みなさんこんにちは。
熱帯魚Q&A編集部の山口正吾です。
本日は「熱帯魚水槽のエアレーション」について解説します。
結論から言えば、しておいて損はありません。
熱帯魚Q&Aとは 熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。 |
エアレーションとは?
エアレーションのことを曝気(ばっき)ともいいます。
こちらの方が専門的な感じがして、仲間内で話すときなどには通ぶれるかもしれません。
ですが、原稿を進めるにあたってはややこしくなるので、以下はエアレーションで統一します。
エアレーションは、簡単にいうと水中に空気≒酸素を供給することです。
アクアリウムでは、エアポンプ>エアチューブ>エアストーンを介して、水中に空気を送り込む方法が一般的ですね。
エアレーションにはいろいろな方法があって、たとえば大きな養殖池では水面をプロペラで攪拌することもあります。
また、エアリフト式のフィルターを使っていれば、ろ過とエアレーションを同時に行なっているともいえます。
エアリフト式ではなくても、フィルターの出水パイプから出る水を水面に叩きつければ、それだけでエアレーションとなります。
そのあたり(方法)も固めておかないと状況をイメージしにくいと思うので、以降の本稿では「フィルターとは別の意図的に追加するエアレーション」について原稿を進めます。
より具体的には、上記したエアストーンを介したエアレーションをイメージしていただくとよいでしょう。
エアレーションをすることのメリット
さて。
エアレーションには、魚やろ過バクテリアへの酸素供給のほか、水を動かすことで水槽内の水全体に酸素を行き渡らせる効果もあります。
また、水面で泡が弾けるので、油膜が張りにくくなります。
いいことづくめのエアレーションですが、すべての水槽で必要かといえば、そうともいえません。
たとえば、上部式フィルターなどの空気を巻き込むろ過装置を使っていれば、それだけで魚やろ過バクテリアへの酸素供給が足りることもあります。
ただ、そうした場合でも、別途エアレーションをしておくのは悪くないと思います。
エアレーションをしていれば、万が一ろ過装置が機能しなくなった場合にも、多少の保険になるからです。
エアレーションがいらないケース
エアレーションがいらない魚の代表にベタ(改良品種)がいます。
ベタは水面から酸素を取り込めますし、強い水流が苦手ですから、過度なエアレーションをすると疲れてしまいます。
ほかに二酸化炭素を添加する水草水槽でもエアレーションをしないことが普通です。
なぜなら、エアレーションと二酸化炭素の添加を同時に行なうと、二酸化炭素の添加効率が悪くなるからです。
ただし、水面の油膜防止、夜間の酸素供給のために、二酸化炭素を添加していない時間にエアレーションをすることはあります。
以上、エアレーションは水槽の様子を見ながら行なえばよいと思いますが、手軽ですし、上記のようなケースを除いては、しておいて損はないと思います。