みなさんこんにちは。

熱帯魚Q&A編集部の赤沼敏春です。

以前の記事ではアンモニアなどと生物ろ過の関係を記しました。

それぞれ濃度の目安はあるのでしょうか。

熱帯魚Q&Aとは

熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。

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毒性物質の濃度について

餌や水換えの量、ろ過装置などの工夫で危険値にならないようにします

アンモニア、亜硝酸塩、硝酸塩は各社から発売されている試薬や試験紙などを使い調べることができます。

魚の健康に関わるため、測定したいと考える方も多いと思いますが、特にアンモニアは危険度の目安がすこし複雑です。

【アンモニアについて】

アンモニアは毒性が高く、安全に魚を飼育するには0.02mg/L以下が望ましいとされています、

しかし、アンモニアはpHや水温で危険度が変化します。

これを計算で把握するのは大変なので、アクアリウム用試薬を購入し、それぞれの説明書に従って危険度を判定するほうが良いでしょう。

【亜硝酸塩について】

一方、亜硝酸塩はpHに関係なく毒性が高い物質です。

魚種によって基準は違いますが、魚の健康を維持したいなら0.1mg/L以下、0.5mg/Lを超えるようなら水換えなどの対応が必要です。

こうした基準を下回っているなら問題ない、と言いたいところですが、そうではありません。

アンモニアや亜硝酸塩は、単に魚が安全に飼育できる濃度以下に保てばいいというものではなく、理想はゼロ(検出限界以下)にすることなのです。

ゼロは難しいと考えるかもしれませんが、ろ過がよく機能している水槽では、自然とそうなります。

逆に言えば常にアンモニアや亜硝酸塩が検出される場合、ろ過能力不足を疑う必要があります。

過密飼育や、餌のやり過ぎをしていないか見直し、水槽を分けたり、ろ過装置の強化を考える必要があるでしょう。

【硝酸塩について】

硝酸塩は毒性の低い物質ですが、濃度が高くなると藻類の発生を招きます。

また、完全な無害ではないので、できるだけ低く維持できるよう水換えサイクルを考えていきましょう。

毒性が低いので基準をどこに置くかはあまり定まっていないのですが、いちおうの目安として藻類を抑制したいなら25mg/L以下、魚の健康を考えるなら50mg/L以下くらいにしておきたいところです。

もし頻繁にこの濃度を超えるようなら、水換え頻度を上げましょう。

アンモニア、亜硝酸塩と同様に、過密飼育や餌のやりすぎにも注意が必要です。

水質試験紙
手軽に亜硝酸塩、硝酸塩の濃度がわかる試験紙(テトラ テスト6in1)。ほかにアンモニア用の試験紙もある

Written by 赤沼 敏春

熱帯魚QA