みなさんこんにちは。

熱帯魚Q&A編集部の山口正吾です。

熱帯魚といえば保温が必要、これは常識ですよね。

冬場の保温をしないで飼育はできるのでしょうか。

熱帯魚Q&Aとは

熱帯魚Q&Aは“熱帯魚専門編集部”が、熱帯魚の飼育などに関する質問にお答えしていく連載です。熱帯魚Q&Aの更新情報はアクアライフ編集部のX(旧Twitter)でもお知らせしておりますので、あわせてご覧ください。

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熱帯魚はヒーターなしで飼える?

基本的にヒーターは必要です

熱帯魚は25〜26℃の水温で飼育することが推奨されています。

夏場を除いてはこの温度を保つことができない地域がほとんどなので、水槽用ヒーター(以下ヒーター)を設置することになります。

またはエアコンで部屋ごと保温することになりますが、ここでは質問に沿ってヒーターで話を進めます。

どうして冬場にも水温を高く保つ必要があるのか、と言われれば、熱帯魚の多くは年間を通して水温のあまり下がらない熱帯地域の出身だからです。

読んで字の如し、ですよね。

とはいえ、熱帯魚は膨大な種類がいますから、すべての種で年間25〜26℃に保つのが正解とも言い切れません。

ただ、その膨大な種類の熱帯魚において、このくらいの温度が多くの種類にとって適正だということです。

熱帯魚の水槽ではヒーターを設置するのが基本。Photo N.Hashimoto

いくつかの例外について

スネークヘッドの一部では、繁殖を誘発するためにクーリング(冷却、無加温)の期間を設けることもあります。

グッピーでは時折、室内で無加温飼育をされている愛好家を取材することもあります。

その他、熱帯魚ショップで販売される温帯魚(北米産や中国産)にはヒーターが不要な種もあります。

たとえば、アカヒレは有名ですよね。

また、一部のコリドラスや一部の卵生メダカ、高地に住む真胎生メダカの仲間には低温を好む種があります(夏場の高温が苦手)。

ちなみに。

日本は南北に広いこともあり、一口に「室内で無加温」といっても温度には幅があります。

加えて同じ地域であっても建物の構造などでも室内の温度は変わります。

全ての種で低温の限界が知られているわけではありませんし、魚の個体差もあります。

低温に強い魚であっても度が過ぎれば死んでしまいます。

無加温飼育、低温飼育をされる場合は、事前によく調べ、ご自身の責任の範囲でお願いします。

チャンナ・バルカ。冬場は15℃程度まで水温を下げられる。Photo T.Ishiwata
真胎生メダカの仲間。写真はハイランドカープ・サンマルコス。高地出身なので夏場の高温が苦手とされる。Photo MPJ

ヒヤヒヤした飼育

以前の話になりますが、筆者はヒーターの温度設定を22℃にしていたことがあります。

なぜそうしたかと言えば、電気代が少し気になったこともありますし、新たな知見を得たい気持ちもありました。

飼っていた魚は、南米産のテトラやコリドラスなどですが、それで特段問題は起きませんでした。

とはいえ、当時を振り返ると、いつもヒヤヒヤしていて、魚の飼育を楽しめていなかった気がします。

そんなこともあり、本来の生態に合致する場合を除いては、あえて低温で飼う必要はないと提言したく思います。

どうしてもヒーターを使わない飼育をしたいのならば、それに合った魚、たとえば金魚やメダカ、日本産淡水魚を飼うとよいでしょう。

金魚ならヒーターなしでも飼育できる。Photo MPJ

Written by 山口 正吾

熱帯魚QA