みなさんこんにちは。

アクアライフWEB編集部の板近 代(いたちか しろ)です。

 

本日は、PENTAXのコンパクトデジタルカメラOptioSを使って、水槽を泳ぐ魚を撮影をしてみようと思います。

発売は2003年。

100年を余裕で超えるカメラの歴史からすれば最近のことかもしれませんが、デジタルカメラとして見れば「わりと前の世代」と言えるカメラです。

古いコンデジと言われても、たしかに――――と!

 

ただ過去を振り返れば、それらのカメラは当時の最新型であったのも事実…………。

そして、かつての最新型を古いカメラとして楽しめるのは、今だからこそのこと…………。

 

そんな感じで本日は“満喫”していきたいと思います!

板近 代板近 代

OptioS、本体の質感がめちゃくちゃいいんですよ!

※当記事掲載の画像は、全てブログ用に縮小・圧縮をかけたものとなりますので撮影時の画質とは異なる部分があります。また、写真右下のAQUALIFEロゴは撮影後に入れたものです。以上二点、ご了承くださいませ。

PENTAX OptioSで水槽の魚を撮影しよう!

改めましてこんにちは。

板近 代です。

普段はアクアライフWEB編集部の一員として、当ブログの記事作成に携わったり、連載「アクアの雑談」でいろいろと語らせていただいたりしておりますが、今回は「ライター板近名義で」記事を書いております。

ご覧いただきありがとうございます。

 

私には、アクアリウム以外にもカメラやレンズ、その他撮影機材などなどを集めるという趣味があります。

集めるだけでなく、撮影も好きなのですが「このカメラを使ってみたい」という、カメラそのものを味わいたいがゆえの撮影をすることも多いので、どちらかいうと「趣味は撮影」ではなく「趣味はカメラ」なのかもしれません。

この記事も「このカメラで魚を撮ったらどんな感じかなぁ」という興味から始まっています。

 

あと、誤解がないように説明させていただきますと、私はアクアライフのプロカメラマンではありません。

撮影もカメラもあくまで趣味。

たまに、このブログにて撮影した画像を掲載したりはしますが、それも元は趣味で撮影したものがほとんどです。

 

そんな感じで本日は、趣味としての魚撮影の話をさせていただけたらと思っております。

水槽とカメラの楽しみ方のひとつの例として、ご覧いただけると嬉しいです。

 

さて、前置きはこのくらいにして、そろそろ本日の主役のOptioS………ではなく、まずは比較対象としてPENTAXの一眼レフK-1とKPで撮影した写真を見ていただきたいと思います。

どちらもとても高性能で、本当に撮影を助けてくれるカメラです。

ロングボディーロングノーズコンコルドキャット
弱い照明だけを利用して撮影。暗所に強いという特性が大きな力となってくれた。被写体の、ロングボディロングノーズコンコルドキャットは、動きも面白い魅力的な底物である(PENTAX K-1にて撮影)
PENTAX KP J limited
水草の影に佇むオトシンクルスを。シャッタースピードは1/6とかなり遅くなったが、手ブレ補正のおかげで綺麗に撮影できた。肌の質感など、小さな魚を大きく観察できる一枚となった(PENTAX KPにて撮影)

2台とも発売して5年以内(当記事執筆当時)と、比較的新しいカメラでもあります。

 

そんな、強力な相棒の力を借りても、よく動く魚相手だとブレてしまったりもするもの……。

ワイルドグッピー
グッピーが動き出した瞬間にシャッターをきってしまい、見事にブレてしまった。余談だがこのグッピーは改良品種ではなく原種である(PENTAX KPにて撮影)

ただ、K-1、KPは能力的な余力が大きく、設定を見直すことで「打率」をかなり高めることができるのです。

 

例えば、ISO感度をあげてシャッタースピードを稼ぐという方法。

古いデジカメなどではISO感度をあげすぎると、画像がノイズだらけになってしまうということがよくおきていましたが、この2台ではISO感度をかなりあげても画質が保たれるおかげで様々な場面で余裕を持つことができます。

PENTAX KP J limited
ISO12800まであげたことで、シャッタースピード1/100、絞り値F8という設定を実現。グッピーが一瞬「停止」した瞬間を狙うことができた。ヒレの詳細がよくわかる記録写真となった(PENTAX KPにて撮影)
オトシンクルス
オトシンクルスをISO6400で撮影。その性能のおかげで、動きのある場面も捉えやすい(PENTAX K-1にて撮影)

「このカメラだから撮れた」そう思う場面は、本当に多いです。

では、そんな性能の恩恵を受けられなくなったらどうなるのでしょうか。

 

というわけで本日の主役に、登場していただくことにしましょう。

PENTAX OptioSです!

OptioS
レンズ周りに配置されたPENTAXのロゴがめちゃくちゃかっこいい

発売は2003年。

当記事執筆時点で、18年以上の時が経過している“古いコンデジ”です。

センサーサイズは1/2.5型、有効画素数は320万。

感度はISO50~200相当と、高感度撮影なんて夢のまた夢。

手ブレ補正もありません。

 

ここまで見ていただいた写真を撮影した2台のカメラとの性能差は歴然です。

そもそも、一眼レフ(K-1、KP)とコンパクトカメラ(OptioS)という違いもありますし、センサーのサイズもだいぶ違いますから、もはや、比較すること自体がナンセンスといえるかもしれません。

 

しかしこのカメラ、実に素敵です。

現代でも色褪せない、洗練されたデザイン。

名刺サイズという小ささがその魅力を引き立てます。

 

OptioSは発売当時、光学3倍ズームレンズを搭載した機種としては、世界最小最軽量を誇ったカメラで厚みはわずか20mm。

その薄さを生み出しているのはOptioSで初採用された技術「スライディング・レンズ・システム」で…………と、このサイズにまつわる話を調べるだけでも、結構楽しめてしまうカメラでもあります。

 

ちっちゃいファインダーもなかなかいい感じで……と、長くなってしまいそうなので、そろそろ撮影の話にいってみましょう。

被写体はミクロラスボラハナビ

今回選んだ被写体は、ミクロラスボラハナビです。

ミクロラスボラハナビ
ミクロラスボラハナビは東南アジアに生息する、体長3cmほどの小型のコイの仲間(PENTAX KPにて撮影)

わりとよく動く魚ですから、この魚を撮ることができれば、けっこういろんな魚に対応できるカメラということになるのではないでしょうか。

よく動く反面、動きが予測しやすく、ちょこちょこ静止してくれる魚でもありますので、そのタイミングを狙ってシャッターをきっていこうかと思います。

 

そんな彼らの魚としての魅力は以前このブログにて紹介していますので、興味ある方はどうぞ以下記事をご覧ください。

 

では、早速撮影をはじめてみましょう。

とりあえず、ストロボをオフに。

撮影用に照明を追加したりなどは行なっておらず、光源はごく一般的な水槽用ライトのみとなります。

 

さて撮るぞと……ミクロラスボラハナビがよく現れるポイントを狙ってズームしてみたものの、いまいちピントが合いません。

optioS
ピントがどうのとかいう問題ですらない。奥行き45cmの水槽内での撮影で、ここまでの距離は30cm弱といったところ(PENTAX OptioSにて撮影)

それもそのはず。

このカメラは、標準時のピントの合う範囲が0.4m~∞

今、狙いをつけているあたりまでの距離は0.4m未満……ピントが合うはずありません。

 

でもご安心ください。このカメラにはマクロモードがあり、設定すると0.18m~0.5mの範囲でピントが合うようになるのです。

ちなみにこのカメラには、さらに近距離(0.06m~0.2m)で撮影できるスーパーマクロモードがあったりします。

 

そして、次に現れた敵は手ブレ。

お話したとおり、このカメラには手ブレ補正はありません。

撮影条件などの影響でシャッタースピードが遅めだったということもあり、気を抜くと手ブレしてしまいます。

OptioS
せっかくいい位置に魚が来てくれたのに、手ブレしてしまった。この時のシャッタースピードは1/10だった(PENTAX OptioSにて撮影)

今回、魚を大きく写すためにズームしているのでなおさらですね。

このカメラで撮影していると、手ブレ補正のありがたさがよくわかります。

 

幸い、このカメラは表面に施された加工がいい感じの滑り止めになってくれますし、水槽壁面という手を固定する場所もあります。

それらをフル活用して、カメラをがっちり構えて挑むことにしましょう。

 

その後もミスショットは連発するも、下の写真のように意外とピントが合ってくれたりもして。

OptioS
奥の個体にピントが合ってしまったのが惜しい(PENTAX OptioSにて撮影)
OptioS
左下、こちら側を向いている個体がわりとよく写っている(PENTAX OptioSにて撮影)

おお、いけるいける! テンションはどんどんあがっていきます。

 

繊細さを感じさせる線の出方がとても綺麗です。落ち着きのある色合いも、いい感じ。

まだ撮影を始めたばかりの印象ですが、全体的に優しい雰囲気がありますね。

かといって、弱すぎることもなく。

描写のバランスがとてもよいです。

 

私の腕の問題もあり、ピントの合う打率としてはそう高いわけではありませんでしたが、極端に低いというわけでもありません。

もう少し慣れてくれば、もっといい感じに撮影できるのではないでしょうか。

 

このカメラは、感度の手動設定やマニュアルフォーカスも使えますので、試行錯誤もしやすいのではないかと思います。

 

感度を上げればそのぶんノイズも増えますが、シャッタースピードも速くなります。

OptioSは元々設定できる範囲が「ISO50・100・200相当の三段階」と狭いこともあってか、最大値での撮影中もノイズが目立ちすぎるということはありませんでした。

OptioS
水槽前面に近い暗がりにいたヤマトヌマエビを、スーパーマクロモードを使い、感度をISO50相当に設定して撮影した。ちなみに画質は最高画質、撮影サイズは最大に設定してある(掲載画像は他と同じくブログ用に縮小したもの PENTAX OptioSにて撮影)
OptioS
感度をISO200相当まであげて撮影。上の写真から、その他設定、撮影条件に変更はない(PENTAX OptioSにて撮影)

上の二枚の比較を見てもらうと分かる通り、場面によっては「ISO200相当」がすごい力を発揮してくれることもあります。

さすがに、ISO6400、12800という高い数値を当たり前のように使えるカメラの自由度には及びませんが、感度設定できるというのは大きな武器になるなと改めて感じました。

 

ちなみに、最初に見ていただいた写真を撮影したK-1、KPはISO12800を余裕で超えて、もっと高い値に設定できるようになっています(K-1最高ISO204800・KP最高ISO819200)。

流石にISO感度をあげまくるとノイズが目立ってくるのですが、それはそれでかっこいい写真が撮れたり、暗所撮影での構図づくりに役立ったりするのですよね。

対してOptioSは、そうした領域を持たず、ノイズが目立ちにくい範囲内に設定の幅が押さえられているわけですが、それはそれでスパッと割り切れて楽しかったです。

 

それにしても、ISO200相当で撮ったヤマトヌマエビよく写っていますね。

綺麗にハマった時のOptioSの描写力は、今見ても素晴らしいものがあります。

 

ミクロラスボラハナビの模様もよくわかりますし。

OptioS
ぐいっとズームで寄せて。OptioSは小さな被写体をわりと大きく写せる(PENTAX OptioSにて撮影)
OptioS
設定項目から、シャープネス、彩度、コントラストをひとつづつあげて撮影。そう大きな違いを感じられなかったが、それゆえに微調整機能として期待が持てる(PENTAX OptioSにて撮影)

こうした成果が得られると、撮影がどんどん楽しくなっていきますね。

 

OptioSの説明書は、公式でオンライン公開されていますので、機能等詳細を見たい方はそちらを参照するのがよいかと思います(カメラ名で検索すると出てきます)。

今回の撮影では使っていないですが、3D撮影モードもあったりするんですよ。

こうした古い機種の情報を公開してくれているのは、本当にありがたいですよね。

 

ちょっと話はそれますが、今回の背景に写っている水草についている黒髭苔。

過去の写真と見比べてみると「だいぶ減ったなぁ」としみじみ思います。

そんな変化を目で見て振り返ることができるのも、写真のいいところなのかもしれませんね。

 

しかし、ほんと、いいカメラですねOptioS。

小さなボディに、たしかな技術がつめこまれています。

OptioSならではの写り、OptioSならではの操作性は今体験しても実によいものでした。

「今も普通に使ってるよ!」なんて人も、意外といるのではないでしょうか。

OptioS
別の魚の例として、グッピーのメス。この1枚はシャープネス、彩度、コントラストを最大まで上げて撮影している(上下最大2段づつ調整可 PENTAX OptioSにて撮影)

超小型ながら持ちやすく、また、範囲は狭いながらも、設定でいろいろと追い込めるところもよかったです。

OptioS
今回OptioSで撮影した中で、最も気に入っている1枚。設定もいろいろと調整した上で撮影に臨んだ。個人的に暗がりにいる魚が好きなようです(記録サイズ及び画質最大・ホワイトバランスAWB・感度ISO200相当・シャープネス+1・彩度+2・コントラスト+1・露出補正-0.3 PENTAX OptioSにて撮影)

その使い心地のよさに、ついつい褒めちぎってしまいましたが、一応、デメリットについても触れさせていただくならば……やはり今となっては「古いデジタルカメラである」というところでしょうか。

単純に、現代にはこのカメラより性能が高いカメラがわんさか存在しているということ。

また、現行機ではありませんので、中古でしか入手できず、どうしても完動品と出会える確率が下がってしまうものでもあります。

中古で見つけても、充電器がついていない場合などもありますのでご注意を。

 

でもまぁ、なんだかんだこうしたデメリットは「それも楽しさのうち」と言い換えることができてしまうものですし、古いデジカメであるのはわかりきったことなので「あえて言うならば」みたいなものでもあるのですが。

カメラというものは純粋な性能とはまた別のところにも、それぞれの魅力があるものだと思いますし(もちろん、性能にワクワクするのも楽しいのですが)。

 

今回撮影に使用したOptioSは、以前中古で入手したもの。

かなり使い込まれて傷だらけでしたが、まだまだ撮影に使える元気な一品。そんなカメラと出会い、私の手元で現役復帰させることができたのはとても嬉しいことですね。

製品としてのOptioSは数あれど、このOptioSはここにしかないのだなとも思います。

 

本日の撮影は、OptioSのおかげで、カメラそれぞれの魅力と、魚それぞれの魅力を同時に再確認できる素晴らしい時間となりました。

ありがとう、OptioS。

 

余談ですが、OptioSのシリーズであるOptioS40はパッケージにベタが採用されていますので、アクアリスト的にも嬉しい一品だったりします。

optios40
二匹のベタが踊るOptioS40のパッケージ

また、OptioS40は単3電池2本で動かすことができますので、動く本体だけ入手できれば使用できるという魅力もあり…………と、長くなってしまいそうなので本日はこのへんで。

お付き合い、ありがとうございました。