みなさんこんにちは。
熱帯魚Q&A編集部の赤沼敏春です。
熱帯魚には酸素が必要、これはみなさんご存知かと思います。
実際にはどれくらいの濃度が適切なのでしょうか。
熱帯魚Q&Aとは 熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。 |
熱帯魚水槽の酸素について
4mg/Lを目安にしましょう
熱帯魚は酸素がなくては生きていけません。
水中の濃度はとても重要です。
しかし、ろ過装置で水が回っているだけでも、魚が生きていくのに必要な酸素は水面から溶け込むため、水槽の酸素濃度には比較的関心が低くなっています。
ですが、すこし特殊な水槽、たとえば過密飼育でろ過バクテリアが大量の酸素を消費する環境や、ビオトープのような止水環境、酸素をとくに好む魚の飼育水槽では、酸素が不足することもあります。
魚が危険な状態にないか確認するため、ときおり計測してみるといいでしょう。
必要な酸素濃度は魚種によりますが、一般には4mg/L以上の酸素濃度があれば問題ありません。
一方で2.0mg/L以下は要注意となります。
酸素濃度はセラのO2テストのような試薬や、業務用のデジタル計測器で測定できます。
精密測定したい場合は後者が適していますが、数万から十数万円と高価になります。
測定は水草に酸素が消費されて不足しがちな早朝が適しています。
もし酸素が不足していた場合、フィルターの排水で曝気させたり、別途エアーレーションする必要があります。
また、魚が鼻上げするような危険な状態では、O2プラスのような緊急用薬剤も利用できます(あくまで緊急用です)。
ビオトープの場合、間口が狭く水深が深い容器は底部分の酸素が不足しがちなため、間口が広く浅い容器を使うことで改善できます。
実際に計測してみました
実際にいくつかの環境で計測してみました。
計測した水槽は下記のような条件になります。
・フィルター/外部式フィルター
・エアレーション/なし
・底床/ソイル系
・オーナメントなど/流木とウィローモス
この水槽での計測結果は4..0mg/Lであり、十分な酸素量がありました(下写真3点)。
その他、ビオトープでも計測してみました。
水深が浅く水草を植えた容器では、先の水槽と同様に4.0mg/Lと問題のない数字でした。
一方で水深の深い容器の底から採取した水は、2.0mgLに届かない状態でした。
これはかなりの酸欠状態と言えます。
Written by 赤沼 敏春