みなさんこんにちは。
熱帯魚Q&A編集部の板近 代です。
本日は熱帯魚の飼育に欠かせない餌について、基礎的なお話をさせていただこうと思います。
魚に合わせた餌選びについても解説していますので、どうぞよろしくお願いいたします。
熱帯魚Q&Aとは 熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。 |
いろいろな熱帯魚、いろいろな餌
熱帯魚には種類ごと、あるいは個体ごとに食の好みがあり、なんでもかんでも食べるわけではありません。
健康に飼育していくためには、その魚に合わせた餌選びが必要になるのです。
ショップの餌コーナーや通販サイトなどを見ても、熱帯魚の餌には様々な種類があることがわかると思います。
これも、多種多様な熱帯魚の食性(好む餌の種類や食べ方など)に合わせるためです。
熱帯魚の餌の種類
適切な餌選びができるようになるために、まずはよく目にする餌のタイプを覚えていきましょう。
人工飼料(※配合飼料)
例:フレークフード、コリドラスタブレット、高タンパクフード など
複数の素材を用いて製造された餌で、対象とする魚種や使用目的に合わせた配合や加工がされている。
嗜好性を高めたものや、魚の健康に配慮した製品など独自の特徴を持つ製品も多い。
常温で保管できるものがほとんどで管理もしやすい。
乾燥餌
例:クリル、乾燥アカムシ、乾燥コオロギ など
天然素材を乾燥させたもの。
素材そのものの特徴を残しているため、人工餌に反応しづらい魚でも食べることがある。
常温で保管しやすいものも多い。
冷凍餌
例:冷凍アカムシ、冷凍キビナゴ、ディスカスハンバーグ など
天然の素材を冷凍したもの。
保管は冷凍状態で行ない、魚に与える直前に解凍する。
自然の状態に近い餌なので、人工餌・乾燥餌に反応しづらい魚でも好んで食べることがある。
生餌
例:イトミミズ、小赤(金魚)、ミルワーム、ブラインシュリンプ など
生きた状態で与える餌。
乾燥卵で保存するブラインシュリンプなどを除き、保管期間は餌となる生物を飼育する必要がある。
魚の種類や個体によっては生餌しか食べない場合もあるので、事前に調べておくと良い。
コリドラスで学ぶ、熱帯魚の特徴に合わせた餌選び
ここで、コリドラスを例に“熱帯魚それぞれの特徴”に合わせた餌の選び方を具体的に考えていきましょう。
コリドラスは水槽の底のほうで暮らす魚であるため、水面に浮かぶ餌だと上手に食べることができません(たまに水面まで餌を食べにくるコリドラスもいますが)。
そのため、基本的には沈下性と呼ばれる沈む餌を用いるのです。
コリドラスは人気のある魚ということもあり、『コリドラス用』と明記されて販売されている餌の種類が多すぎて悩んでしまう方もいるかと思います。
実際に私も、どの餌を使えばよいのか悩んだ経験があります。
複数のコリドラス用の餌を試した感想から言うと、ほとんどの餌は食べてくれましたので、ある程度なんとなく選んでも問題ない場合が多いかと思います。
ただ、製品ごとに特長があり、含まれる成分や魚の反応が違うこともあるので、余裕があれば複数購入して実際に使い比べてみると良いのではないでしょうか。
コリドラスは、コリドラス用として販売されている餌以外も食べることがあります。
たとえば冷凍アカムシ。
冷凍アカムシを好んで食べるコリドラスはとても多いので「今使っている餌への反応がいまいちで……」という方にもおすすめです。
ここで注意したいことは「反応が良い」ことや「よく食べる」ということだけに囚われないことです。
餌は、その日限りのものではなく、魚の成長や健康にかかわってくる大切なもの。
魚の体形や体調をしっかり観察しながら、適切な餌を探していきましょう。
複数の餌を組み合わせて使うのも、良いですよ。
どの餌を与えてよいかわからない場合は……
先ほど説明した通り、コリドラスは有名な魚ということもあり『コリドラス向け』に開発された餌が多数あります。
また、書籍やネットなどでもよく取り上げられているため、餌に関する情報を集めることもそう難しくありません。
ですが、全ての魚がそういうわけではありません。
専用の餌もなく、餌のパッケージの写真やイラストとしても登場しない魚もたくさんいるのです。
「調べても餌の情報が見つからない or 少ない」という種類も少なくありません。
何を与えてよいかわからない場合は、まず、ショップでその魚が何を食べていたかを教わると良いでしょう。
それらの餌を魚と一緒に購入しておけば、ひとまずは安心ですからね。
Written by 板近 代