みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
金魚がイヌのように芸を覚えたら……。
いっそう愛着がわくに違いありません。
金魚Q&Aとは 金魚Q&Aは金魚に関する様々な疑問に理科教諭、生物部顧問であり金魚の研究なども行なっている川澄 太一(かわすみ たいち)さんにお答えいただく連載です。一回一回独立したQに答えていくので、まとめて読んでいただいても、気になるQだけ見ていただいても、どちらでも大丈夫! 金魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のTwitterでもお知らせしておりますので合わせてご覧ください。 |
Q:金魚は芸を覚える? 教え方はあるの?
訓練で可能になります
覚えます。
次の写真を見てください。
これは海外で販売されている金魚の学習セット「R2 Fish School Complete Fish Training Kit」を使っている様子です。
緑の棒の先の赤いところから沈下性の餌を出すことができます。
これを何回か繰り返すと金魚は棒を追いかけるようになります。
さらに訓練を繰り返すと、餌が出なくても金魚は棒を追いかけるようになります。
輪くぐりをさせたい場合には、輪の先に棒を置いて「こっちに来たら餌をあげるよ~」とを誘導すればよいのです。
この写真では輪ですが、これをトンネル状にしても、同様の結果を得られます。
そして、このキットの最終目標は、なんと金魚にサッカーをしてもらうことです!
ゴールすると餌をもらえることを学習すれば、金魚はサッカーをするというわけです。
芸はいつまで覚えている?
また、輪くぐりという芸を一度覚えた金魚は、その記憶が6日間はもつ可能性があることが、私が顧問を務める生物部の実験でわかりました。
次のグラフを見てください
これは、訓練をした日と、餌が出てくる棒を見た金魚が輪をくぐるまでにかかった時間を示しています。
これを見ると、2つのことがわかります。
最初は10秒以上かかっていたのに、訓練を繰り返すと、5秒で輪くぐりをするようになったりして、素早くなります。
また、3月5日から10日まで、輪くぐりを一度もしていないのに、金魚は忘れずに覚えていて、3月11日には短い時間で達成しています。
訓練を実際に行なった生物部員によると、金魚が芸を覚えることについては個体差があり、物覚えの良い(?)金魚と、そうでない金魚がいるようです。
なぜでしょうか?
複数匹の金魚が入っている水槽に手を近づけてみると、手に寄ってくる金魚と、そうでない金魚に分かれるときがあります。
金魚の好奇心には個体差があるようでして、好奇心旺盛な金魚は、棒にひょいひょいついていく、芸を教わりやすい金魚になるのではないでしょうか。
芸を教えたいという方は、R2 Fish School Complete Fish Training Kitを手に入れるか、もしくはそれに似たようなものを自作して取り組んでみてはいかがですか?
餌が出てくる仕掛けがある棒と、エアホースのようなもので輪を作ったり、ペットボトルを改造してトンネルを作ってみるといいと思いますよ。