みなさんこんにちは。

アクアライフWEB編集部です。

 

アクアの雑談、本日のテーマはお金です!

コストの話から、お金を使う時の気持ちの話、さらには夢や憧れの話まで!

月刊アクアライフ前編集長の山口 正吾(やまぐち しょうご)と、アクアライフWEB編集部の板近 代(いたちか しろ)があれこれ語りましたので、どうぞお楽しみください!

山口 正吾山口 正吾

お金を使うのは楽しい。趣味であれば尚更。

板近 代板近 代

お金の話を通して、趣味の素晴らしさを改めて認識できた気がします。

アクアリウムのお金は、楽しいお金

板近:本日は「アクアリウムとお金」という、なかなかストレートなテーマですね。

山口:お金を使うこと自体が楽しい場面もありますし、ネガティブな話だけでもないと思うんです。

板近:それ、すごくわかります! 好きな魚を買うのも嬉しいですが、大好きなお店で買物するって、とても嬉しいことですよね。

山口:つまり、買い物が楽しいんですよね、服や宝石を買うのと一緒で。釣具だってそうですよ。「釣れそうだからほしい」というよりは「ほしいからほしい」という気持ちの時もある。

板近:「ほしいからほしい」ありますね。私はカメラ関連とかで特に。

山口:カメラ……沼ですよね(笑)。

板近:ですね(笑)。

山口:アクアリウムはいろいろなステップがありますよね。

板近:そうですね。

山口:金魚すくいで持ち帰った金魚。これを飼うために「初めてセット」を買ったとする。

板近:初めてセットですね。

山口:それで、金魚が大きくなったら水槽を大きくしたり……この辺りまでは飼育のためっぽいけれど、そこにカバを入れようなどと趣味性の強いものに手を出しはじめると、そこから買い物の楽しみが生まれる。

以前の雑談でも紹介した「カバ、ワニ」たち(アクアライフ2003年12月号より)

板近:カバいいですね。この前の雑談で話題に出てから、すっごくほしいんです。

山口:ワニ、カバいいですよね。このブログでコラボ商品とか作れないかな。

板近:うわぁ、それいいですね!

山口:アクアライフブログこだわりのワニとか。

板近:それこそ、今回のテーマではないですが、お金を使ってでもほしいと思えるような素敵なものにしたいですね。

山口:考えてみようかな。

板近:考えたいですね! 今、ワニ、カバシリーズを考えると「自分がほしい」という感情が多大に入る気がします(笑)。

山口:ワニもいいけどカバもいいんだよなぁ。カバ、丸っこいから存在感も大きい。

板近:そうですね、元々ある動物でいくか、それとも新しい動物でいくか……というところも、悩ましいですよね。

山口:新しい動物か……。

板近:足裏にロゴ入れたいですね、アクアライフの。見えないところもこだわりたいです。

山口:ですね。新しい動物……。

板近:新しい動物……。これ候補が多すぎて本当に悩みますね。

山口:今どきでは、グロ系も受けるじゃないですか。

板近:おどろおどろしい置物とかもありますよね。

山口:ラクダが口から胃袋みたいなものを出してぶくぶくと膨らますみたいな話もあるし。うん、ラクダもいいかもしれない。

板近:ラクダ、座り姿とかかわいいですよね。

山口:座って口から胃袋みたいなものを出している。そこから泡がぶくぶくと出る。若者には受けませんかね。「グロ可愛い」などと言われて。

板近:意外と水槽に合うかも。

夢に夢見てアクアリウム

山口:最近、板近さんが「これは買い物のための買い物だ」と思ったアクア用品はありますか。

板近:実は最近、意外と買い物してなくて。

山口:あれ? そうなんですか。

板近:消耗品などは買ってるんですけどね。そのせいもあるのか、買い物欲が高まっているところです。

山口:それはそれは。なにか想定しているものはありますか?

板近:想定……というわけではないんですが、ちょっと前がっつり熱帯魚を買い込む夢を見まして。

山口:熱帯魚をがっつり?

板近:はい、なんかたくさん熱帯魚を夢の中で買ったんですよ。

山口:いいですね、夢であっても羨ましい。

板近:たくさんといっても、何百とかではなく、そこそこの数という生々しい夢で。

山口:リアルであったと。

板近:はい。すごくリアルでした。

山口:夢の中でも嬉しさは同じじゃないですか。

板近:はい。しかも、家の水槽も、置いてある環境もかなりグレードアップされていまして!

山口:いいなぁ……。

板近:起きた時「夢かぁ」ってなったのも込みで、楽しめた気がします。昔は、新種の生き物を発見して、それが夢だったことが、寝起きにすごく悔しかったりしましたが。ちょっと感覚が変わったのかな。

山口:私も同じような夢を見たことがあって、カブトムシを捕まえているんですよ。

板近:カブトムシですか!

山口:たくさん木についていて。「片手で3匹ゲット〜!」とか喜んでいるんです。

板近:うわぁ、いいなぁ。すごくいい夢ですね。

山口:私、その夢を見た時はもう40才を超えていて。どうしちゃったんだろうと思いました(笑)。

板近:生き物好きの本能が見せた夢なのかもしれませんね。

山口:夢つながりであると、私の先輩の田形さん。前も話に出てきた方ですが。

板近:あ、ワニ、カバの記事を書いた方ですね!

山口:はい。田形さんは、夢の中で度々訪れる「お気に入りのショップ」があったそうで。

板近:いつも同じショップなのですね。

山口:ええ。原稿にも書いていたので、ここにも気兼ねなく書いているんですが。すごいですよね、夢でショップに通うなんて。

板近:ですね。

山口:ショップはたくさんの生き物に会える場所ではあるけれど、生き物を購入できる場所でもあって。買い物の楽しみが詰まった空間だと思うんですよ。田形さんの夢は、そんな意味でも今回のテーマにも合っているかなと。

板近:たしかに。私も夢でショップに行ったことはあるのですが、通ったというのはないですね。夢の中で何度も同じ場所に行くというのはありましたが、私の場合は自然環境の中でした。

山口:私も夢でショップに行ったことはあるのですが。そこでは仕事の打ち合わせをしていました。

板近:お仕事の夢だったんですね。

山口:すごく損した気分で目をさましました(笑)。

板近:(笑)。

山口:いや、ショップでの打ち合わせは仕事とはいえ楽しいんですよ。ただ、夢の中でも仕事か! という念が。

板近:なかなか絶妙な夢でしたね。

山口:星新一の作品でもありましたね、眠りに入った瞬間に夢の中で1日が始まるという。

板近:それは見たことがないですが、くるものがありそうなお話ですね。

山口:ええ、ショートショートなのでネタバレになるような話はできませんが、とても面白い話でした。

ショップでお買い物!

山口:また脱線してしまいましたが……。

板近:夢の話、盛り上がっちゃいましたね。でも、ショップって現実でも夢がいっぱい詰まった場所ですよね。だからお金も使ってしまう、いや、使いたくなる! ほんと、嬉しく使えるんですよね。

山口:ショップにいると金銭感覚も変わりますしね。ファンタジックな空間ではあると思います。

板近:そうですね。ショップならではの金銭感覚ってありますよね。

山口:お金を使いたくなるいろいろな仕掛けがあると思うんですよね。それは悪い意味ではなくて。

板近:そうですね。よい仕掛けがある気がします。

山口:たとえば、ディスプレイ水槽。水草が気泡をつけているその姿に感動したら……。一式いくらと聞いても高く感じない。そんなこともあると思うんです。

板近:あります、あります。

山口:ただ水草水槽セットが置いてある、そういうのではなくて。

板近:状態よく管理されていると、そこ自体に価値がありますよね。

山口:そういうことです。

板近:お店の方が技術と時間を使ってくれているからこそ、そうなっているわけですし。

山口:金銭感覚が変わるという話では、アクアショップに限らずですけれど、とても高いものがあると一気に基準が変わりますよね。

板近:基準ですか。

山口:たとえば50万円の魚がいたとして、その横に20万円の魚がいたとする。そのことで「20万円か。意外とお手頃だな」などと思ったりする。

板近:財布の中身に関係なく思うことありますよね、それ。

山口:普段は携帯代の支払いに気を揉んだりしているのに。

板近:「この魚が○円なのか……安い(予算オーバー)」みたいな感覚。

山口:それそれ(笑)。

板近:それでも買っちゃう時あるんですよね。「ちょっとお金おろしてきます」みたいな。

山口:そういうのも、楽しいんですよね。

板近:そうですね、買い物ってほしい物をただ手に入れるだけではないですよね。

山口:そう、テンションが上がるその瞬間を楽しむという。それで後悔したこともないし。

板近:ですね、後悔しないですよね。あとからいろいろ節約したりはしますが。

山口:そうなんですよ、パソコンやカメラなどの10万円を超える買い物って不思議と後悔しない。それは趣味の分野の特徴かなと。逆に車は私にとって実用だから「あと50万円安い車を買っておけば、あのパソコンが買えたのに!」と思ったりもするし。

板近:なるほどです。あと、趣味の分野だと、お金以外を理由に泣く泣く諦めることもありますよね。

山口:と、いいますと?

板近:置き場所がないから買えないな……とか。底物の回でお話した、水槽内のスペース問題とか。

山口:ああ、それはありますね。私はこのあいだ、アルマートゥスカショーロをショップで見かけて。

板近:おお……!

山口:場所やその他の魚との兼ね合いから見送りました。あれ、めちゃくちゃかっこいい魚ですから。

アルマートゥスカショーロ
アルマートゥスカショーロ。尖い牙だけでなく、その輝きや体型も素晴らしい Photo by T.Ishiwata

板近:アルマートゥスカショーロかっこいいですよね、初めて見たときは衝撃でした。

山口:サーベルタイガーが飼いたい人は、あの魚を飼えばいいとすら思います。哺乳類と魚類でだいぶ異なりますが、個人的な意見として。

ほしいの中から、ほしいを選ぶ

板近:世の中にはいい魚が多すぎると思いませんか。

山口:はい、いますよね。

板近:ショップでよく思うのですが「ほしい魚」を買うというより「ほしい魚たちの中からほしい魚を選ぶ」みたいな感覚あるんですよね。全部は買えないので。

山口:そういう感覚って、他の買い物でもありますか。

板近:カメラ関連とか、園芸とかでありますね。

山口:なるほど。それは、やはり持っている情報の量が関係しているんだと思います。

板近:情報量ですか。

山口:ええ。ラーメンでも「情報を食べている」などと言われますが、熱帯魚も蓄積した情報があってはじめて楽しめる領域があると。

板近:たしかに!

山口:たとえば、板近さんのお好きなスパイニィイールやアフリカンマッドフィッシュ。これ、魚を知らない人が見たら、飼いたいと思いますかね?

板近:私はその2種と「ある程度魚と暮らしてから」出会っているので……何も知らない状態で出会っていたとしたら、きっと気持ちは違いますよね。

山口:だから、受け手の問題だと思うんです。受け手の成熟度というか。

板近:スパイニーイールはショップでほしくなって購入、アフリカンマッドフィッシュは月刊アクアライフで見て「脳内ほしいリスト」に追加された……というのが現状なのですが、どちらも「私の好み」というものが、ある程度できあがっている状態で出会っていますね。

山口:以前、私が担当した書籍の著者さんが「美には受け手の心の問題もある」という原稿を書いてくださって。

板近:はい。

山口:熱帯魚も赤や青、そういう原色の魚は美しいのですが。この趣味を続けていると情報が蓄積していって、少しずつ自分の好みが形成されていく。そういうことってあると思うんです。

高い? 安い? アクアリウムのコスト

山口:そろそろコスト面にも触れてみましょうか。

板近:そうですね。アクアリウムのコスト、これは人によって大きな差が出そうですね。

山口:アクアリウムを楽しんでいて、高くてきついと思ったことはありますか?

板近:いや、ないですね。ほしい魚が高くて買えないということは何度もありましたが、きついとは感じたことは一度も。

山口:そうですよね、予算の中で楽しめる趣味ですし。3000円なら3000円の楽しみ方があるし、100万円なら100万円の楽しみ方がある。

板近:ええ、結構価格帯の選択肢が大きい趣味ですよね。

山口:でも、世の中の人は「アクアリウム≒高い」と思っている人、多いと思うんです。実際そう言われることは多いし。

板近:私も言われたことありますね。

山口:私は家計と関係していると思っていて。草野球とか園芸とか、あまり家計に関係ないじゃないですか。そこに釣りも入れていいかな。つまり、その人のお小遣いの中で楽しめる。

板近:電気、水道ですか。

山口:そうそう。例えば、水槽を増やして電気代が上がった。そこは家計じゃないですか。それで、家計を管理する人にとっては「アクアリウム≒高い」というイメージがつくのかなと。

板近:気になりやすいわけですね。

山口:そんなこと、家の人に言われたことはありませんか?

板近:水槽の「数」の話題の時に、電気代の話が出てきたことはありますね。

山口:怒られました?

板近:いえ、幸い怒られず。

山口:それはよかった。

板近:あと、思ったのですが、アクアリウムがお金がかかる趣味に見えるのは「設備」が目立つからというのもあるのかもしれませんね。

山口:ああ、人目につくし、高級感ありますしね。ガラスの水槽は。

板近:はい、いろんな器具もついてるし。

山口:たしかに家の中にあるものとしては異質かも。テレビや冷蔵庫はすっきりしているし。水槽から何本もコンセントが伸びていると、「いかにも電気食ってそうだなぁ」と。

板近:コンセントの本数はありそうですね。電気代かかりそうなビジュアルしてる。

山口:以前、月刊アクアライフの記事で電気代をシミュレーションしたことがあって。

板近:気になるシミュレーションですね。

山口:90cm水槽で1日のうち8時間ヒーターがついたと仮定して「1000円/月」くらいだったかな。その他のエアポンプやフィルター、照明なども合わせて。意外と安いと思った記憶があります。

板近:たしかに、90でそれと聞くと意外と安い気がしますね。

山口:条件は環境によって様々なので一概に1000円とも言えませんが。昔の記事ですし、今はLEDが主流だから、もう少し安くなっているかも。冬と夏でも違いますし。

板近:ヒーターは夏冬で、稼働時間が全然違いますもんね。

山口:ええ。

板近:でも、一番高い時期の電気代が目についてしまうというのはありそうですね。

山口:家計を管理する人は少しでも上がれば気になるだろうし、ましてや、それが夫婦であれば夫婦関係の状態にもよるだろうし(笑)。

板近:電気代は全部ひっくるめての値段で請求くるし、どこでどれくらい使っているのかを想像するのもちょっと大変そうですね。でも、そういうところから節約もはじまるだろうし……。

山口:昔、実家にいた時は、電気代が3-4万円跳ね上がったと、かなり親から怒られました。そのときは水槽20本くらい置いていたかな。大型水槽もあったし、爬虫類もけっこう飼っていた。玄関にもたくさん水槽を置いていたので、それくらいかかったのは不思議ではなかったけれど(笑)。

板近:たしかにそれだけあれば、不思議ではないですね(笑)。アクアリウムをやっている人にとっては、電気と水は重要な買い物ですよね。

山口:ええ、アクアリウムでお金とくれば、そこは外せないでしょうね。

板近:でも、維持費がかかるからこその面白さがありますよね。

山口:今時の家は機密性が高いですし、エアコンも燃費性能が上がっているので、私が先に述べたような3-4万円の電気代がかかることは稀だと思いまいすよ。もう、30年近く前の話ですし。

板近:室温が維持されやすくなれば、当然水温も維持されやすいわけですもんね。

山口:私が先ほど「皆が高いと思っている」と言ったのは、世間一般の声だけではなく、実際に私もよく聞かされてきたからなんですね。うちには来客が多いと前にも言いましたけれど。

板近:水槽の置き場所の回ですね。

山口:はい。水槽を見て「とてもいい生活をしている」と思われるみたいなんです。もちろんそんなことないのですが(笑)。

板近:趣味から、いい生活をしていると思われるってありそうですよね。

山口:アクアリウムは「鹿の頭の剥製」的な象徴であるのかもしれない。

板近:他を節約しまくって気合い入れて買ったとしても、それが伝わるとは限らないですし。

山口:そうそう、趣味としてはそんなにお金がかからないと思いますよ、アクアリウムは。

板近:長く使えるものも多いですもんね。

山口:ええ。

板近:水槽に無限に魚が入るわけでもない。

山口:はい、生きているものの管理だから時間もかかるし、飼える数には限りがありますよ。基本的には。

板近:ですね、手に負える範囲になりますもんね。

山口:その手間の時間をコストと見るか楽しみと見るかで、ずいぶん満足感も異なりそうですが。楽しんでほしいですけれど。

板近:そうですね、楽しさで生まれるプライスレスは結構あるかと思います。

憧れアクアリウム

板近:アクアリウムって、お金をかけようとすれば結構かけることもできるじゃないですか。それってある意味、憧れの世界が広がっていることでもあると思うんですね。

山口:そっちは忘れていました。大切な着眼点です。

板近:買えない魚とか、家に置けないサイズの水槽を見るのってワクワクしますし。

山口:ですね。趣味の世界もいろいろですが、憧れがあるのはいいですね。

板近:雑誌とか図鑑を眺めて憧れていた時間って、本当に大事な思い出です。

山口:今でも憧れはありますか? 例えば、こんな部屋(アクアリウム込み)に住みたいとか。

板近:ありますあります! だから、夢に見ちゃうんでしょうね。この前の夢に出てきた水槽、本気で憧れるアクアリウムでしたから。めちゃくちゃきれいだったなぁ、ディスカスが。レイアウトもすごくディスカスに合っていて。

山口:なるほど、どんな部屋でしょうか。

板近:まず、広かったですね。水槽の数も多くて、魚の種類も多くて。

山口:水槽がたくさんなんですね。

板近:それで、夢なんでうろ覚えなんですけど、水槽の中の状態がいいんですよ。見た目、魚などなど。

山口:ああ、それは大切です。水がピカピカ。

板近:とても大きな水槽が家にあるという夢を見たこともありましたね。現実の自分の部屋とは比べ物にならないくらい立派なのに、夢の中ではなぜかそれを自然に受け入れている(笑)。

山口:憧れているから夢に見たんですかね。

板近:きっと、そうだと思います。水槽を置く場所をゼロから……それこそ、家のつくりから考えてみたいという憧れはずっと持っていますから。

山口:私も憧れはあって。広いリビングに2m以上の水槽1本、テーマはアマゾンで水草はエキノドルスがメイン。明るい色の砂を敷いて、魚はディスカスとテトラ、アピストあたり。まあ、いい歳して憧れというのもなんですが。

板近:素敵ですね。

山口:それとは別に、その水槽を維持するためのバックヤードが欲しい。そちらは表から見えない部屋で。

板近:バックヤード、めちゃくちゃ憧れますね。

山口:以前、本当にそういう人のお宅を何軒か取材したことがあって、大きい水槽を維持するにはバックヤードが必要なんだと思った次第です。

大型水槽バックヤード
大型水槽を管理するバックヤード。水槽に面した壁がぶち抜いてあり、隣の部屋から観賞できるようになっている Photo by N.Hashimoto

板近:大きい水槽に、バックヤード。夢のようですね。

山口:バックヤードなしでもいいんですが。状態を崩した魚の隔離とか、購入した魚のトリートメントとか、大型水槽には必要になると思うんですよね。水草レイアウトをやる人が畑水槽を持っていたりもするし、水族館にも必ずバックヤードはある。

板近:トリートメント水槽が、バックヤードにあるというのはいいですね。

山口:憧れである1tクラスの水槽を維持しようと思ったら、それを支える水槽も必要になるという話です。いい加減この憧れには着手したいのですが。

板近:おお、現実にできそうなんですね!

山口:いえいえ。いつまでも憧れで取っておきたいという気持ちもあったりして(笑)。それに仕事で魚を飼う面もあるので、小さな水槽の方が優先的なんです。小さい水槽を複数持っていた方が、色々と仕事に役立つ。

板近:なるほどです。憧れる水槽だと、私は横幅がすっごく長い水槽に憧れますね。

山口:いいですね。本当にそういう夢想は止まりません。

板近:昔ショップで、多分特注だと思うんですけど、横幅が長い水槽を見ちゃたんですよね。それが、ずっと頭の中にあって。

山口:何cmくらい?

板近:2mくらいはあったかな。高さや奥行きが短い設計の水槽だったので、余計に長く見えたんですね。それを使えば、小川みたいなレイアウトができそうだなぁって。

山口:なるほど。私は逆ですかね、正方形に近い水槽に憧れる。

板近:正方形ですか。深さがあるのもいいなぁ。

山口:遠くの方に魚が見えるのって、かっこいいじゃないですか。

板近:かっこいいですね。魚の種類によって似合う水槽の形も変わりますよね。

山口:巨大なエキノドルスの向こうに、ディスカスがちらりと見えたり。

板近:それは素晴らしいです。深い水槽に巨大な流木を置いてみたいですね。

山口:憧れも止まりませんが、本日はどんなもんですかね。

板近:たしかにこのあたりできりあげないと、終わらなそうですね(笑)。それこそ、どんどん憧れの水槽をイメージしていって。

山口:ええ(笑)。

板近:このくらいにしておきましょうか。

山口:たぶん、板近さんと私は、夢想癖があるから。

板近:憧れ水槽だけで雑談何回もやれますね。

山口:それはいいですね。というか、「板近の部屋」とでも称して、毎回ゲストを呼んで憧れの水槽を語ってもらうのもいいと思います。

板近:憧れ縛りってのも、楽しそうですね。

山口:ポジティブですからね。夢想するだけタダだし、お金がかからない(笑)。

アクアの雑談