みなさんこんにちは。

熱帯魚Q&A編集部の山口正吾です。

水槽周りから音がする……。

けっこう聞かれる悩みですね。

どうすればよいのでしょうか。

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熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。

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水槽からの音がうるさい!

エアポンプからの異音とその対策

水槽関連の器具で、音や振動に悩まされるのは、エアポンプがダントツではないでしょうか。

ダイヤフラムというゴム製のパーツを伸縮させて空気を吐出するので、そもそも音や振動が出やすい構造なのです。

エアポンプのカバーを外したところ。矢印部がこの機種(アデックス202)のダイヤフラム。Photo N.Hashimoto

ということで、各メーカーとも消音・消振動には力を入れていますし、新品を使用して騒音に悩まされることは少ないでしょう。

とはいえ、使用状況により音や振動の発生も異なりますし、どうしても気になる場合もあろうかと思います。

対策として一番簡単なのは防振材をエアポンプの下に敷くことでしょうか。

ゴム製や樹脂製の防振材はホームセンターで普通に売られています。

100円均一ショップでも売られているみたいですね。

筆者は水槽の下に敷くマットの使わなくなったものを、適当な大きさにカットして使うことが多いです。

音が大きい場合、防振材が薄い場合などには、数枚重てもよいでしょう。

その他、エアポンプを宙に吊るすという手もありますが、大きなエアポンプだとそれは一手間ですね。

大型のエアポンプの下に防振材を敷いている例。Photo MPJ

揚水(循環)ポンプを使ったフィルターからの異音とその対策

ケースバイケースなので、主だったところを挙げていきます。

【大きな揚水ポンプ】

まずはフィルターの形式を問わず吐出量の大きい揚水ポンプを使っている場合。

小さな揚水ポンプならほとんど音や振動は気になりませんが、大きなものだと異なります。

個人的なエピソードですが、毎時1,000L以上を吐出する大きな揚水ポンプを1階の水槽で使用していたところ、2階までその振動が伝わり、ビックリしたことがありしました(柱の近くに揚水ポンプを置いていたため)。

こうした場合も揚水ポンプの下に防振材を敷くことがその基本的な対策になります。

とはいえ程度が強いので、よりしっかりと防振材を用いることになるでしょう。

【上部式フィルター】

トイを流れる水の音は小さいですし、せせらぎのような音なので、不快に感じることはあまりないでしょう。

商品によっては、落水パイプから水が落ちる時に、空気を巻き込んで「ゴボッゴボッ」と大きな音がすることもあります。

こうした場合、落水パイプの構造にもよりますが、先端にあるL字型(エルボー)のパーツを外すことで、解消されたりもします。

また、専用の消音フロートが付属されている商品もあります。

その他、揚水ポンプが収まる場所と、揚水ポンプのあいだにわずかな隙間があることで、ビビリ音がすることもあります。

そんなときは、インシュロップ(結束バンド)などで揚水ポンプを固定して隙間をなくすと、その音が解消されることがあります。

あいだにクッション材をはさんでもよいでしょう。

【外部式フィルター】

そもそも静かなことが“売り”ですし、あまり異音はしないと思いますが、揚水ポンプとろ過層が一体型の商品の場合、ポンプ部が空気を噛むと「シャー」という音がすることもあります。

こうした場合は、本体を揺らしたり、電源を何回か入れ直したりすると、空気が抜けて解決します。

セット時にろ過槽が水で満たされていない場合(呼び水がしっかりできていない場合)にも、「カタッカタッ」という音がしますから、きちんとろ過槽を水で満たしましょう。

ろ過槽と揚水ポンプが一体ではなく、揚水ポンプを水中にセットする商品の場合、より異音がすることは少ないと思います。

構造から考えても、異音がしにくいのだと思います。

ポンプのインペラに枯れた水草などが絡むと異音がすることもあると言いますが、吸水部(ストレーナー)に専用のスポンジをあてておくことで、だいたいはそれも防げるでしょう。

ポンプ(矢印)がろ過槽と分かれている外部式フィルター(写真はメガパワー/GEX)。Photo T.Ishiwata

【共通の問題として】

どんな機種でも、長いあいだ揚水ポンプを使っていると異音がすることもありますから、そうなったら揚水ポンプの交換となります。

24時間休みなく動いているものですから、いずれ劣化することを理解しておきましょう(耐久性が高い商品が多く忘れがちですが)。

ちなみに。

当たり前かもしれませんが、使用する器材の取扱説明書には目を通すとよいです。

異音への対策が記載されていることもありますので。

水槽の中からの音とその対策

ここまでは主に水槽の外側で使う器具類について述べてきましたが、以下は水槽の中からの音について解説していきます。

水槽の中からの音といえば、ほとんど送気にまつわるものではないでしょうか。

送気、つまりエアレーションをするエアストーンや、エアリフト式のフィルターから発生する音にもいろいろなケースがあります。

まず、送気が強すぎて「ゴボゴボ」と音がする場合。

コックを使うなどして送気を弱くしましょう。

投げ込み式のフィルターでは、使用しているうちに付属のエアストーンに汚れ詰まり、泡が大きくなって音がすることもあります。

そのときはエアストーンを交換するなりきれいにするなりしましょう。

エアリフト式フィルターの使用例(写真はロカボーイ/ジェックス)。Photo T.Ishiwata
エアリフト式フィルターに付属しているエアストーンを塩素系漂白剤に浸けてきれいにしているところ。洗浄後はしっかりと塩素を抜いて再使用する。Photo MPJ

総じていえば、メンテナンスなどによって新品の状態に近づけることが、エアの音を小さくする基本です。

それと、水槽のフタをピッタリと閉めると、意外なほど水槽の中からの音を遮断することができます。

手軽なので試してみると良いでしょう。

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Written by 山口 正吾

熱帯魚QA