの見た目は、色・体型・ヒレの形といったさまざまな特徴の組み合わせで表現されています。 基本的な特徴を覚えると、メダカ観賞の幅がグッと広がりますよ!