みなさんこんにちは。

アクアライフWEB編集部です。

 

熱帯魚を購入してからの半日…………一体、アクアリストは何をしているのか。

本日は、そんなお題で編集部の山口と板近が雑談を行ないました。

 

熱帯魚の持ち帰りから、水合わせ、そして水合わせ後の過ごし方など。

熱帯魚との生活のはじまりを、どうぞご覧ください!

山口 正吾山口 正吾

ありそうでなかった時間を軸にしたお題で話してみました。

板近 代板近 代

今回はいつも以上に、アクアの雑談という感じがしました。

アクアの雑談

アクアの雑談は、その名の通りアクアリウムに関する「雑談」をお届けする連載です。お題は回ごとにいろいろ! 雑談いたしますのは、月刊アクアライフ前編集長の山口 正吾(やまぐち しょうご)と、アクアライフWEB編集部の板近 代(いたちか しろ)。雑談ならではのお話を、どうぞお楽しみください。

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その半日、あなたはどう過ごしますか……?

山口:つい最近、熱帯魚を買ってきたんですね。それで思ったことがありまして。

板近:はい。

山口:魚を購入して家に帰る。その、しばらくの時間ってみんなどう過ごしているんだろうって。

板近:持ち帰りと、水合わせなど……の時間ですよね。

山口:ええ。すごく個人的なことでもありますし、みんなどんな気持ちでいるんだろうな……とか、ふと気になりまして。

板近:言われてみると、自分以外の気持ちってよく知らないですね。

山口:そうなんです。それで、まあ唐突ではありますが、本日のお題にどうでしょう? 

板近:なんかいいですねそのお題。

山口:ありがとうございます。それだけだと抽象的すぎるので、「熱帯魚を買ってからの半日、あなたはどう過ごしますか」という感じとか。

板近:あなたは、ですか。

山口:まあ、あなたと言っても板近さんと私しかいないのですが(笑)。

板近:(笑)

熱帯魚水槽
水槽を泳ぐ熱帯魚。この景色を見る前には“やること”がある Photo by T.Ishiwata

車? 電車? 徒歩? 熱帯魚の持ち帰り

山口:板近さんは魚を買ってから、家に帰るまでどんな感じでしょうか。たとえば交通手段とか。

板近:歩いて持ち帰ったこともありますし、車で持ち帰ったこともありますね。

山口:なるほど。車だと楽ですよね。

板近:そうですね。温度も安定させやすいですし、日差しなども避けやすいですし。

山口:そうそう。徒歩の場合はどう気をつけていましたか?

板近:直射日光を避けたり、できるだけ早く帰るなどですかね。

山口:揺れはどうでしょう?

板近:どの交通手段でも揺れは気をつけますね。子どもの頃は自転車をよく利用しましたが、その時も帰りは自転車を押して歩くなどしていました。

山口:なるほど。

板近:あとこれは、私が対策したというエピソードではないのですが、車の運転をしてもらっている時に、できるだけ揺れないよう気を使ってもらってすごく嬉しかった経験があります。

山口:それは嬉しいですね。

板近:もともと安全運転な方で、いつもどおりに走ってもそんなに揺れることはないはずなんですが、さらに気を使ってくれているのがわかって。

山口:いいエピソードです。

板近:山口さんは、何か魚を運ぶ時のエピソードなどありますか。

山口:いま私は電車通勤なんですね。

板近:はい。魚も電車で運ぶことが多いですか。

山口:はい。まあ電車でも、水と魚の入った袋が小さい時はなんということもないんですよね。バッグに入れれば暗くなるから、魚を落ち着かせるのも難しくない。電車の中は空調が効いているから、あまり温度も気にしない。揺らさないようにしていれば、そうそう問題になることもないと思うんです。

板近:そうですね。

山口:ただ、魚のサイズが大きくなったりして、袋が大きくなっていくと……なかなか重い。

板近:水ですもんね。

山口:冬は熱帯魚屋さんがホッカイロをくれたりするし、温度的なことなどで問題を感じることはあまりないのだけど……やはり重い。

板近:仮に袋一つ一つが小さくても、複数になるとまた重いんですよね。

山口:そうそう。ああ、重いといえば新人の頃、会社でレイアウトを組むことになったんです。日淡の。それで、けっこうな量の石を使って。

板近:その石を電車で運んだんですか。

山口:ええ。大きめのバケツに入れて、キャリーに乗せて、家からゴロゴロと。あれはキツかったなぁ…………。20〜30kgはあったと思う。

板近:それはハードですね。

山口:周りから奇異な目で見られるし、まあ、電車で石を運ぶってけっこうな異常事態ですよね(笑)。

板近:(笑)

レイアウト石
レイアウト用の石。重量があるため、扱う際は水槽にぶつけたりしないよう注意したい Photo by N.Hashimoto

水合わせで大切にしていること

山口:さて、話がちょっと逸れましたがお題に戻って……板近さんは魚を購入して帰宅した後、どんな風に過ごしますか?

板近:そうですね。まず魚の様子を確認して、ひとまず袋を置いて麦茶でも飲んで一息入れることが多いですね。といっても短い一息なんですけど。というのは、これから集中する時間であるから一度気持ちを落ち着けようと。

山口:集中といいますと?

板近:あ、水合わせですね。

山口:板近さんは面白いですね。

板近:?

山口:水合わせと集中、私の中ではあまり結びつかない言葉で。もちろん、変な目で見ているわけではなく、人それぞれ感覚は違うんだなぁと。

板近:なるほどです。

山口:板近さんの水合わせは丁寧そうだなぁ。

板近:他の人と比較したことないですが、わりと時間かけてる方かなとは思います。ただ、丁寧というより、心配性という言い方のほうがあっているかもしれない。

山口:なるほど。なにか大切にしていることなどありますか。

板近:そうですね「この魚の水合わせは今しかできない」と、思うんです。

山口:真剣ですね。

板近:というのも、一度家の水槽に入れたらそうそう別の水槽に移さないし、ここで焦ったりサボったりして、なんかあっても嫌だから。

山口:いま素で感心しました。たしかにそこで失敗しては後に響きますね。

板近:ありがとうございます。なんだかめちゃくちゃ照れくさいのですが(笑)。

山口:(笑)。板近さんの中で水合わせは必須ですか?

板近:私は毎回やってるので、必須ということになるんでしょうね。今日のお題とは違いますが、家の中で、水槽から水槽へと移動する時も水合わせはしていますね。

山口:水合わせ中はつきっきりですか?

板近:つきっきり、というほどではないと思いますが、近くにいてちょこちょこ様子を見たりしますね。点滴法で水合わせすることがほとんどなので、ほぼ待ち時間なのですが。

山口:たしかに、待ち時間ありますね。

板近:ええ。なので、待っている間はお茶飲んだり、コーヒー飲んだりもしてますね。あ、万が一にも飲み物をこぼして水に入れてしまわないように、近くでは飲まないという決め事もあります。

山口:今日も大切の回に引き続き、話が細かいですね(笑)。

板近:(笑)

袋に名前、動画で記録

山口:私も基本的に水合わせをするのですが、その前にやることがあって。といっても、毎回ではないのですが。

板近:水合わせの前にですか。

山口:はい。私は、魚を買うだけでなく預かることもあるんですね、撮影のモデルとして。板近さんには以前そんなお話もしたと思いますが。

板近:ええ。聞かせていただきました。

山口:それで、たとえば10種類預かったら、水槽に放すとわからなくなるので、袋に魚の名前を書いておいてもらうんです。掲載用の魚だと名前を間違えるのはまずいから。

熱帯魚袋
実際に袋に名前を書いてもらった例 Photo by MPJ

板近:名前は重要ですもんね。私も……といっても私は預かることはないので、プライベートの話ですが、購入時は念の為名前をメモさせてもらったり、袋に書いてもらったりすることがあります。学名で来てたりする時とかは特に。

山口:覚えにくい時ありますもんね。

板近:ええ。それで、山口さんは、後で見直してその袋の名前と魚が一致するような記録などもされているのでしょうか。

山口:記録としては、魚が袋に入っている状態で動画を撮っていますね。写真だと魚が写らないことがあるから。

板近:ああ、そういう時は動画の方が速いし確実かもですね。

山口:ええ。ぜひ、お試しください。

pHの差と調整方法

板近:ではでは、水合わせで何かお話ありますか?

山口:そうですね。「この魚の水合わせはちょっと神経使うぞ」という場合は、袋のpHをはかったりしますね。

板近:私もはかることありますね。

山口:ああ、やっぱりはかるんですね。

板近:毎回ではないですが山口さんと同じでデリケートそうな魚の場合や、その魚の飼育情報としてpHを知りたいときなど。

山口:袋と家の水槽の差がありすぎると怖いですし。

板近:わかります。

山口:私の場合は、差が大きい場合はpH調整剤を使って両者を近づけたりもします。家の水道水は結構pHが高いのか、用意した水槽の水が7.5くらいの時もあって。そこに、袋の中のpHが5となるとだいぶ違うから。

板近:調整剤は使ったことないですね。私は、差がある時は点滴の落ちるペースをすごく遅くしていますね。

点滴法は気を使う?

点滴法
点滴法は、ポタポタと水を落としながらゆっくりと水質を合わせていく方法だ。やり方の詳細はこちら Photo by N.Hashimoto

山口:板近さんは点滴法を主に使うとのことですが、点滴法ならではの気遣いなどありますか。

板近:酸欠に弱そうな魚の場合は袋の中にエアレーションをかけたりもしますね。点滴法じゃない時もやったりしていたので厳密には「ならでは」ではないのですが、点滴法を続ける中で改めて見直したことでもあるので。

山口:点滴法は時間かかりますもんね。今、水合わせにどのくらいの時間かけてますか?

板近:どうだろう、はかったことないので正確にはわからないんですが、2時間とかやってると思います。

山口:2時間? すごいですね。エビの人は結構時間をかけるという印象がありますが、魚もですか?

板近:そうですね、魚もそのくらいは。今度、時間はかってみますね(笑)。

山口:点滴法は、温度も気になりませんか。冬場では袋の中の水温が下がってしまう。私はエアコンで室温を上げるなどしていますが。

板近:エアコンつけますよね! あと、不安になって、袋の中の水温を何度もはかりたくなってしまう。でもあんまりやると魚も嫌がるかなとペースを考え……。

山口:それで、2時間くらいしたら魚を放すと。

板近:はい。あ、点滴法を使う時は季節に関係なく、最後に水温合わせをしてから水槽に放しています。気温が高くても、ちょっとズレてたりするので。これもけっこう大切にしていることですね。

魚を水槽に放した後の緊張感

山口:水槽に魚を放した後はどんな風に過ごしますか。

板近:これはもう「見る」ですね。

山口:ああ、見ますよね。

板近:エラの動きとかが落ち着いていないと、すごく不安になる。

山口:なりますよね。大体、挙動がおかしいから水槽に入れたばかりの魚は。

板近:ええ。いきなり普通にしている魚もいますが、毎度そうかと言われれば違いますし。

山口:「なんかおかしい? でもまた手を入れたらストレスになるし」みたいな気持ちに耐えられないのはありますね。

板近:ありますあります。

山口:私なんかはドキドキしすぎて水槽を直視できないことが多いです。遠目でチラチラ見るだけにしたり。いい歳をして何をしているのだと思いますが。

板近:わかりますその気持ち。下手に手を出せないから、余計にオロオロする。

山口:あれは、ある種のトキメキですね(笑)。

板近:(笑)

山口:もちろん私も、ただ無意味に遠目から見てるわけでないんですけどね。

板近:魚を落ち着けるために。

山口:ええ。人が見ていると魚が意識しちゃうから。

板近:水槽の電気も消しておいたりして。

コンコロール
コリドラスのように人に馴れにくい魚もいる。その点も加味して、導入直後は落ち着いた環境を用意したい Photo by T.Ishiwata

山口:そうそう。ああ、板近さんもそんなことをしているんだなぁ……。うん、初めてこんな話をしたかもしれない。

板近:私も今「ああ、山口さんもそんなことをしているだなぁ」と思っています。今日は本当に、いつも以上に一致する事が多かったですね。

山口:案外、多くのアクアリストがこんな風なのかも。

板近:かもしれませんね。

山口:意外と私のように、そのことについて話したことない人も多いんじゃないかな。水合わせの時の気持ちなんてアクアリスト以外、共感できないだろうし(笑)。

板近:(笑)

山口:記事用にプロに水合わせのコツを聞く時はありますけれど、それは技術的な話であるので、気持ちまでは聞かないですよね。

板近:今日は、なんだかんだ気持ちの話がメインとなった感がありますね。あ! ちょっとお題の「半日」からはみ出してしまう話をしたいのですが、いいでしょうか。

山口:なんでしょう。

板近:翌日の話ですね。魚を水槽に放して、寝て、翌日起きて水槽を見た時。魚が落ち着いているとめちゃくちゃホッとしませんか。ああ、がんばってくれてありがとう……水合わせしっかりやってよかった……みたいな、もうすごく幸せ。

山口:なるほどねぇ。幸せ。そんな幸せもありますよね、ささやかな幸せ。

板近:幸せですよね。本当に。

山口:それで、次の日も餌を控えめにしたりして、徐々に家に慣れていってもらう。

板近:ええ。この話、半日、翌日、一週間後と、どんどん続けていけそうですね。

山口:そうですね。

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板近:ではでは本日最後にお知らせを。現在、アクアライフブログではTwitterで参加していただける、プレゼント企画を開催中です。

山口:ええ。募集開始直後から多数の投稿をいただきました。ありがとうございます。

板近:ありがとうございます。詳細は以下ツイート、以下ツイートに記載のURLをご確認ください。募集期間は2021年8月31日までありますので! みなさんの投稿、お待ちしております!

山口:お待ちしております!

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