みなさんこんにちは。

アクアライフWEB編集部です。

金魚がかかりやすい白点病。

その予防と治療について解説します。

金魚Q&Aとは

金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。

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Q:塩を使うのもいい? 白点病の治し方を教えて!

白点病の予防

前回の当コーナーでは、最もかかりやすい病気は白点病と書きました。

今回はその治療法などについてお答えしていきます。

白点病は予防が大切です。

おそらく金魚のセリや問屋さんでは、各地の養殖池などいろいろな環境の水が混ざり、そこに病気の原因となる白点虫が紛れ込むことが多いのではないでしょうか。

ですので、新しく金魚を購入し家の水槽に迎え入れる際は、たとえ白点が体に見えなくても、アグテンなどの白点病用の魚病薬を入れて3日ほど飼育します。

そのとき私は水温は25℃以上になるようにしています。

魚病薬は白点虫の一生を通していつも効くわけではありません。

白点虫は、一生の間にいくつかのステージがあり、なかには薬が効かないステージがあります。

25℃以上にすると、生活サイクルを早めることができ、薬が効くステージにあたりやすくなるため、そのときにやっつけるというわけです。

淡水に住む白点虫は25℃以上であるとその増殖を止めるという説もありますが、金魚の飼育において私はそう感じたことがなく、むしろ生活のサイクルが早くなると考えています。

以下に一例をあげます。

私は一度、冬に金魚を新しく購入して、アグテンを入れた水槽で2週間金魚を飼育しました(このとき保温はしていませんでした)。

もう2週間も飼育したから十分だろうと思い、別の水槽にその金魚を入れました。

すると、数日後、その金魚を入れた水槽内で白点病が発生してしまいました。

おそらく、冬で水温が低かったために白点虫の生活サイクルが止まり、薬浴をした2週間のあいだには薬が効くステージにあたらなかったのではないでしょうか。

この経験から私は25℃で3日間アグテンで薬浴するようにしています。

念のため、その後も薬が入ったままの水槽で10日ほど飼育をして様子を見ます。

この10日のあいだは25℃まで水温を上げません。

そのようにして10日後に白点が発生していないことが確認できたら、他の水槽に入れています。

このような処置をした上で、白点病が発生したことは今のところありません。

白点病。全身に白い点がついて見える。白い点の大きさは均一ではない。ill MPJ

白点病の治療

すでに白点病にかかった個体については、アグテンなどの白点病の治療に効果のある魚病薬を水槽に投薬してから水温を28℃程度に上げます。

白点虫が金魚の体についている時には、薬は効果がないそうですから、水温を上げて白点中の生活サイクルを早め、金魚の体から離れたときに薬で退治するというわけです。

また、0.5%の塩浴も併用すると効き目が早いようです。

0.5%というのは、およそ水1Lに対して塩5gと覚えておけばいいでしょう。

過去には水温を上げたらかえって白点の数が増えてびっくりしたこともありますが、そのときは落ち着いてください。

白点が増えても水温が高いままだと生活サイクルが早まり、金魚の体から離れるとき、つまり薬が効くステージが必ず来ます。

少し待ちましょう。

薬浴の様子。特定の個体が病気の場合には、その個体を別水槽に移して薬浴するとよい。ただし、白点病は水槽に蔓延しやすいので、飼育水槽のまま薬浴するのも方法だ。Photo MPJ
塩水浴の様子。塩がまだ水に溶け切る前。使う塩は普通の食塩でよい。Photo MPJ

白点病の治療のあと

白点病が発生した水槽の砂利は必ず乾燥させるか、熱湯にさらすなどして消毒することが大切です。

砂利をそのままにしておくと、白点病が再発することが多いのです。

ついこのあいだも私が顧問をつとめる生物部でそのようなことがありました。

ろ過槽の中も綿などは交換し、ろ材は乾燥させたり熱湯消毒しています。

金魚Q&A