みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
本日のお題は、オレンジ色の熱帯魚。
編集部の山口と板近が、オレンジ色の熱帯魚を交互に挙げながらその魅力に迫ります。
写真は“10種以上”掲載していますので、素敵なオレンジをじっくり見ていってくださいね!
オレンジと名につきながらオレンジに見えない魚もちらほありますが今回の掲載種はオレンジ感が強いと思う。
みかんを見て「柑橘感ある色の魚っているよなぁ」など思ったり。
アクアの雑談は、その名の通りアクアリウムに関する「雑談」をお届けする連載です。お題は回ごとにいろいろ! 雑談いたしますのは、株式会社エムピージェー出版部長で月刊アクアライフ前編集長の山口 正吾(やまぐち しょうご)と、アクアライフWEB編集部に社外からの協力スタッフとして参加している板近 代(いたちか しろ)。雑談ならではのお話を、どうぞお楽しみください。 |
※以下目次を開くと今回登場の魚種名が一覧で並びます。
新年一発目はオレンジ色の熱帯魚!
板近:今日は2023年一回目のアクアの雑談ですね。
山口:ええ。みなさん、あけましておめでとうございます。
板近:あけましておめでとうございます。今年もアクアの雑談をよろしくお願いいたします! さて、本年一発目のお題はなにでいきましょうか。
山口:オレンジ色の熱帯魚というのはどうでしょう。前回の茶色の熱帯魚も好評であったし。
板近:いいですね!
山口:ではでは、いつもどおりお互い一種づつ挙げていくスタイルで。合計10種でどうでしょうか。
板近:ええ、それでいきましょう。
オレンジ色の熱帯魚10選
山口:今回は、言い出しっぺの私から行きますね。
板近:はい、お願いいたします!
オレンジグリッターダニオ
山口:いろいろありますが、まずはオレンジグリッターダニオでどうでしょう。
板近:ああ、いきなりめちゃくちゃいいオレンジきましたね……。
山口:いいですよね。小型美魚で。
板近:美魚です。
山口:2000年代に入ってからかな、輸入されたのは。オレンジと入った名前は新鮮だと思ったし、そう名づけるしかないオレンジ色に驚いた記憶があります。
板近:グリッターというのがセンスいいですよね。
山口:ですね。今では定番の魚となりましたが、あの色味は貴重だと思います。この魚を入れたくなる水草レイアウトがあると思う。
板近:あー、その感覚すごくわかります。
山口:わかりますか。
板近:ええ、イメージが湧いてきました。
山口:水草レイアウトを作って「さて何を入れようか」と思った時、オレンジグリッターダニオが自然と思い浮かぶ水景があると思うんですよね。たとえば、ロタラで作られた柔らかいトーンの水草レイアウトとか。ではでは、板近さんの1種目どうぞ!
ハーフオレンジレインボー
板近:では私も、名前にオレンジが入っている魚から。ハーフオレンジレインボーどうでしょうか。
山口:おー、これもいい線ですね。
板近:今回は、全身がオレンジというか、オレンジ面積の広い魚から行こうと思ったんですが、山口さんの名前の話につられました(笑)。
山口:(笑)。大きめのレインボーですよね。推しの理由を是非。
板近:まさにこのハーフなオレンジですよね。身体の前半と後半で色が違うからこそ、オレンジの印象が強くなっているところもあるだろうなと。
山口:前半は少しグリーンがかったような色合いで、全体としてとても個性的ですよね。
板近:ええ。前半の色はわりと、オレンジと対象的な色合いというか。
山口:こういう魚がいるから熱帯魚はいいなぁと思います。必ず誰かのお気に入りとなる魚がいる。ハーフオレンジレインボーも、そんな存在だと思いますよ。
板近:この魚が、横幅の広い水槽でまとめて何匹か泳いでいたら……たまらないですね。では、山口さんの2種目お願いいたします!
オレンジキャット
山口:熱帯魚独特の感性ということで、オレンジキャットはどうでしょう。
板近:あー!
山口:オオサンショウウオとドクトカゲを合わせたような、個性的な質感と色合いで。全身オレンジというか黒っぽくもあり。
板近:良い色合いです。
山口:お宅訪問やショップで見かける機会はありますが、あの太い体でぼーっと水槽の壁面に寄り添っていたりとそんな様子も愛らしく。
板近:想像できますねー、可愛い姿が。
山口:これも熱帯魚らしいというか、好きな人には猛烈にアピールする魚だと思う。
板近:ナマズ好きにはたまらない……というか、新年早々飼いたくなってきました。私が言うのもなんですが、アクアの雑談は飼いたい魚が増えるから危険なんですよね…………。
山口:私も先ほどはハーフオレンジレインボーを飼いたくなりました(笑)。ではでは、板近さんのお次お願いいたします。
ハニードワーフグラミー
板近:お次は、ハニードワーフグラミーどうでしょう。
山口:ん?
板近:ゴールデンではなく、原種の方で。
山口:ああ、原種か。といっても、茶色っぽい魚という気もしますが。そのあたり推しの理由をお願いします
板近:今山口さんがおっしゃったとおり、茶色寄りでもある落ち着いたオレンジがいいなと。
山口:発情すると独特な色合いになりますよね。
板近:ええ。また、改良品種にゴールデンハニードワーフグラミーがいるじゃないですか。
山口:いますね。
板近:ゴールデンハニードワーフグラミーはとても明るい色の魚で、これまたとても美しい。
山口:ハニードワーフは飼っていたことがあるけれど、あれも熱帯魚らしい良さがあるなぁと思います。引き込まれますよね。
板近:引き込まれますね。
山口:すみません、話の腰を折ってしまいました。続けてください。
板近:いえいえ。改良品種を先に知ると「原種ってどんな姿かな?」と思ったりするじゃないですか。私も、ゴールデンハニードワーフグラミーを先に知り、原種にたどりついたんですね。それで、その時に得た感覚がとても素敵で。
山口:くるものがありそうですね。
板近:改良品種と原種。双方を知った時に煌めくものがあるというか。見比べるとそれぞれの良さがさらにわかると思うんです。そんな理由もあって、ハニードワーフグラミーを推させていただきました。
クラウンローチ
山口:次はクラウンローチどうでしょう。
板近:私も考えていました(笑)。
山口:やはり(笑)。オレンジ色も綺麗だしそれを黒が引き立てている。
板近:あの黒の入り方が良いですよね。
山口:「なぜクラウンと名にあるのか」みたいな蘊蓄はみなさん聞いたことがあるかも知れませんが、オレンジと黒が愛らしく見えますよね。
板近:道化師(clown)から来ているのですよね。
山口:そうそう。オレンジと黒というとちょっと強い組み合わせですよね。読売ジャイアンツもオレンジと黒ですし。まあ、それはさておき、あの配色で愛らしいというのは興味深い。
板近:動きも可愛いですよね。大きめ個体もすごくかわいい。
山口:丸っこいボティア系の成せるわざとでも言いましょうか。
板近:体型の力はありますよね。そういえばクラウンローチを思いついた時、クーリーローチと悩みました(笑)。あの体型も、良いんですよねぇ。
山口:ああ、それもありですね。
プラティ
板近:お次は、プラティどうでしょうか。
山口:おお、意外というか……プラティはたくさんの色がありますが、あえてオレンジでプラティを出した理由をお聞きしたいですね。
板近:なんのひねりもない話ですが、オレンジのプラティって超オレンジだなと(笑)。
山口:そうですね(笑)。
板近:オレンジのセルフィンモーリーとか、改良品種の卵胎生メダカで見られるオレンジって、どストレートなオレンジが多いと思うんです。
山口:ええ。ただオレンジプラティという名前では流通してないですよね。してるのかな?
板近:オレンジプラティとは言わないイメージありますよね。
山口:板近さんが挙げたのは、いわゆるレッドプラティのことですかね。レッドプラティのオレンジ色っぽいやつ。
板近:そうした個体もそうですし、あとはミッキーマウスプラティでオレンジ色の個体がいたり……プラティってオレンジの名産地というか、オレンジの宝庫だよなぁと。
山口:そういうイメージがあるんですね。ミックスプラティの中にもオレンジ色が入っているかもしれず。
板近:ええ。子どもの頃お店でミックスプラティ水槽を見たときのオレンジの印象は、今も残っていますね。
エンドラーズ
山口:卵胎生が出たので、エンドラーズはどうですか。
板近:あー、エンドラーズのオレンジはきますね。
山口:いろいろなエンドラーズがいますが、多くのタイプでオレンジ色が入るし。
板近:ええ。
山口:そのオレンジ色がとても鮮やかであるし。
板近:びっくりするくらい鮮やか。卵胎生のオレンジを語る上でも、重要な存在だと思います。
山口:有名なブルースターにもオレンジが入りますよね。エンドラーズは1月発売の月刊アクアライフ2月号にも少し掲載しているので、興味のある人は是非。
板近:68ページからの「原種オンリー 小さな卵胎生メダカ・コレクション」ですね。
山口:ええ。エンドラーズは小さい体ですが思った以上に目立つ魚だし、飼っていて楽しい魚ですよ。では、板近さん次の選出お願いいたします。
グローライトテトラ
板近:私の中で、オレンジを語るに絶対に欠かせない魚いかせていただきます。
山口:どうぞ。
板近:グローライトテトラです。
山口:出ましたねー。お好きな魚ですよね
板近:もう昔っから大好きですね!
山口:良い魚です。
板近:ちょっと自分語りになりますが、少し前にこの魚がさらに私の中で大きな存在になりまして。
山口:何かありましたか?
板近:私が小説(そこに沈む魔女 アクアリウムライライラ/猫と鯰舎)でこの魚を「ニキシー管」と表現したじゃないですか。それを山口さんがすごく評価してくれた。
山口:いい表現だなと思いましたよ。図鑑号でもその表現ちょっと引用させていただきました(月刊アクアライフ2023年1月号 32ページ)。
板近:個人的にすごく気に入っていた表現で、それを、アクアライフ編集部として長年「アクアリウムと言葉」を扱ってきた山口さんに評価してもらえたことがとても嬉しかったんです。
山口:アクアリウムと言葉というと大袈裟ですが……。ただ、そういう仕事をしてきたというだけで。ともあれ、喜んでいただけて嬉しいです。
板近:あの表現を生み出した時期は「熱帯魚を自分の言葉で表現したい」と、いろいろなものをシャットダウンして集中していたときで。だからこそ本当に嬉しかったです……と、すみません自分語りでした(笑)。
山口:熱帯魚は個人的な趣味であり、このコーナーもわりと個人の感覚だけで乗り切っている部分もありますからそうしたピックアップもよいかと思いますよ(笑)。
板近:たしかに、過去回でもたくさん自分語りさせていただいてきましたね(笑)。読者のみなさん、いつもお付き合いありがとうございます。
コリドラス・エクエス
山口:次の選出は……ああ、これは板近さんとかぶりそうな気もするなぁ。
板近:気になりますね。
山口:コリドラス・エクエスです。
板近:あー! 私はベネズエラオレンジを挙げようかと思っていました。
山口:まあ、近い選出ですよね。
板近:エクエス、ぜひ語ってください。
山口:はい。肩口のオレンジがとても印象的ですよね。数匹で泳いでいると特に。
板近:素晴らしい映像が想像できますね。エクエスだけの水槽とか、絶対にかっこいい。
山口:ちょっと前にショップの水槽で見て、まとめてお持ち帰りしようかなと迷ったんですよ。あれ、体型も丸っこく可愛いんですよね。
板近:横から見ても可愛いし、前から見ても可愛い。
山口:結局、エクエスを迎えるのに良い水槽が家になく、その時は我慢しましたが。
板近:私もそのパターンで我慢したことが何度あったか………。
山口:いやですね、我慢ができてしまうのも。もっと勢いだけで生きていたいものです(笑)。
ピラニア・ナッテリー(ピゴケントルス・ナッテレリ)
板近:あれ、もう10種目ですか?
山口:あ。最後ですね。有終の美をお願いします。
板近:はい。ラストは悩みますが……ピラニア・ナッテリーどうですか。最新の図鑑号に掲載の名前だと「ピゴケントルス・ナッテレリ」ですね。
山口:すごい!
板近:!
山口:そのセンスは抜けていた、たしかにオレンジ色ですね。レッドピラニアとも呼ばれますが、オレンジです。
板近:このブログの「恐ろしく尖い“牙魚”の世界。ピラニアとネオンテトラは同じ○○!?」で掲載された写真(以下写真)とか、すごいですよね。
山口:いい写真ですよね。最もポピュラーなピラニアですが、ピラニアらしいというか。「普及しているからチープ」と思われたりすることもないと思う。
板近:あのオレンジには憧れというか畏怖というか、そんな感覚がありますね。これまた子どもの頃から。
山口:ほう。幼い頃になにかありましたか。
板近:図鑑ですね。熱帯魚図鑑を見ていて、ピラニアは私の中で特別感があった記憶があるんです。
山口:ピラニアって熱帯魚という限られた世界ではなくていろいろな媒体で取り上げられるから、印象に残るかも知れませんね。
板近:熱帯魚好き以外にも知られている熱帯魚ですよね。初めて見た時以外の記憶を全部なくしたとしても、忘れないオレンジだと思います。
熱帯魚のオレンジ色を振り返り
山口:オレンジ回も楽しかったですね。
板近:ええ。振り返ってどうでしょう。
山口:私はオレンジ色というと、とても強い色というイメージがあるんですよね。特に自然の中では目立つ色と言われていて。
板近:目立ちますね。
山口:例えば狩猟をする人のジャケットはオレンジ色だったりしますよね。
板近:なるほど、オレンジなんですね。そういえば、ライフジャケットもオレンジの印象ありますね。
山口:ええ。あと、フライ(毛鉤)のポスト。まあ、目印のことですが、オレンジ色だと小さくてもよく目立つんです。
板近:フライというと、渓流釣りで使われるやつですか?
山口:そうそう。毛鉤自体は2cmくらいかな。それに目印のポストがついているんですけど、それが1cmないくらいの小さなもので。でも、オレンジ色は遠くからでもよく目立つんです。まあ、環境にもよるのですが。
板近:私は渓流釣りをやったことがないので想像になっちゃいますが、渓流だと流れも速いし目立たない色だと見つけるの大変そうですね。
山口:ええ。そういう目立つ色が魚にもあるのが不思議で。目立つと捕食されやすいでしょうし。
板近:リスクある色。
山口:まあ、陸上と水中では色の見え方も違うのでしょうし、婚姻色という意味では目立つ方がいいというのはわかるけれど。小さい魚がオレンジ色を持っていると目立って食べられないかなと思ったりします。
板近:命をかけた色なのかもしれませんね。
山口:そういうところもあるかもしれません。
板近:今の婚姻色の話にも通じますが、熱帯魚のオレンジって「きたきた、発色してきた!」みたいな、そういう色でもありますよね。普段からオレンジな魚もいますが。
山口:ですね。魚それぞれ、なぜその色なのかということを考えていくと面白いですよね。
板近:面白いですねぇ。色シリーズ、まだまだ続けていきたいですね。
山口:ええ。続けていきましょう。
赤、青、茶色い魚も! これまでの「○○な熱帯魚シリーズ」一覧
アクアライフブログの「○○な熱帯魚」の記事一覧です。月刊アクアライフ編集部の運営するブログサイトです。アクアリウムや水辺の生き物に関する様々な情報を配信していきます。