みなさんこんにちは。

熱帯魚Q&A編集部の赤沼敏春です。

臭いや色素を素吸着する活性炭。

アンモニアを吸着するゼオライト。

それぞれ使用上のコツや注意点はあるのでしょうか。

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熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。

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活性炭とゼオライトのメリット・デメリット

それぞれ様々なものを吸着します

活性炭やゼオライトは生物ろ過と違い、さまざまなものを吸着することで水を浄化する性質を持っています。

活性炭は主に水の濁りや色、臭いを取り除く効果に優れていて、一般家庭でも水道の塩素抜きに利用されます。

水槽でも水中に混ざった極微細な有機物や濁りの原因になる物質を吸着するため、水がなんとなく濁ってる、茶色い、嫌な臭いがするといったときに使うと高い効果があります。

ゼオライトはイオン交換によりアンモニアや水中の硬度に関わる物質を吸着する能力があって、初期セットアップ時の水質維持に役立ちます。

アンモニア吸着効果はかなり強力なので、セット初期で生物ろ過が立ち上がっていない水槽でも魚を入れることができます(数はひかえめに)。

また、軟水をいとも簡単につくることができるので、水質にうるさい魚の飼育に活用できます。

使用上の注意点

どちらも非常に便利で優秀なろ材ですが、デメリットがないわけではありません。

まず有効期間があることがひとつ。

吸着能力は無限に続くわけではないので、効果がなくなってきたら交換する必要があり、手間やコストがかかります。

とくにゼオライトは吸着限界が近づくと急激に効果がなくなっていくので、早めの交換を意識する必要があります。

これら吸着ろ材は再生もできるのですが、ゼオライトは繰り返し塩水に漬ける必要があり、手間がかかるうえ、十分に塩抜きしないと水草などにダメージがあります。

活性炭は熱で再生処理しますが、かなりの高温でないと十分に再生できないため、結局はどちらも交換したほうが手っ取り早いのが実際のところです。

魚病薬と併用できないのもデメリットでしょう。

薬を吸着してしまうため、魚病薬を使うときは活性炭やゼオライトは取り除いておく必要があります。

活性炭については植物を炭化させたものであるため、各種ミネラル分を含んでおり、使用すると硬度を上昇させます。

pHもアルカリに傾きやすくなるため、弱酸性の軟水を好む生体とは相性が悪いのもデメリットとなります。

逆にゼオライトはアンモニア以外にカルシウムイオンやマグネシウムイオンを吸着するため軟水を作りやすいのですが、弱アルカリの硬水を好む魚の飼育には向かないため、用途をきちんと考えておく必要があるでしょう。

アクアリウム用の活性炭商品(写真はブラックホール/キョーリン)。水槽やろ過槽に入れて使用する。Photo T.Ishiwata
アクアリウム用のゼオライト商品(写真はゼオパック/キョーリン)。水槽やろ過槽に入れて使用する。Photo T.Ishiwata

Written by 赤沼敏春

熱帯魚QA