みなさんこんにちは。
熱帯魚Q&A編集部の山口正吾です。
本日は「熱帯魚にまつわる諸費用」について解説します。
「高い」というイメージがあるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。
熱帯魚Q&Aとは 熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。 |
まずはシミュレーションしてみましょう
熱帯魚の飼育にかかる初期費用には幅があります。
たとえば、プラケースでアカヒレを数匹飼うのなら、1,000円程度で実現は可能です(アカヒレは温帯魚ですが)。
一方で、水量が何トンもあるような大型水槽でアジアアロワナほかたくさんの珍魚・怪魚を飼育するとなれば、3桁万円……それ以上の費用になるかもしれません。
生体や器具の選択肢が多く、予算に無理のない範囲で始められるのもアクアリウムのよいところですから、一度ご自身の希望をもとにシミュレーションするとよいと思います。
60cm水槽で初期費用を考えてみます
さて、それで終わってはなんなので、こちらで一度シミュレーションしたいと思います。
水槽は一般的な60cmレギュラー水槽(60×30×36cm)で考えてみましょう。
器具や生体の価格には幅がありますが、各種ECサイトなどを参考に、ビギナー向けに売られている安価なものを想定してみます。
まずは器具などの価格(熱帯魚を飼うのに必要なもの)。
基本的なところはセット水槽を利用することにしましょう。
セット水槽にも色々ありますが、「フルセット」などと呼ばれるものでは、水槽、ガラス蓋、ライト、フィルター、ヒーター、水温計、カルキ抜きなどが入っており、14,000円くらいになると思います。
これにある程度見栄えがする量の水草やオーナメント(流木など)を買ってプラス5,000円。
水草を植えるのなら底床(砂利やソイル)も必要でしょうからプラス3,000円。
それと餌も必要ですね。
餌も様々なので選択に悩みますが、ざっくり1,000円としておきましょう。
60cmレギュラー水槽であれば、それなりの重さになるので水槽台も必要です。
水槽台も様々ですが、ひとまず5,000円くらいのものを購入することにしておきます。
以上、熱帯魚を飼うのに必要な器具などの概算は以下のようになります。
セット水槽(14,000円)+水草やオーナメント(5,000円)+底床(3,000円)+餌(1,000円)+水槽台(5,000円)=28,000円
生体をプラスすると…
次に生体(熱帯魚)を考えていきます。
熱帯魚は飼育者それぞれの感性が大いに反映されるので、さらに設定が難しいのですが、安価でビギナー向けとされる小型テトラ20匹、コリドラス5匹、ラミレジィ1ペアとすれば、5,000円程度にはなるでしょう。
メインの熱帯魚のほか、コケを取るメンテナンスフィッシュもほしいところです。
ヤマトヌマエビやサイアミーズフライングフォックスで2,000円程度はかかるでしょう。
以上、熱帯魚やメンテナンスフィッシュで7,000円とします。
これに先の器具などの28,000円を足すと合計で35,000円となります。
高く感じるでしょうか、そうでもないでしょうか。
なんにせよ、熱帯魚ショップやECサイトで買い物をするときには、予算に余裕をもつとよいと思います。
熱帯魚は魅力的な種が多くいますから、当然のように目移りします。
お目当てのものを手に入れられず後悔することがあるのは、熱帯魚に限った話でもありません。
電気代を計測してみた
維持費については、ヒーターやライト、フィルターなどの電気代が主なところになるでしょうか。
これについては編集部でちょっと計測してみたのでよろしければ参考にしてください。
計測に用いた水槽などの条件は以下のようになります。
・水槽サイズ 44.5×23×30(H)cm 外寸から求めた水量は約30L
・フタ 3mm厚の樹脂製(自作)
・ヒーター 120W 26℃設定のオートヒーター
・ライト 11W LED 1日6.5時間点灯
・フィルター 5W 内部式フィルター 常時稼働
・水槽を置いた場所 関東地方(多摩地域)の木造住宅1階 50Hz
・計測機器 サンワサプライ ワットモニター 2機
・料金設定 30円/1kWh
・計測方法 ヒーター単体と、ライト・フィルターの2系統で計測
結果は以下のようになりました。
ちょっと図の文字が見えにくいと思うので主だったところを抜粋します。
11月はヒーターが132円、ライトとフィルターが162円、合計で294円。
12月はヒーターが249円、ライトとフィルターが170円、合計で419円。
予想としては、1〜2月は12月と同程度の電気代がかかり、春から夏にかけてはヒーター代が減っていくのだと思います。
これからも継続して計測しますので、機会を見て図を更新したいと思います。
電気代が気になる方は、それを計測する機器が売られているので、ご自自身で調べてみるのもよいと思います。