みなさんこんにちは。
アクアライフWEB編集部です。
本日のお題は、アロワナ専門誌アロワナライブ。
創刊号からはじまり、最新号まで。
アロワナライブに関する様々なエピソードを、アジアアロワナに関するあれこれや、ヘヴィメタルの話(?)などを交えつつお届けいたします!
アロワナを飼育されている方も、そうでない方もどうぞご覧ください。
創刊の仕事は夢中になれました。
頭の中がアロワナで満たされ続けています。
アクアの雑談 アクアの雑談は、その名の通りアクアリウムに関する「雑談」をお届けする連載です。お題は回ごとにいろいろ! 雑談いたしますのは、月刊アクアライフ前編集長の山口 正吾(やまぐち しょうご)と、アクアライフWEB編集部の板近 代(いたちか しろ)。雑談ならではのお話を、どうぞお楽しみください。 |
本日の主役は、アジアアロワナ!
板近:前回の雑談で話題に出たアロワナライブvol.008、発売されましたね!
山口:ええ。10月26日に発売となりました。
アロワナライブ2021 vol.008は2021年10月26日発売!
板近:今回は、そのアロワナライブについていろいろお聞かせいただいてもよいでしょうか。
山口:いいですよ。ということは……今日の主役魚はアジアアロワナですね。
板近:ええ! ではでは、お聞きする前にちょっと、読者さんに私の立ち位置を説明させていただきますね。こうした説明はもう何度目かになりますが、今回アクアライフブログを初めて読まれるという方もいると思いますし。
山口:特にこうして雑誌について話す回であると、説明しておいたほうが混乱がなくてよいと思います。
板近:はい。私、板近はアロワナライブの制作には今まで一度も、関わっておりません。
山口:ええ。
板近:発売となったアロワナライブ最新号(vol.008)も皆さんと同じ、発売後に見させていただき、本日の雑談に臨んでおります。
山口:私から、事前に内容や裏話を板近さんにお伝えするなどもしておりませんので、読者に近い目線で質問していただけるかと思います。と……今日は板近さんなんだかそわそわしていますね。
板近:多分、アロワナライブについて聞きたいと思い立ってから、なんだかんだと一週間ほど経っていますから、そのせいかと(笑)。
山口:ああ、聞きたいことが頭のなかにいろいろありますか。
板近:はい、お察しのとおりで。ではでは、早速よろしくお願いいたします。
山口:お願いいたします。
アロワナライブ創刊号を振り返り
山口:さて、なにから話せばいいですかね。
板近:創刊号の話からよいでしょうか。
vol.001 アジアアロワナと大型魚の情報満載! 「月刊アクアライフ」編集部に寄せられた「もっとまとめてアロワナの情報を読みたい! 」という熱いファンから声にお応えして「アロワナライブ」が遂に誕生いたしました。アジアア …
山口:これはまた、振り返りますね。
板近:ええ。今回、最新号を読む前に創刊号も読んだんですよ。
山口:つまりは、創刊号、最新号と続けて読んだと?
板近:そうですそうです。それもあって、今日は創刊号の話から聞かせていただきたいなと思っていまして。
山口:わかりました。
板近:アロワナライブは、山口さんが創刊を担当されたんですよね。
山口:そうですね。創刊からvol.006(6号)まで担当したかな。アロワナライブの創刊も、以前話したアクアプランツのように営業会議で決まったんです。
板近:具体的にはどんな風に。
山口:会議で「なにかよい媒体はないか」みたいな話があって、営業会議に参加した皆から「アジアアロワナであれば」みたいな合意があった。
板近:生まれるべくして生まれた感じなのですね。
山口:そうですね。
板近:アロワナライブは、月刊アクアライフの増刊となるのですよね。
山口:はい。月刊アクアライフでは90年代中頃から本格的にアジアアロワナを掲載していたのですが、アクアライフはアクアリウムの総合雑誌でもあるので、特集は30から40ページほどのボリュームとなる。
板近:他の記事や連載などもありますもんね。
山口:ええ。それで、そうした特集を重ねていく中で「30〜40ページでは収まらないなぁ」という感も抱いていたんです。大きな魚だからこそ、大きく誌面に掲載したいというのもあったし。
板近:大きな写真が増えれば、必然的にページ数も増えそうです。
山口:そうなんです。こうして振り返ると「まるごと一冊アジアアロワナでいこう!」となったのは、とても自然な流れのように思いませんか?
板近:たしかに。少し個人的な話になってしまいますが、私、アロワナライブの創刊号すごく好きなんです。
山口:それはそれは、ありがとうございます。創刊号はそれまでの月刊アクアライフで培ってきたアロワナセンス……というのかな、そういうものを素直に表現できたと思っていて。板近さんは、特にどんなところが気に入ったのでしょう。
板近:アロワナ専門誌ならではのマニアックさもありながら、入りやすい記事も多く。読んでいると、自然に深いところに連れて行ってもらえる感じがあり。
山口:なるほど。それは嬉しい感想ですね。
板近:もしかしてこの号は、すでにアロワナを飼育されている愛好家さんだけでなく、アロワナに興味はあるけどまだ飼育していない人のことなども考えて作ってあるのかななどと、思ったりもしましたね。
山口:私自身、そこは意識していたところです。
板近:おお、そうでしたか! 今の正解は、いち編集者として嬉しいです。
山口:(笑)。せっかく一冊まるごとアジアアロワナなのだから、バラエティに富んだ記事を盛り込みたいと思ったんですね。海外レポートあり、愛好家訪問あり、QAあり。風水の記事なんかもありましたね。
板近:あの風水の記事がまた、本格的ですごいんですよね。
山口:今読み返しても、面白いなぁと。板近さんは、記事単位ではなにかありますか?
板近:そうですね……いい記事揃いなので迷いますが、特に好きなのは繁殖に関するインタビューと大型魚QAです。インタビューの次の記事がQAで、それぞれボリュームもありますが、気がついたら読み終わっていて。
山口:たしかにいい記事でしたね。集中して読めると思う。
板近:QAまで読み終わったときにちょっと休憩を挟んだんですが、休憩中も胸がドキドキしていたんです。憧れと心地よい疲労感が混ざったような感覚で……すごくいい体感でしたね。
アジアアロワナ繁殖記事
山口:今、繁殖の記事の話が出ましたが、私自身も、創刊号には繁殖の記事を盛り込みたいなと考えていたんです。
板近:それは、どういう意図だったのでしょうか。
山口:なんというか、ベテランのアロワナファンでも繁殖となるとかなりハードルが高いから、そういう情報を知ることができたら新たな飼育の目標ができるかもしれないし、単純にビギナーの方にとっても大型魚、アロワナの繁殖というのは興味を引くと思いまして。
板近:記事で繁殖について解説されていた方も、そういったお話をされていましたね。
山口:はい。繁殖を手がけた方にはずいぶん前から記事にご協力いただいており、私も古くから交流があったんですね。さらに年齢が近いこともあって、よいお話をお聞きすることができたなと思っています。
板近:旧知の仲であったんですね。
山口:そうですね。同じお題であっても、聞き手によってインタビューというのはずいぶん変化するもので。もしかするとあの記事は、そうした関係がプラスに作用したのかなと。
板近:最新号にも、同じ方による繁殖の記事が掲載されていますよね。
山口:ええ。アルビノ過背金龍の繁殖に成功したお話ですね。最新号の記事には私は関わっていませんが、こちらも、すごくよいお話をいただいたと思います。
板近:創刊号の話が最新号につながっていて、手元に2冊揃っていることが嬉しくなりました。もちろん、それぞれ単体で読んでもよい記事なのですが、続けて読むとまた。
山口:続けて読むとさらによいと思います。もう少し、創刊号でのインタビューについてお話させていただくと、記事にて解説をしてくれた、アジアアロワナの繁殖を手がけた方は本当に素晴らしい技術をお持ちで。
板近:ええ。
山口:繁殖を通じて「愛好家に楽しみを増やしたい」という思いも持っている方で。それが、読者にも伝わるといいなと思いながら私は編集にあたりました。
板近:お二人の熱い思いを、記事を通していただいた気がします。
アジアアロワナの食。昆虫の成分
山口:さて、次はなにを話しましょうか。
板近:そうですね……創刊号のなかで、なにか記事をピックアップしていただけますか。
山口:わかりました。どれがいいだろうな……ああ、昆虫の成分の話どうですか「餌昆虫の成分について」というタイトルの記事。
板近:あ、西川先生の。
山口:ええ。月刊アクアライフにて「観賞魚の病気対策」を連載されている西川先生ですね。
板近:あの記事は、かなり専門的でしたね。ずらっと並ぶ表の存在感もまた。
山口:私も思い入れのある記事の一つですし、思い出すエピソードもあるんです。
板近:ぜひ、お聞かせください。
山口:あれは2000年代前半だったかな、お宅取材でアジアアロワナの愛好家とお話していたときに、雑誌への希望というか叱咤激励をお聞きして。
板近:アロワナライブ創刊が2013年ですから、その何年か前ということですね。
山口:まだ、社内でもアロワナライブの話が出ていない頃ですね。
板近:その叱咤激励は、どのような内容であったのでしょう。
山口:その方には、私どもの発行する雑誌や書籍を買っていただいていたのですが、かなりハイレベルな愛好家であったこともあり「もっと突っ込んだ記事がないとダメだ!」と。
板近:けっこう厳しいですね。
山口:それは期待の裏返しでもあると思うんです。それで「具体的にはどんな記事をお望みですか?」とお聞きしたときに……。
板近:はい。
山口:「アジアアロワナの餌の成分なんて知りたいな」と。アジアアロワナは生きた昆虫を与えたりもするし。
板近:なるほどです。
山口:ただ当時、昆虫の栄養成分なんてものは探しても、なかなか見つからなかった。だから、すぐにはその記事は実現しなかったのだけれど。
板近:ええ。
山口:アロワナライブの創刊が決まったときに、絶対に記事にしようと思って。それで、西川先生に「なんとかなりませんか」と相談したんです。
板近:それであの記事が。
山口:はい。西川先生も資料を探してみますと、前向きに検討してくれて。そのおかげで実現できました。
板近:アロワナだけでなく、両生類、爬虫類の愛好家さんにも需要のありそうな記事ですよね。
山口:そうですね。創刊号発売後に、ある餌用昆虫メーカーの方から「ぜひあの記事を引用したい」と申し入れをいただいたりして。ああ、役に立ったんだなぁと嬉しくなりました。
板近:それは嬉しいですね。
山口:こうして振り返ると、アロワナライブ創刊号は私にとっても思い入れの強い雑誌かもしれないですね。
板近:記事を読んでも、今お話を聞いても、すごく集中されて作られたのだなということがわかります。
山口:集中できましたね。創刊号には大きな反響もいただいて、次の2号からはより多くの方から記事の協力を申し出ていただいた。編集冥利に尽きるというか「やった」という気持ちになりましたね。
ヒレ長にブタ系! アロワナピックアップ
板近:では今度は、いくつかアロワナをピックアップしていただきたいのですが。
山口:ピックアップですか?
板近:ええ。以前、山口さんからチラッとお聞きした話が頭にすごく残っていて。先月の中頃、打ち合わせをした時に出た話ですね。
山口:どの話だろう。
板近:今まで、いろいろと話題になったトピックス的なアロワナがいたと。その話が出た時は、打ち合わせを優先しなければなりませんでしたし、なんだかんだその後に予定もあったりして、具体的な話は「また今度」となったじゃないですか。なのでここで聞いてしまおうかなと(笑)。
山口:あ、あの話止まってましたね(笑)。
板近:そうなんです!
山口:では、この場をお借りして…………まず、アロワナライブのvol.002の表紙。あの魚は特徴的ですよね。
板近:ヒレの長い!
山口:そうそう。ヒレ長ゴイみたいな。
板近:すうっと伸びたヒレが美しいですよね。雲の中から現れそうな感じがあって。
山口:あの魚はうちのスタッフが現地のファームを見て回る取材で撮影した個体なのだけれど、系統立てて繁殖されているようで。
板近:アジアアロワナは、ヒレが長い個体がよいとされる傾向があるというお話もお聞きしたことがありますが……でも、あの個体はその話ともちょっと違う存在ですよね。
山口:おっしゃるとおり。その傾向は、あくまでノーマル個体の中での話で。あのヒレ長個体は、遺伝的に違うから。グッピーで言うなればワイルドグッピーと改良グッピーのような違いがあるんです。
グッピーを飼ってみたい! グッピーを繁殖させてみたい! みなさんこんにちは、アクアライフWEB編集部です。 この記事では「グッピーの飼育繁殖」について解説していきます。 初めてグッピーを飼育す …
板近:そのような「違う存在」として、他にはどんな個体が挙げられますか。
山口:ブタ系、デブ系、スモー系とも言われるレッドアロワナですかね。
板近:いつからか目にするようになった名前ですね。
山口:ひとつ補足させていただくと「ブタ系」などはアロワナ業界では普通に使われる言葉で、失礼に当たらないみたいです。
板近:私が今まで見た中でも、失礼な使われ方はしていなかったですね。
山口:もちろんブタが悪い生き物であるということはないのですが、言葉としてよくない使われ方をすることもある。だから、初めてブタ系という言葉を使って原稿を書くときは私もおっかなびっくりでした。
板近:ブタ系という言葉は、親しみを持って使われているように見えますね。
山口:そうですね。これらのアロワナは、とても体格のよいアロワナですが、単なる太り過ぎとも違うようなので。骨格から違うという話も聞きますね。
板近:まさに迫力! という感じがしますね。
山口:太い魚は横から見た時に面積が大きいから、とても見栄えがするんですね。もちろん、そこは好みの話でもあり、ほっそりしたアロワナが好きな方もいるのですが。
板近:いろんな「よい」がある。
山口:はい。ブタ系は、あの福々しい感じがよいという話もありますよね。そうそう、現地でもスモー系はSUMOと呼ぶみたいですよ。相撲のSUMO。
板近:面白いですね。
山口:しかし……改めてこうして振り返ると、いろいろなアジアアロワナがいるものだなぁと思います。
板近:アロワナライブでは、アジアアロワナの様々な個性に出会えますよね。
山口:ええ。創刊号から最新号まで、本当に数多くの個体が掲載されてきましたので、ぜひご覧ください。
海外のアロワナ事情
板近:今度は、創刊号の話から少し離れ……というわけでもないんですが、海外のアロワナ事情についてお話してもらえますでしょうか。
山口:創刊号に限らずということですね。
板近:そうですそうです。全般的にというか。もう少し広い話で。
山口:わかりました。板近さんは、アジアアロワナにレッドアロワナと過背金龍がいるのはご存知ですよね。
板近:もちろんです。
山口:他にもいくつかのタイプがあるのですが、人気を二分しているのが、そのレッドアロワナと過背金龍で。
板近:たしかに、そんなイメージもあります。
山口:レッドアロワナはインドネシア、過背金龍はマレーシアの魚ですね。それで、アロワナライブの海外レポートは、比較するとレッドアロワナのインドネシアが多くて。もちろん過背金龍も魅力的なのですが。
板近:レッドアロワナは、山口さん熱推しの魚でもありますよね。
山口:そうですね。このアクアの雑談でも、過去に何度も語らせていただいていますし。
板近:本日も、その熱い思いをお話しいただけますでしょうか。
山口:しつこいと思われないかな。まぁ、何度語っても話の尽きない魅力ある魚だからいいか。
板近:ええ。それに、今日はアジアアロワナが主役の回ですし、むしろ語り時かと!
山口:では、お題の海外事情も交えつつ……。やはりレッドアロワナは赤い発色に個体差もあるし、小さな頃は赤く発色していないから将来が読みにくい。そんなこともあって真っ赤なアジアアロワナを飼いたいという気持ちにさせる魚で。
板近:アロワナライブでも、発色に触れた話は多いですよね。
山口:素質もあるし個体差もあるし、グレードや赤くなりやすい系統などもある。そんなこともあって、レッドアロワナの本場であるインドネシアではコンテストが盛んなんです。
板近:赤いアロワナが大集合なわけですね。
山口:そのレポートを見ると、本当にびっくりするくらいアロワナが赤くて、さすが本場だなと関心させられます。インドネシアでは相当コンテストが盛んなようで、現地の著名な政治家なども駆けつけたりしていますよね。
板近:見た瞬間に赤の強さに驚いて、我に返って「この赤さ、現実!」と……いう感じで、二段階でびっくりしたりしますね。
山口:大型魚であり、ロマンあふれる古代魚であり、さらに赤いと。人気が出るのもうなずけます。
板近:逆に、人気が出ない理由が思いつかないですよね。
山口:かもしれない。
板近:飼ってないけど好きという人もすごく多いと思う。
山口:私なんかも取材するといつも魚に見惚れてしまいますよ。
みなさんこんにちは、アクアライフWEB編集部です。 本日のお題は、熱帯魚の色。 鮮やかであったり、落ち着きがあったり、深みがあったり…………。 熱帯魚の“色萌えポイント”についていろいろと語りましたので、ど …
レッドアロワナの発色とタンニング
板近:発色関連の話で、他になにかありますでしょうか。
山口:アロワナライブでは、レッドアロワナを赤くするテクニックなんていうのも紹介したことがありますね。
板近:いろいろな方法があるのですよね。
山口:はい。コンテストに向けて仕上げる本場インドネシアのテクニックなどなど。
板近:専門誌ならではですね。なにかここでも紹介していただけますか。
山口:そうですね……有名なのはタンニングかな。
板近:タンニングというとライトを当てるというやつですか。
山口:アロワナに強い光を当てると赤くなるというやつですね。
板近:ただ当てればいいわけではないんですよね。
山口:横から当てたり長時間当てたり……魚の健康を考えるとタンニングがストレスになることもあるだろうし、気を使わないといけない場合もある。
板近:創刊号でも、そのあたり詳細に触れていましたね。
山口:ええ。なのでタンニングをするかしないかは愛好家さんの判断になると思います。
アロワナライブのピラルクーポスター
板近:ではお次は、ちょっとテンションを変えて、こう、編集部の中でのエピソードとかありますか。微妙なニュアンスの質問で申し訳ないのですが。
山口:うーん……ああ、「古代魚たちの轟」という記事があったじゃないですか。イラストを使った。
板近:創刊号はシファクティヌス(中生代白亜紀に存在したアロワナ上目の魚)でしたね。あれも面白かったなぁ。
山口:その連載の第2回がピラルクーで。好評だったんですよね、社内で……というような話ですかね、板近さんが聞きたかったのは。
板近:社内で! まさにそういう話ですね!
山口:よかったです(笑)。そのピラルクーのイラストは本当に社内で好評であって、雑誌とは別に大判ポスターにして販売したんです。
板近:おお。
山口:このポスターも評判がよかったですね。
板近:雑誌サイズがさらに大判に。嬉しい人も多いと思います。
山口:イラストを描いたのは月刊アクアライフで卵生メダカの連載をしていただいている松野さんで。
板近:多才な方ですね。
山口:イラストを描くし、原稿も書くし、写真も撮る。いつもお世話になっています。
板近:このポスター、在庫あったらほしい人いるんじゃないですか。というか、私がほしいです。できれば保存と、貼る用で2枚ほど。
山口:あるのかなぁ……。というか、今現在、どれくらい持ってる人がいるんだろう。
最新号は超ボリューム愛好家特集!
板近:では、いよいよ発売したばかりの最新号(vol.008)の話をお願いいたします!
山口:なにからいきましょうか。
板近:表紙からいいですか。あの表紙がめちゃくちゃかっこよくて、実は今日、その話がしたくてそわそわしていたところもあるんですね。
山口:いいですね。私もあの表紙については話したい。
板近:おお!
山口:ではでは、いきますか。
アロワナライブvol.008の表紙に感じるは……HR/HM?
板近:改めまして、最新号の表紙。もう、めちゃくちゃかっこいいなと。
山口:かっこいいですよね。
板近:かっこいいですよね。なにか、今回の表紙の制作秘話みたいなお話ありますか?
山口:アジアアロワナって横に長いじゃないですか。というか、マンボウなどを除く多くの魚が横長で。
板近:横長ですね。
山口:それで雑誌の表紙というのは、縦長で。
板近:縦長ですね。
山口:だからアロワナライブの表紙は、顔のアップがわりと多いんです。つまりは、全身を載せようとすると、魚の面積が小さくなってしまうから。顔をドーンと載せることが多い。
板近:それは、アジアアロワナが大型魚であることにも関係していますか
山口:ああ、関係していますね。ボララスであったら顔のアップでとは思わないと思う。
板近:ボララスならば、表紙の横幅いっぱいにした時点で、かなり拡大していることになりますもんね。
山口:そうそう、アジアアロワナと違って小さいから。
板近:アジアアロワナであると、実物大で掲載しようとしただけではみ出しちゃいますよね。
山口:そうですね、実物大で全身となると成魚は絶対に無理。
板近:ええ。
山口:今回のアロワナライブの表紙は、私も担当から相談を受けていて。ああでもないこうでもないと、話していたんですが……。
板近:はい。
山口:顔のアップだと魚の個性も伝わりいくいし、過去の表紙と代わり映えしないから、ちょっとアレンジしてみようとなって。だから今回は、これまでの表紙とはちょっと雰囲気が違うと思うんですね。
板近:そうですね。今までの表紙もかっこいいですが、今回は、これまでにはなかったタイプのかっこよさを感じました。
山口:まず、アロワナライブでは、表紙の真ん中に魚の写真を角版で載せるという手法は初ですよね。以前板近さんが推していたように、月刊アクアライフではあった手法なのですが。
板近:アロワナライブは、vol.007までは一貫して全面写真の表紙でしたもんね。
山口:ええ。それで最新号は「写真がこの載せ方であると、上下の空間が寂しいかなぁ……」と懸念していたんですが、デザイナーさんがうまく処理してくれた。
板近:この掲載方法は、上と下が空きますもんね。
山口:そういう空間を活かすデザインもあるのですが、私はどちらかというとコッテリとしたテイストが好きなので。
板近:すっきりしたデザインもいいですが、こってりもいい。表紙は毎回楽しみな要素のひとつです。
山口:それで、その上下の空間やタイトルロゴをデザイナーさんがうまく処理してくれて、ハードロックとかヘヴィメタルバンドのTシャツのようなテイストになった。
板近:ああ! その感じ! しっくりきました。
山口:最近というかちょっと前というか、メタリカのTシャツ流行ったじゃないですか? これは便乗できるかもしれないぞと(笑)。
板近:少し前に、メタルのCDをジャケ買いしたんですよ。まだ聴いたことないバンドだったんですが「このジャケットなら曲も絶対かっこいいにきまってる」って、そのままレジへ向かって。それで、実際に聞いてみたらすごくかっこよくて。
山口:ほう。なんてバンドですか。
板近:ライオット(RIOT)ですね。そのCDジャケットを見た時のビリッときた感覚と、アロワナライブ最新号の表紙を見た時の感覚がちょっと似ているなぁと。
山口:実は私も、最近アイアンメイデン(IRON MAIDEN)がセルフリバイバル中でして……うん、この話は脱線しすぎちゃうんでこのくらいにしておきましょうか(笑)。
板近:(笑)。そのうち、アクアの雑談で「ハードロック、ヘヴィメタルな魚」というお題など出たりしますか?
山口:それも面白いかもしれないですね。
超ボリュームの愛好家特集
板近:では、今度はアロワナライブ最新号の内容に関する話をお願いします。
山口:ご存じの方も多いと思うんですが、去年(2020年)はアロワナライブ出せなかったんですよね。
板近:それまでは年一冊ペースでしたもんね。
山口:はい。去年は、コロナの影響で海外取材ができなかった。また、その進展が急であったので、海外の情報以外で記事を集めることもできず。ただ、今年はもうコロナが発生してから時間が経過していたし、国内で記事を集めて構成しようと、そういう準備ができたんです。
板近:それで、今回の特集「龍魚愛好家大集合」ができたわけですね。
山口:ええ。読んでみてどうでした?
板近:途中で「愛好家さん訪問記事まだ続くんだ!」とびっくりしました。特集タイトルを見て、愛好家さん特集であることはわかった上で読んだんですが、想像してたよりも多くて。
山口:驚かれる量であったと、私も思います。何ページくらいでびっくりしたか覚えてますか?
板近:それ言っちゃうと、読者さんの楽しみを奪ってしまいそうで内緒にしておきたいです(笑)。
山口:ああ、たしかにそうかも(笑)。
板近:しかし、これだけの量の飼育情報を一冊で得られるというのは、すごいことですよね。
山口:アジアアロワナ飼育の参考資料として、実用性の高い一冊になっていると思います。
板近:あとはシンプルに「見て楽しめる」という点でも、いい本ですよね。
山口:お宅訪問は人気の企画ですし、興味ある方も多いでしょうし、楽しんでいただけるかと。
板近:写真も豊富だし、アロワナを「飼ってないけど好き!」という人にもいいと思います。
山口:アロワナは大型魚ですし成長した姿がかっこいい。それに、発色までに時間がかかることもあるじゃないですか。
板近:はい。
山口:愛好家宅では、そんなアジアアロワナの美しい姿を写真に収めることができるんです。これは大きなポイントだと思いますよ。
板近:たしかに。美しい個体だらけで「目の保養になりすぎる」というか「目が足りない」というか……今日も寝る前に眺めると思います。
山口:読者目線でもそうだと思いますし、愛好家にとっては、お披露目の場にもなっているかなと思うんです。
板近:といいますと?
山口:現状、日本にアジアアロワナのコンテストは私の知る限りでは行なわれていないから。私の勝手なアレですが、お披露目の場の一つが雑誌(アロワナライブ)であると思うんですよね。
板近:たしかに、みなさんが愛魚をお披露目してくれたからこその壮観ですね。
山口:また、アジアアロワナの世界は180cm幅の水槽などが普通じゃないですか。あれも圧巻ですよね。
板近:「えぇっ、すごっ!」と驚くような飼育設備が、あたりまえのように出てきますね。
山口:アロワナも設備も、どちらもダイナミック。細かい理屈抜き! みたいなよさがある。
板近:ええ。
山口:大きい魚を飼っている人は剛気というか、そういう傾向はあると思います。これも私の勝手な解釈ですが(笑)。
板近:山口さんは実際に、取材を通して多くの飼育者さんと会ってきたわけですもんね。
山口:これまで、とても多くの方のアロワナを見せていただきましたし、お話も聞かせてもらいました。
板近:今、目の前に最新号の現物がありますが……改めて開いてみると、ボリュームあるなぁ。
山口:最新号のアロワナライブのお宅訪問掲載数は、アロワナライブ史上最高ですね。あの数を一冊に掲載したのは、担当も頑張ったなぁと。
板近:ええ、すごいです。
山口:そして、多くの愛好家さんに協力していただいて一冊の雑誌になった。本当にありがたいことです。
板近:嬉しいことですね。
山口:ええ、嬉しいです。さて…………本日はこんな感じでどうでしょう。熱が入りすぎたのか、頭が回らなくなってきました。以前もこんな状態になった記憶が、無きにしもあらずですが(笑)。
板近:たしかに、本日も熱弁でした(笑)。ではでは、最後に、読者さんに向けて一言お願いいたします。
山口:アロワナライブvol.008、アジアアロワナが好きであれば、きっと楽しめる号であると思います。現在飼育されている方も、まだ飼育されていない方も、アジアアロワナが好きという方はぜひご覧ください! では……板近さんもお願いします。
板近:私ですか? えっと……みなさんにもぜひ、超ボリュームの訪問特集を体験していただきたいと思います。私は、没入感がずっと続くような、特別な時間を過ごせました。今までいろいろなアクアリウム情報に触れてきましたが、これはちょっと新しい感覚で……と、すいませんコメントではなく、感想になってしまいました(笑)。
山口:熱い感想ありがとうございます(笑)。ぜひぜひみなさんも「お宅訪問、アロワナライブ史上最高掲載数」を体験してください!
アロワナライブ2021 vol.008は2021年10月26日発売!